経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

中小企業診断士トップランナー訪問

株式会社ヒロ・マネジメント代表取締役 田中浩さん

取材・文:松林 栄一(中小企業診断士)

研修・セミナーは年間200日、本音と本気の「研修コンサルタント」
【第1回】がむしゃらにやってみる

今回は、「研修コンサルタント」の田中浩さんを取材しました。独立して14年、現在は全国各地で年間200日の研修・セミナーを行い、クライアントの行動変容と課題解決を支援している田中さん。引く手あまたの人気講師として活躍するまでの経緯をお聞きします。

営業パーソンとしてのキャリア

― 学生時代から、将来は何か自分で事業をしよう、あるいは講師など人に教える仕事をしようと思っていらしたのですか。

田中浩さん

いえ、全然そんなことはないです。小さい頃は、父が中小企業を経営していまして、みていて子どもながらに大変そうだと感じていました。自分でやろうとは思いませんでしたね。

教える仕事も、別に親や親戚に先生がいたわけでもなく、たまたま流れでなっただけです。子どもの頃から、すぐ学級委員長なんかに推されるタイプでしたから(笑)、人前で話すのは嫌いじゃなかったんでしょうけど。

― 大学卒業時の就職先は、どのように選ばれたのですか。

就職したのは、お菓子の材料を取り扱う食品の卸売会社で、職種は営業でした。業界については、「食品なら、食いっぱぐれがないかな」程度の認識でした。職種のほうは、学生時代のアルバイトに映画館や喫茶店、デパ地下などの接客が多く、それらが楽しかったことから、営業をやりたいと思ったんです。

― 食品営業の仕事には、やりがいを感じていましたか。

ええ。もちろん、ストレスがたまることもありましたけど、とても面白かったですね。やはり、自分に向いているんだと思います。

営業担当としてパン屋やケーキ屋などの取引先を回り、職人さんの話を一生懸命に聞いて親しくなっていく中で、数字も上がっていきました。2社目の食品会社では、営業マネジャーとして仕事をしていました。

中小企業診断士資格を取得、独立へ

― 中小企業診断士の資格取得を目指した経緯や受験期のことを教えてください。

仕事は順調で成績もよかったのですが、30歳前になると、「このままでいいのかな」、「もっとほかのこともできるんじゃないか」と思うようになりました。

数字に強くなろうと思い、簿記の資格を取ったりしているうち、たまたま書店で、宮本邦夫先生の「中小企業診断士になる法」という本をみつけたんです。それを読んで、「コンサルタントって、俺に向いているぞ」と思いました。

当時は土曜日も仕事をしていましたし、子どもがまだ小さかったので、ほかの人ほど時間はとれません。そこで、10分、20分を活用して学習時間を積み上げていき、2年間で何とか合格することができました。

― その4年後に独立されましたが、きっかけはどのようなことでしたか。最初の仕事は何だったのでしょうか。

田中浩さん

当時、勤めていた会社が吸収合併されたのをきっかけに、簡単にいえば、生活のために独立したわけです。最初の仕事は、たまたまある方からいただいた、あるお店の調査でした。

調査をすると問題点が出てくるわけで、「じゃあ、それを直すために研修をやりましょう」、「田中さん、研修はできますか?」、「はい、やります」と。でも、研修はやったことがなかったので、先輩講師の見よう見まねでやりました。それが最初です。

― そこから仕事がふくらんでいったんですね。

いえ、ふくらまなかったです(笑)。正直、よく失敗もしました。せっかく研修講師の仕事をいただいても、評判がよくなければ、リピートの依頼はきませんよね。先輩の研修をみて勉強したりしながら、ある程度自信がつくまでに3年ぐらいかかりました。

でも、それを回り道だとは思っていません。僕は、コンサルティング会社や研修会社で経験を積んでから独立したわけではないし、それですぐいろいろな依頼がくるほど、甘くはないですから。

理念は後からでもいい

― 最初に企業理念を固めておけ、とよくいわれますが、田中さんの場合はいかがですか。

理念? いや、ないない(笑)。結果的にみると、最初の3年ぐらいは、子どもを食わせるために、とにかくいろいろな仕事をやりました。もう必死ですよ。理念はあったらあったでいいけれど、後づけでいっている人も実は多いように思います。最初のうちはがむしゃらにやってみて、やっているうちに志が固まってくる―それでもいいんじゃないでしょうか。

僕は独立して14年になりますが、いま、ものすごく「あれやりたい、これやりたい」って思っちゃうんですね。格好よくいえば、興奮して夜に眠れなくなっちゃうぐらい。病気かもしれませんけど(笑)。

がむしゃらにやって、ある程度安定して、本当の勝負はそこからじゃないですか。

(つづく)

【こちらもおススメ!】

田中 浩(たなか ひろし)
株式会社ヒロ・マネジメント代表取締役、研修コンサルタント、中小企業診断士。(社)中小企業診断協会東京支部中央支会副支会長。食品卸売業・営業課長を経て、1997年2月に独立。3C(コンセプト、コミュニケーション、クリエイティブ)の実践をモットーに活動している。JA、民間企業、自治体などを対象に、プレゼンテーション、問題解決、リーダーシップ、目標による管理、営業力強化などの研修を行う。診断実績に人事制度の構築、店舗診断、市場調査などがある。昨年度の研修・セミナー実績は200日。単著に、「提案営業を極める」(同友館)、「トップ営業マンの交渉術」(ぱる出版)がある。2010年秋、「技術者のためのプレゼンテーション力向上講座」(同友館)が出版予定。

会社名 株式会社ヒロ・マネジメント
設立 2006年11月
代表取締役 田中 浩
所在地 東京都大田区南蒲田2-8-8-101
TEL 03-5654-7890
FAX 03-5705-0580