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中小企業診断士トップランナー訪問

オフィスブルードア代表 佐藤 一郎さん

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

資格をエンジンに、"夢"の実現に向けて歩を進める
【第3回】顧客が思わずリピートしてしまう仕事の姿勢

取材日:2009年12月26日

「人に伝える」というキーワードで、ご自身の"夢"をさらに広げている佐藤さん。「自分自身がパーソナリティとなって番組をつくり、専門知識をわかりやすく伝えたい」と語る姿は、とても楽しそうです。最終回となる今回は、佐藤さんの考える理想の診断士像を伺ってみました。

相手にどのような貢献ができるかを考える

― 稼げる中小企業診断士になるためにとるべき行動としては、どのようなものがあるとお考えですか。

佐藤一郎さん

「何ができるかを明確にし、実績をみえる形で積み重ねること」、「日頃から書く習慣をつけること」、「窓口としてブログやホームページを開設しておくこと」、それから「仕事を追わないこと」ですね。

特に、お願いベースで仕事を追わないことが大切です。つねにベストを尽くして、よい結果を出すことにフォーカスすべきでしょう。結果を出すことが営業で、営業力がないこと=サービス精神が甘いということになります。「相手にとって得るものがあるか」をつねに意識する必要があると思います。中小企業診断協会に所属している方であれば、「協会が何をしてくれるか」より、言い方は悪いですが、「いかに協会を利用するか」が大切です。いずれにしても、自分から動く姿勢がなければ、稼げる中小企業診断士にはなれません。

― 佐藤さんの考える、「企業から望まれる理想の診断士像」を教えてください。

診断ではなく、「何ができるか」が大切だと思います。相手にどのような貢献ができるか、自身の強みや弱みを明確に把握し、一般論ではなく具体論で語れる中小企業診断士が求められるのではないでしょうか。

私は、「たとえば力」と言っているのですが、プロ水準の知識を、「たとえば、~ということです」といった感じで相手にわかりやすく伝えられる力が必要だと思います。そのためにも、引き出しをたくさん持っておくといいですね。引き出しというのは、本で得られる総論だけでなく、現場で役立つ各論をプラスしたもので、具体論を展開する際のベースとなります。こうした内容を、執筆やセミナーなどでどんどんアウトプットしていくことです。ピンポイントで、「この分野ならこの人」といった個人の看板を持っている人が仕事をとれますし、なければつくることも大切ですね。

仕事の軸は、「専門知識をわかりやすく伝える」こと

― 佐藤さんの今後の展望や"夢"を教えてください。

佐藤一郎さん

「稼げる診断士」という話がありましたが、私はあまり金額にフォーカスしていません。金融専門のコンサルタントとして、年収1,000万円以上稼ぐことも可能だとは思いますが、大学の仕事は絶対に外したくないので、収入にこだわると仕事のバランスがとれなくなってしまいます。写真は、ある番組のゲストとして銀行について話したときに、聞き手の林家正蔵師匠と写したものです。

ここまでの話で、私の経歴ややっている仕事について、バラバラなイメージがあるかもしれませんが、私の中では経営者や金融機関職員、あるいは大学生に「専門知識をわかりやすく伝える」という軸でつながっているんです。将来的には、「業界の水先案内人」としてゲストに呼ばれるだけでなく、自分自身がパーソナリティとなって番組を持ち、できるだけ多くの人に専門知識を伝えていきたい。自分の軸を大きく広げ、スポットでもかまわないので、TVやラジオの番組で情報発信していくのが"夢"ですね。

― では最後に、若手の独立診断士へのアドバイスがあればお聞かせください。

自分なりに軸を決めて、その分野の第一人者となることが大切だと思います。それから、プロフィールなどで経歴を「某大手企業に勤務」といった形にする方も多いですが、社名をオープンにしたほうが顧客には安心感があります。業界のプロ水準でみて、正しい知識をわかりやすく具体論で語れる、「たとえば力」を持った中小企業診断士にぜひなってください。

取材を終えて

これまで私が取材させていただいたトップランナーの中では、佐藤さんはとても静かで控えめな方です。圧倒されるようなパワーは感じられませんが、言葉の端々に「伝える」ことへの情熱がにじみ出ています。

東川さんの取材時に出てきましたが、「行動する」ことの大切さは、すべてに共通するキーワードです。また、「具体論で語れる」というのも、玉田さんの取材時に伺った「一緒に汗をかく」ことに通じますね。さらには、加藤さんの取材でもそうでしたが、現場で積み重ねてきた自信が自らのポジションをつくっていくのでしょう。独自のポジショニングという点で、特に学びの多い取材でした。

(おわり)

佐藤 一郎(さとう いちろう)
あさひ銀行(現・りそな銀行)の船橋・浅草各副支店長、南阿佐谷・青戸各支店長を歴任。コンサルティング会社勤務、人材育成会社役員、出版社代表を経て、2005年8月に独立開業。オフィスブルードア代表。銀行を戦略的に活用してもらうための親身のアドバイスを天職とし、銀行現場の視点を活かしたわかりやすい切り口と、ざっくばらんな話しぶりの講演・セミナーが人気。実務家の視点から、大学の講師としても教鞭をとる。『元銀行支店長が教える 銀行の急所』(東洋経済新報社)ほか、著書・執筆記事多数。「銀行付き合いのヒケツ」を『日経トップリーダー』誌に好評連載中。

会社名 オフィスブルードア
設立 2005年8月
代表取締役 佐藤 一郎
所在地 東京都江戸川区南篠崎町3-29-12-506
E-Mail isato2323@aol.com