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中小企業診断士トップランナー訪問

株式会社ネクストフェイズ代表取締役 東川 仁さん

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

現場で築いた資金調達ノウハウをオープンにし、
若手士業の活性化を目指す
【第3回】年収1千万円を超える診断士を増やす

取材日:2009年10月20日

中小企業を活性化させるために、「金融機関と若手の士業を元気にしたい」と語る東川さん。自身のノウハウをオープンにしつつ、自らにはさらなる研鑽を重ねることを課しています。東川さんの抱く将来の展望と、独立診断士に対するアドバイスを伺いました。

重要なのは「自己研鑽」

― 先ほど、仕事での心構えを伺いましたが、これからの中小企業診断士に求められる役割は何だと思われますか。

「先生」にならないことでしょうね。経営者と一緒に課題を解決していく姿勢が求められると思います。そのためにも、自分を磨くことが大切です。ですから、顧問先を持つにしても、1年が最長だと思っています。もちろん、1年以上続けることも可能ですが、よほど新しいことに挑戦しない限り現状維持になりますから、自分のレベルが下がり、感動も薄くなります。

中小企業診断士は、「芸人かつ商人」でなければならないと思います。芸人として喜びを提供し、商人としてのクライアントに儲けてもらうことを追求する(結果として、クライアントが喜んで報酬を支払ってくださるわけです)。そのためにも、自己研鑽が重要です。

― 自己研鑽と言えば、東川さんはセミナープロデュースもされていますね。士業向けに、ご自身のノウハウも公開されています。

東川仁さん

私は、ノウハウを隠す中小企業診断士は愚かだと思っています。公開しても簡単に真似できるわけではありませんから、相談されます。そうすると、ますます私のもとにノウハウがたまりますよね。また、オープンにすることで、さらに先へ進もうとする自己研鑽の動機づけにもなります。

ノウハウを隠すのは、自分の成長を加速させる機会を自ら閉ざすことです。自分の学びたいことを直接学びに行くと、費用も膨大になりますが、セミナーをプロデュースすればほかの人と費用を分担できますし、志の高い人とネットワークをつくることもできます。中小企業診断士には、思いつきをすぐに行動に移す力が必要だと思うんです。私がやっているように、思いついたテーマですぐにセミナーを開催してみる。そうすると、セミナーのために勉強をしますから、その分だけ知識が増えます。反応がよければ広げればいいし、悪ければそれでやめればいい。やる前に成否を考えて、結局やらない人が多いんです。

― たしかにそうした傾向はあるかもしれませんね。では、今後の展望や夢を教えてください。

中小企業を活性化するには、中小企業にいちばん近い金融機関や中小企業支援者である士業が活性化しないといけません。そのために、マネジャーのコーチングスキルを高める提案をしていきたいと思っています。将来的には、若手の面倒を3年間だけみて、力をつけさせてから独立させるようなことに取り組みたいですね。師匠に学んだことを、次に渡していかないといけません。ここで学んだ人は実力があるとみなされるような、いわば士業のリクルート社みたいになりたいですね。

まずは、「動くこと」

― いいですね。私が面倒をみてほしいぐらいです(笑)。では最後に、すでに独立して頑張っている若手診断士にアドバイスをお願いします。

東川仁さん

まずは、動くことですね。動くことでさまざまな結果が出てきますから、そこから学ぶことが大切です。やるなら本気で、どんな仕事をどのように取っていくかを考える必要があります。夢のあるいい仕事を取るためには、どんな小さな仕事でも手を抜かず、成果を積み重ねていくことです。経営コンサルタントである以前に、自分が経営者であることを忘れてはいけないと思います。

小さな実績を積み重ねていくことで、ノウハウがたまります。ノウハウがたまれば、PRツールとなる本の出版にもつながります。今度、『中小企業が融資を3倍引き出すアピール力』というタイトルの書籍を出版しますが、これも地道に実績をつくってきたことがベースになっています。やはり、この商売でも「見せるもの」があると、受注や紹介につながりやすくなります。私は20万円かけてチラシを作成しましたが、そのような費用は、お金を借りてでも捻出したほうがいいと思います。

私も動き続けること3年で、年収1千万円を達成しました。中小企業診断士として稼げるかどうかは、結局自分しだいです。一緒に、もっと稼げる中小企業診断士を目指しましょう。

<取材を終えて>

中小企業診断士のトップランナーたちを取材するたびに思うことだが、とにかくパワフルです。現場で積み重ねてきた圧倒的な自信が、ノウハウを公開する姿勢にも表れていました。

以前、取材させていただいた加藤忠宏さんのときも感じましたが、現場に寄り添って積み重ねてきた経験が、他の追随を許さないノウハウに昇華するのでしょう。また、「先生にならない」というひと言は、「中小企業診断士に期待する!」の取材で玉田夫妻のおっしゃっていた「一緒に汗をかく」という言葉につながります。経営コンサルタントとしての自己研鑽や現場主義について、あらためて考えさせられる取材でした。

(おわり)

東川 仁(ひがしかわ じん)
大阪の地域金融機関で13年間、中小企業に対する相談業務・融資審査業務に従事。退社後、その経験を活かし、資金調達コンサルタント・経営コンサルタントとして独立。現在は「資金調達」、「創業者支援」、「2代目経営者に対する教育」、「中小企業の経営革新支援」を中心に活動を行っている。

会社名 株式会社ネクストフェイズ
設立 2007年2月
代表取締役 東川 仁
所在地 大阪府吹田市豊津町40-6 EBIC吹田302号
TEL 06-6380-1259
FAX 06-7777-3982
E-Mail jinny@npc.bz