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中小企業診断士トップランナー訪問

株式会社IAC代表 秋島一雄さん

取材・文:諸 葉子(中小企業診断士)

【第3回】違う景色を見たい―広がる中小企業診断士の世界

取材日:2011年8月1日

第3回目は、秋島さんの行動における信念、そして今後のビジョンについておうかがいしました。自身の信念と仲間との切磋琢磨が、新しい未来をつくっていきます。大切なものはいったい何なのか、ぜひお読みください。

持つべき視点を持つ

― 診断士活動を行ううえで、秋島さんが大事にされていることを教えてください。

秋島一雄さん

(社)中小企業診断協会東京支部のマスターコースである夢カナの合宿で毎年、「われわれの中でコラボレーションするにはどうしたらいいのか」といった投げかけをしています。全員が職務経歴書を携え、「これから一緒に仕事をつくっていくには?」といった視点でのワークです。

さまざまな気づきや発見がありますが、私は、さまざまな個性をうまく受け入れて活用していくダイバーシティマネジメント、つまり多様性受容が不可欠だと思っています。もともと、さまざまな技術やスキルを持ったメンバーですが、根底にはそれぞれの価値観と考え方があり、それを素直に受け入れることが、相互理解のスタートです。最近の活動領域である海外支援ともなると、日本人以外の方とのやりとりですし、さらに思想や背景が違う人たちと、ビジネスをしていかなくてはならない。そういった意味でも、この考え方はしっかり自分のものにしなければならないと思います。リアルにコラボレーションしていく前提では、相手を認めること、受け入れることが必須です。若手診断士の集まりのMPAでも、76人ともなると1つの意見にまとめることはとてつもなく難しいのですが、同じ方向性を持つことは、受容の精神があればかなりの部分で可能だと感じています。

― 組織として同じ方向に向かっていくときに、受容の精神が大切ということですね。

秋島一雄さん

もう1つの視点として、第1回でお話しした「自分で考え、自分で行動すれば、毎日がいい天気(転機)」というものがあります。これはある意味、仮説検証だと思っています。まだ成功していない自分が言うのも変ですが、成功への秘訣とはPDCAを回すことではないでしょうか。仮説を設定し、実行・評価して、修正をかけていく。それを一生懸命やれば、よい結果でなくても必ず情報は入ってくるから、それをやるべきだという姿勢です。

エジソンが電灯をつくった際、数千回もの失敗をくり返すたびに、「また1つ、これではできないことがわかった。それをやらなければ、次はできるだろう」と、最後まであきらめずに取り組んだという逸話があります。これと同じですよね。PDCAをしっかり回していくことは、成功者に近づくための行動の黄金律だと思っています。だから、「自分でもそれをやってみよう」と言い聞かせていて、失敗しても「これはプロセスだ」と自己弁護をしつつ(笑)、次の一手に向けて自分を励ましています。

そして、次のステージへ

― 秋島さんご自身の、これからのビジョンを聞かせてください。

目標は、「自由人」です。やりたいことが自由で、時間も自由、お金も自由となるのが理想の状態です。その中でも、「仲間とこんなことをしたら面白い」、「こんな方法でコンサルティングをしては?」など、自由で楽しい発想を現実化していけたらいいですね。そのためには、もっと違う景色を見ること。自分がもう一段高い視点を持てれば、見える景色が違ってきますし、それを見るための工夫が必要だと思っています。組織の中でも、社員と役員、経営者で見える景色が違うのと同じです。IACで、従業員を10人雇うとどのような景色が見えるのか、売上が億になればどのような景色が見えるのか、そんなことを楽しみながら考えています。

― 楽しみですね。ほかに見えている新しい景色はありますか。

秋島一雄さん

やりたいことがたくさんあり、欲張りだなぁと思うことも多々あります。貿易を含めたビジネスといった大きな夢がありますが、研修関係でも大きな夢があるんです。

私は、研修講師の現場が大好きで、今後も間違いなく稼働していきますが、ある程度の量に抑えようと思っています。その一方で、現場を知り、それをもとに人材教育の教材開発をやりたいと思っているんです。たとえば、受講生がより納得感のある方法や気づきを得るためのワークを研究開発していくことです。人への教育が一番高級なものだと、私は思っています。よいアイデアを発想し、よりよいものをつくっていきたい。そして、その発想を生み出すために、素晴らしい仲間と美味しいものを食べつつ、外国のきれいな景色でも眺めながら考える。そんな仕事ができたら、最高だと思います。

広がる中小企業診断士の世界

― 診断士資格は、秋島さんにとってどのようなものですか。

これもやはり、「やればできる」ということだったんです。自分にとって診断士資格は、取得するまでは「何かやらないと」といった何となくのものでしたが、取得後は本当に世の中が変わりましたね。優秀で前向きな皆さんと交流することで、やる気が出る場をもらいましたし、お互いに負けていられないという感じで頑張れる、楽しい世界の存在も教えてもらいました。

空間軸の視界が180度まったく変わり、広がっていったんだと思います。さらに時間軸にも劇的な変化が起こり、流れもサラリーマン時代より数倍早くなりました。そして、空間軸と時間軸以外に、何よりも自分軸が大きく変わりました。そんな3つの軸が変化する世界へのパスポートが、診断士資格だったのだと思います。

― 診断士仲間との交流が、加速度的に世界を変えていったのですね。

私の好きな言葉に、「創発」という言葉があります。もともとは生物学の用語で、1+1=3にもなる、つまりは相互影響の変化で大きくなるという意味です。

さまざまな人が集まると、「こんなことはできないだろうか」という意見が出され、そこでお互いに切磋琢磨し、ポジティブに進めていくことで、よいアドレナリンが出てきますよね。そして、「これって面白いよね」と言っているうちに、いつの間にか物事が進んでいく。自分にとって一番大切な診断士仲間の集団であるMPA・夢カナマスターコース・ふぞろいプロジェクトには、何よりも知的好奇心があり、前向きなメンバーと一緒にいるだけでも楽しく、励みになります。よいメンバーが集まれば、ちょっと面白そうなことを投げかけるだけで、「創発」といった自己増殖を起こし、個々と全体のモチベーションにドライブがかかっていく。そうすれば、よい結果が出るに決まっているんです。そんな世界にいられるだけでも、診断士資格をとってよかったと感謝しています。

自分にとって最後のキーワードは、「楽しさ」です。何事も楽しくないとダメで、しかもその楽しさは、単純に「愉快な」という意味の「fun」ではなく、「好奇心にあふれた」という意味の「interesting」であることが大事だと思っています。私は、診断士資格を取得して独立してから、イヤだと思った日は本当に1日もありません。楽しくてたまらない。それって、大事なことですよね。「楽しくないとダメ」、それが私の行動指針の原点です。まさに、「自分で考え、自分で行動すれば、毎日がいい天気(転機)」ですね。

(おわり)

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秋島 一雄(あきしま かずお)
長崎大学経済学部経営学科卒業後、総合商社に営業職として入社し、米国ダラス・インドネシア・タイに駐在。その後、半導体メーカーに転職し、2006年中小企業診断士として独立。現在、株式会社IACにてコンサルティング、研修講師、実業に従事。東京商工会議所中小企業相談センターではコーディネーターを務め、その他公的機関でも専門家派遣やセミナーの実績多数。さらに、東洋大学大学院中小企業診断士養成課程、産業能率大学等で講師を務める。また、中小企業診断士の集まりであるMPA(Mission Passion Action)を設立し、中小企業診断士受験生向けの試験対策本『ふぞろいな合格答案』(同友館)の執筆代表として毎年、出版を行う。

会社名 株式会社IAC
設立 2006年9月11日
所在地 東京都中央区八丁堀
TEL 03-3537-3601
FAX 03-5543-3680
E-mail akishima@iac-tokyo.com