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中小企業診断士トップランナー訪問

有限会社ワークショップ代表 川口 佐和子さん

取材・文:田中 聡子(中小企業診断士)

現場支援と人材育成を柱に走り続ける
【第3回】自由度の高さを楽しむ

取材日:2010年4月12日

昨年の川口先生の誕生日会には、約50人が集まりました。職種も年齢もバラバラでしたが、とてもアットホームで、楽しいひとときでした。川口先生のまわりには、いつも人の輪ができています。最終回となる今回は、その人を惹きつけてやまない魅力に迫ります。

場をつくる

― 事務所には、中小企業診断士以外にも、デザイナーさんをはじめ、年齢も職業もさまざまな方が集まってきていますね。

自分がある程度の年齢になると、刺激が欲しくなるのでしょうね。年に2回くらい、全然仕事と関係ない方も呼んで、事務所で餃子パーティーをしたり、お鍋をしたりします。柏餅をつくったこともありました(笑)。若い方は中身が粗削りでも、感性がフレッシュで面白いですね。

中小企業診断士の集まりでも、さまざまな方が集まったほうが面白いと思います。マネジメント・ワークショップ主催で、毎年、忘年会か新年会を開いているんですが、今年の新年会は集まった45人のうち、8割が独立診断士でした。残りの2割は、公認会計士や経営者、デザイナーや会社勤めの方など、本当にさまざまで、ほとんどが30~40代でしたね。皆さん、集まる場を欲しがっているのでしょう。もしかしたら、正月早々集まって大騒ぎ、といった能天気なことを、ほかの方たちがなさらないからかもしれませんが(笑)。

でも、本来は、自分が参加する場を自分でつくることが、とても大切です。今あるところに参加するだけでなく、参加する場を自らつくることも、若い方たちには心がけてほしいですね。

基本に立ち返る

― 仕事がうまくいかないときもあると思うのですが、どのように対処されているのですか。

コンサルティングをするときと同じですね。一度リセットして、原理原則に立ち返ります。自分が本当は何をしたい人間なのか、何のためにコンサルティングという仕事を選んだのか、そこに戻ることです。

気分転換は、一晩寝ると忘れる性格なので、特に苦労はしていません(笑)。ただ、お酒を飲むことは多いですね。さまざまな考えの人と会って、コミュニケーションをとる。私は、自分と違う人といるほうが安心感を持てるんです。自分に足りない考えを補ってくれますからね。ですから、職種も中小企業診断士に限らず、さまざまな方とつながっていたい。

たとえば、同じセミナー講師でも、それ一本で食べている方もいれば、大手のコンサルティングファームに勤めている方もいるでしょう。同じ仕事でその場にいたとしても、バックグラウンドが違えば、物の見方も考え方も変わります。そういう方たちに会うことも、気持ちを切り替えるうえで、とても役立ちますね。

それから、できるだけ海外に行ったり、国内でも環境を変えたりと、リセットにつながるきっかけづくりを自主的にしています。仕事に溺れてしまうと、そういう時間がとれなくなるので、意識して時間をつくる努力をしていますね。

中小企業診断士の醍醐味

川口佐和子さん

― お付き合いの長いクライアントさんもいらっしゃるのですよね。

もちろん、そういった会社もありますが、いつまでも同じコンサルタントがかかわっているのがよくない場合もあります。当初3年のつもりで入ったとしても、その企業のステップに応じて、私のしていることに慣れ過ぎている、と思ったら、期限を待たずに離れるべきですね。お互いにしがみつくのではなく、一度卒業というか、区切りをつけたほうがいい。また必要とされるときが来たら、戻ればいいだけのことです。私たちコンサルタントの本当の仕事は、コンサルタントがいなくても回る会社をつくることですからね。いなくても回ると思ったら、それは卒業の時期だ、ということです。

そのタイミングは、クライアントさんとの間で自然にわかってくるものです。こちらが、「そろそろ一度、終わりにしてもいいかな」と考えていると、社長さんから、「川口さん、一度止めてみようかな」と言われたりする。とは言え、仕事上の付き合いが終わった後に、従業員や経営者の方々とつながっていることが多いのも、事実です。そういう関係を築かせてくださった経営者さんたちには、感謝しています。

― まさに、「顔のみえる人間関係」ですね。「中小企業診断士の先生」ではなく、「川口先生」に依頼したい、と言っていただける点が、独立診断士の醍醐味とも言えるのでしょうね。

そうですね。大手のコンサルティングファームと独立診断士では、働き方が異なります。独立していなければできないことも、たくさんあります。これから独立する方には、その点を自覚してほしいですね。そして、本当に中小企業を活性化させたい、という信念を持って努力する方が増えることを望んでいます。

独立診断士の特長は、仕事の自由度が高いことでしょう。クライアントさんに対して、「今、ここに力を入れたい」と思ったら、その時期はコンサルティングフィーを無視してでも、とことん付き合うことが可能です。企業に入り込むこともできますし、それを誰も止めないというのは、やはり独立診断士の面白さです。もちろん、大手のコンサルティングファームにも、思いを持った方は大勢いるでしょうが、組織で動く以上、決められた時間内で回答を出す、という制約はどうしても出てきます。私たち独立診断士には、幸いなことにその制約条件がありません。何でも自分で決められる、裁量範囲が広い、ということですね。それを十分に楽しんで、仕事をすればいい。そして、それによって中小企業が活性化し、経営者の方も従業員の方も、その向こうにいるお客様までもが喜んでくれれば、それがいちばんですね。

取材を終えて

先生とは、もう5年以上もお付き合いをさせていただいていますが、今回の取材を通じて、知らない一面にいくつも触れることができました。辛口のコメントをいただくことも多いのですが(笑)、その裏にまっすぐさと温かさがあるからこそ、いつも人が集まってくるのだと、あらためて実感しました。本日は、どうもありがとうございました。

(おわり)

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川口 佐和子(かわぐち さわこ)
(有)ワークショップ代表取締役。中央大学文学部哲学科心理学専攻卒業。GMS(量販店)でベビー用品・子供服のバイヤーに従事。現在は、食品スーパーチェーン、アパレル・服飾関係の小売チェーンを主なクライントとして、顧問コンサルティングを行っている。また、中小企業の事業再生支援、創業支援にも実績がある。

会社名 有限会社ワークショップ
設立 1997年12月
代表取締役 川口 佐和子
所在地 東京都千代田区神田小川町3-24-1-406
TEL 03-5283-3371
FAX 03-5283-3372