経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

中小企業診断士トップランナー訪問

株式会社IAC代表 秋島一雄さん

取材・文:諸 葉子(中小企業診断士)

自分で考え、行動し、多くの仲間と歩む中小企業診断士
【第2回】仕事と会社、ネットワークへの思い

取材日:2011年8月1日

第2回目は、秋島さんの現在の主な活動である、商工会議所を中心とした公的機関での仕事をはじめ、設立された会社やコミュニティなど、組織についての思いをおうかがいしました。

公的機関の仕事から学べること

― 公的機関での活動は、秋島さんにとってどのような位置づけでしょうか。

秋島一雄さん

何よりも、本当にありがたいお仕事をさせていただいていると感謝しています。端的に言えば、中小企業の支援をいくらでもできる現場であり、その体験の積み重ねとスキル向上には事欠きません。特に、現在の活動のメインである東京商工会議所(以下東商)の中小企業相談センターは大きな組織で、数え切れないほどの実例があります。そこでの経営相談は千差万別で、創業から廃業まで企業の一生のさまざまな局面の相談が、オフィシャルからプライベートまで幅広いレンジで寄せられ、さらには日本人だけでなく、外国籍の方もお越しになります。そうしたクライアントさんに、どのように納得感を持って聞いていただくかを常に意識しながら、相談対応をしています。

また別の側面として、コーディネーターとしての専門家派遣の手配業務があります。ここでは、優秀なコンサルタントの企業支援の過程を見ることで、同業としてさまざまな気づきをいただくこともあれば、企業側としての見方もできる貴重な双方向の実践経験となっています。この経験から、『インターラクティブコンサルティング(双方向コンサルティング)』(税務経理協会)という書籍も出すことができました。

最近は、中小企業の海外展開支援が佳境に入りつつあり、私も東商や他の公的機関で海外案件の相談の仕事をさせていただいています。そして現在は、そのまとめ的な意味合いの『海外展開ハンドブック』を東商のコーディネーター4名で鋭意執筆中です。自分のスペシャリティである海外経験、3ヵ国に駐在した商社マンとしての経験を、企業支援に応用していく実践の場があること、それ自体が励みであり、何よりもやりがいのある仕事をさせていただいていると思います。

― コーディネーターに加え、専門家派遣としてのご活躍やセミナーにも多く登壇されていますね。

秋島一雄さん

東京都と千葉県、神奈川県を中心に、商工会議所、商工会、団体中央会、その他の公的支援機関から専門家派遣として、営業展開・販路開拓・組織マネジメント・グループ戦略・展示会支援・交流会等の支援をさせていただいています。

また同様に、全国の商工会議所、商工会等でのセミナーにも登壇のみならず、企画立案からかかわったり、経営指導員の方の研修をさせていただいたりもしています。独立当初から毎年、登壇件数が増えてきて、現在は年間30本程度稼働させていただいている状況です。セミナーの内容は、専門家派遣とかぶっていますが、創業塾や経営者対象のセミナー、販路開拓、マネジメント、海外展開、展示会等、ニーズに合わせたものです。ですが、ここで一番学ばせてもらっているのは自分ではないかと実感しています。受講者がどこで反応し、どこには反応しないのかを知ることで、自分のヨミの当たり外れから気づくことも多いですし、ご質問やご意見をいただくことで得る生の声は、今後の指針や考え方の修正に本当に役立っています。

自分の会社を設立

― 独立されてすぐに、会社を設立されていますね。

自分の会社では、コンサルティングと研修、そして実業と呼んでいる実際のビジネスをやっていきたいと思っています。そのためにも、会社組織をしっかりつくっておきたいと考え、その布石としてつくったのが、(株)IACです。IACは、「integrity(高潔な)」、「associate(仲間)」、「challenge(挑戦する)」の頭文字からとっていますが、社名からは正直、何をやっているのかがわからないと思います。しかし、3つの言葉の意味合い以外に、「何でもやるぞ」という意気込みもあり、将来的に1人での限界を超えるためには組織が必要で、そのための会社だと考えています。

たとえば、昔からの夢であるツアコン、その診断士版である海外へのビジネスツアーコンダクター、中小企業の経営者と外国の工業団地に行くことなどです。準備を一緒に行い、現地視察での見聞と刺激を持ち帰り、自社の経営に活かすためのフォローまで行う、といった内容を考えています。もともと、私は海外旅行が好きで商社に入ったのですが、ツアーコンダクターという職種も好きなので、コンサルタントという自分のフィールドでそれを応用してやってみたいですね。また別の視点として、「何よりも実業」とも思っています。貿易を手がけることや、犬が好きなので、それを実業にすべくNPO法人を立ち上げるといった仕掛けもすでに行いました。これらは50歳以降の大きな課題として、準備を進めています。

また、IACでは組織対応ができなければいけないと思っています。たとえば研修講師、講師は登壇が決まれば、どんなことがあってもやらなければなりません。万が一のことがあった場合、自分が代役をできるのであれば、緊急対応が可能です。だから、自分は少しでもオールラウンドなプレイヤーになるべく、インストラクションスキルの研鑽と知識の深耕のためにも、活動領域を広げる努力をしています。そして領域を広げることで、意外なところで物事がつながっていると気づくこともよくあるんです。

中小企業診断士のネットワーク構築

― 秋島さんは会社以外に、さまざまなグループや組織をつくられていますね。

秋島一雄さん

MPA・夢カナマスターコース・ふぞろいプロジェクトの3つが、いまはメインの活動になっています。どのグループにも、素晴らしい能力を持つ若手診断士がたくさんいます。自分としては、常に変化に敏感で旬を追いかけることが、コンサルタントとして不可欠な要素だと思っているので、メンバーたちとの交流はかけがえのないチャンスです。

MPAの名称は、MISSION/PASSION/ACTIONの頭文字からとったもので、現在は76名で毎年、海外合宿を含めたコンサルティング活動をしています。夢カナマスターコースでも、独立意識の高いメンバーと合宿を組み、中小企業診断士のマーケティング戦略として、メンバー間で何ができるかについて、ワイワイガヤガヤやっています。そしてふぞろいプロジェクトでは毎年、診断士試験に合格直後の20名程度のメンバーと、いきなり出版を手がけるという荒業を楽しくやっています。

これらの組織は会社と違い、上下関係が明確にあるわけではなく、給料があるわけでもありません。そのような環境下、どのように単なる集団から目的意識を持った組織にし、みんなで回していくのかといった視点で見れば、毎日が学びと気づきの連続です。共通目的と貢献意欲、コミュニケーションをどう押さえるのか。そして、結果を出すためにはどのような手段を用いるべきか。私は、楽しい3つのラーニングマシーンに恵まれているのだと感じています。

この3つのネットワークには、感謝・感謝・感謝ですね。本当に素晴らしい仲間に恵まれたこと、そのことだけでも中小企業診断士になってよかったと、日々実感しています。

(つづく)

【こちらもおススメ!】

秋島 一雄(あきしま かずお)
長崎大学経済学部経営学科卒業後、総合商社に営業職として入社し、米国ダラス・インドネシア・タイに駐在。その後、半導体メーカーに転職し、2006年中小企業診断士として独立。現在、株式会社IACにてコンサルティング、研修講師、実業に従事。東京商工会議所中小企業相談センターではコーディネーターを務め、その他公的機関でも専門家派遣やセミナーの実績多数。さらに、東洋大学大学院中小企業診断士養成課程、産業能率大学等で講師を務める。また、中小企業診断士の集まりであるMPA(Mission Passion Action)を設立し、中小企業診断士受験生向けの試験対策本『ふぞろいな合格答案』(同友館)の執筆代表として毎年、出版を行う。

会社名 株式会社IAC
設立 2006年9月11日
所在地 東京都中央区八丁堀
TEL 03-3537-3601
FAX 03-5543-3680
E-mail akishima@iac-tokyo.com