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創業117年目の煙火業が戦略的IT活用によって体質転換に成功
株式会社 小松煙火工業 平成16年
企業概要
 当社は、明治18年から続く打ち上げ花火の製造メーカーである。業界は中国との価格競争に晒されて競争が激化しており、従来のビジネスモデルが危うくなってきている。そこで、全国的に有名な大曲の花火を支えてきた高い技術力と品質、蓄積された企画と運営のノウハウ、大きな信頼をベースに、現在では新エンターテイメントビジネスと銘打ち、打ち上げ花火の企画から製造、演出、打上げまで一貫した花火に関するサービスを提供している。

 最近では、業界において先進的な試みである「環境に優しい花火」に取り組んでいる。当社と秋田県工業技術センターが連携し、短期間で土に帰る玉皮の研究開発を行っており、長年の花火に関するノウハウを提供して実証実験に協力している。製品化するには、現在の玉皮の品質を落とさないことと同時に、安全面をクリアすることが重要で、"環境"・"品質"・"安全"の全てに高いハードルを設定しつつも一つ一つ課題を解決しており、製品化まであと一歩のところにきている。

 この「環境に優しい花火」は多くのマスコミでも取り上げられ、全国のテーマパークやアミューズメントパークから問い合わせが来ており、全社員が早期に製品化できるように意欲を燃やしているところである。

 こうした活気を支えているのが、これまで進めた全社的なIT化の取り組みであり、老舗の伝統のみにおぼれることなく、時代の先を見て体質転換を図った努力である。
作業風景

支援内容
 1.平成13年度ITSSP(情報化投資活性化支援事業)戦略的ITスクールにおいて、当社の経営課題の抽出とアクションプランの策定を行った。

  社内の業務フローを見直し、経営者に集中しているオペレーションと情報のワークフローを再構築し、業務分担の明確化と情報の共有化を進め、全社の意識改革、業務プロセスの改善、戦略的IT活用の実現を目指す「IT化実施計画」を策定した。

 2.平成14年度IT活用型基盤強化事業において、情報化投資資金の支援を受け新システムを構築した。

  情報の共有、業務の権限委譲、正確な在庫把握を実現することで、夏期の繁忙期に起こる在庫不足による受注機会の損失を防ぐためのムリな製造がなくなり、安定生産と不良在庫の減少によるコストダウンが実現した。

  ITを活用し、社員が正確な数値をいつでも確認できるようになり、常に社内の状況を把握しながら仕事を進めるという意識が生まれ、相互の連携が強化されて業務効率が向上した。

  併せて、社内文書を一元管理し、責任者の不在時でも迅速かつ正確な回答ができるようになり、更に、各種申請・提出書類のテンプレートを素早く取り出し短時間で作成できるようになり、事務の効率アップが実現した。

企業者の声
代表取締役
小松 忠信氏
 従来はトータルの在庫数の把握に止まったのが、現在は製品個々の動きが見えるようになり、適正在庫を維持できるようになったのは大きな成功である。

 社員からすると、今までは勘と経験に頼るしかなかったものが、いつでも正確な数値の確認ができるようになったので、数値を意識して仕事に取り組む結果となって予想外の成果が生まれた。

 事務の効率アップと役割分担ができたので、新しいビジネスに取り組む時間が取れるようになり、結果として「環境に優しい花火」という新たな武器を手に入れ、エンターテイメントビジネスのパイオニアとして社会と業界の発展に貢献していきたい。

担当者の声
ITコーディネータ
大澤 昌氏
 多くのビジョンを持っている経営者が、やりたくてもやる時間が無いので先送りしているということは、多くの中小企業で抱えている問題の一つであると認識している。

 当社は、ITは道具であることを十分に認識し、枝葉の部分のIT化ではなく、幹を太くするIT化を実現したと考える。幹が太くなることで新たな枝が成長し、芽を出し、多くの花が咲くのと同様のことが、社内で展開されている。これからどんな花が咲くのか楽しみである。

企業基本データ
代表 代表取締役 小松忠信
住所 秋田県大曲市内小友字宮林6
電話 0187-68-2625
e-mail komatufk@obako.or.jp
URL
従業員 20名
業種 煙火製造業
主要製品 煙火打ち上げ花火の製造、販売、打上企画および打ち上げ