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プリント、ガラス基板にとって画期的な液面浮上搬送・表面処理装置を開発
株式会社 シーズ 平成16年
企業概要
 当社は、プリント基板製造装置等の企画・開発を行なう、ファブレス(自社で生産設備を持たず外部に生産委託しているメーカー)企業である。このたび開発したのが、対象物を液面に浮上させて、その非接触搬送と表裏両面処理を可能にした、画期的な装置である。「対象物の表面にキズや汚れを全く残さない、液面浮上による搬送および表面処理装置を考案、試作を重ね、いよいよ実用化の段階に入った」と、井上社長は目を輝かせている。

 長い経験からメカトロに精通してきた社長は、寝ても覚めても新機構の考案とその可能性に思いを巡らしているという。しかし、液体表面での浮上搬送という画期的な構想を思いついた時、当社にはなかった流体運動に対する知識の必要性に気付き、愛知県中小企業支援センターを訪れたのが3年余り前であった。幸運にも、外部専門家派遣制度の活動が始まったばかりの時であり、早速、流体力学に長けた専門家の指導を受けるチャンスに恵まれた。その結果、この新装置の目処がついたと当時を振り返る。

 多孔質の樹脂板の下から洗浄液やエッチング液を噴き出させ、流体面を形成し、その上に薄いプリント基板やガラスシートを浮かせて移動搬送しつつ、表面の洗浄またはエッチング処理を行うという理想的な搬送処理装置である。従来、薄い基板の搬送には、適当な間隔に配置したローラー上を移動させているが、基板に作り込む細密化した回路の保護と汚れ防止の課題克服のため、新しい機構の必要性が高まっていた。流体の性質は、圧力、流速、温度、密度、粘性などにより変化する。これらをコントロールして、最適条件を引き出す工夫を重ね、試行錯誤の結果、液中で噴き出しと吸い込みを交互に設ける機構にこぎつけ、特許の権利化も確定した。

 今後、実用機の製作に進みたいと、井上社長はパートナーを切望しつつ夢実現に向けて意欲を高めている。
浮上搬送・表面処理装置
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支援内容
 当社より相談があった時は、民間人起用のプロマネ・サブマネ制度が2001年に(財)愛知県中小企業振興公社で発足して間もなくであった。純粋な技術支援の第1号ともいえる本件は、企業の不足技術分野を補完する形で、メカトロ知識を持ちながら流体力学を専門とする外部専門家の派遣ができ非常に効果的であった。

 流体力学の理論の入門講義に始まり、新装置の設計、試作機のテスト実施、不具合の改善の繰り返しに際して、適切なアドバイスを重ねた結果、実用装置の目処がつき、特許にも繋がった。

企業者の声
代表取締役
井上 和久氏
 物の開発には、あらゆる技術分野を総合、結集する必要があるが、当社の得意技術メカトロに加えて、不足していた流体技術について、支援センターの新制度により指導を受けるチャンスを得たことが、成功のキーになった。今後、半導体、太陽電池の表面処理等への適用を探っていきたい。

担当者の声
サブマネージャー
藤本 正男氏
 ベンチャー企業には、すべての技術をカバーすることは難しい。今回の支援は、企業が欲していた技術を正にピンポイントで支援することができた結果と考えている。今後ともこのような支援を心がけていきたい。

企業基本データ
代表 代表取締役 井上和久
住所 愛知県名古屋市中区栄2−9−26
電話 052-203-1203
e-mail inoue@sees.co.jp
URL http://www.sees.co.jp
従業員 5名
業種 精密機器製造販売業
主要製品 プリント基板、ガラス基板等の表面処理装置

提携に関する情報
 ウエットプロセス技術の得意な30〜40名の企業で、開発・販売の協調体制が取れる企業と、是非とも提携させていただきたい。