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中小企業診断士トップランナー訪問

コンサルティング・オフィス高橋代表/中小企業基盤整備機構新現役チャレンジ支援事業全国事務局マネージャー/NPO経済活動支援チーム代表理事 高橋順一さん

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

3つの"顔"で走り回る日々
【第2回】コンサルティングのおもしろさ

取材日:2009年4月27日

第2回となる今回は、前回に引き続き「新現役チャレンジ支援事業」における目標と、高橋さんご自身のコンサルティング活動について語っていただきました。

「新現役チャレンジ支援事業」の目標

― 「新現役チャレンジ支援事業」における目標は何でしょうか。

高橋順一さん

2008年の7月からスタートして、現在は8,400人程度の方が新現役に登録してくださっていますが、目標は登録者30,000人、年間マッチング10,000件ですね。

マッチングを成立させるには、企業の多様なニーズに応えられるだけのさまざまなスキルを持ったOB人材に、1人でも多く登録してもらう必要があります。その手段として、地方で「新現役フォーラム」を開催したり、現在登録してくれている方にさまざまな方をご紹介いただくための交流会を開催したりしています。また、大企業とパートナー契約を結んで人材を紹介してもらったり、事業の告知をしていただいたりすることで、登録者をできるかぎり増やせるように活動しています。

この事業じたいは5年の予定で動いているので、あと4年ありますし、最近では新現役になっていただけそうな方が大勢退職を迎えているので、何としても魅力のある事業に育てていきたいと思っています。

個人としてのコンサルティング活動

― 続いて、ご自身が行っているコンサルタント活動について教えてください。

コンサルティングは、支援している会社の社長さんたちが必死にやっているからこそ、こちらも力を貸したいと思うところにおもしろさがあると思います。やっぱり、必死になってやっている人には、力を貸してあげたい。中小企業が抱えている悩みはたくさんあって大変ですが、それを一緒になって考えていくのは本当に楽しいですね。社長さんの中には、業務の関係で夜間や土日にも電話をかけてくる方がいらっしゃいますが、困っているのであれば、いつであっても力を貸してあげたいと思います。そういったところは、サラリーマン時代と全然違いますね。

― 支援企業との関係は、どのように構築されたのでしょうか。

今、支援をさせていただいている会社さんとはもう長いお付き合いですが、そんなお付き合いをしていただいているのは、私に心を開いてくれているからだと思います。知人の紹介で支援を始めたのですが、いきなり顧問契約なんてことはできなかったですね。こちらから1つずつ提案したり、一緒にやってみたりしていく中で、自然と顧問契約という形になっていきました。

もちろん、最初からお金の話はできたわけではなく、1つの成果がきっかけになったと思います。社長さんにしてみれば、成果が上がっていないのにお金を払う気にはなれないですからね。でも、何かしら成果が出てくると、「今度はこれをやってみよう」とか、「あれはどうなってるの」とか、自然とそういった話になる。やっぱり、そういった話が出てくるようにならないと、コンサルティングはできないんじゃないかと思いますね。

「従業員が育っていくこと」が一番の成果

― 今までのコンサルティングの中で、一番の成果は何ですか。

一番と言えるのは、成果を上げるまでの過程というか、その過程の中で「従業員が育っていく」こと、「従業員の問題意識が変わっていく」ことだと思います。もちろん、数字に落とせるような成果も必要ですが、社長さんにとっては数字よりも「従業員の成長」のほうが大きな成果なのではないでしょうか。

支援した会社さんからも、そのことで大変感謝していただきましたが、そういった話を聞くと、自分の中でも「よかったな」と思います。現場の人の話を聞くところまで踏み込んでいって、しっかりコミュニケーションをとらないと、本当の意味での支援はできないんでしょうね。

高橋順一さん

従業員さんたちとのコミュニケーションは、仕事中だけでなく、一緒に飲みに行って直接話したりもします。私はお酒が好きなのでそうした方法をとりますが、大切なのは「その人を好きになること」だと思います。お酒の力を借りながら、リラックスした中で、その人のいいところを探すのも、よりよい支援のために必要です。逆に、それができないとコンサルティングもうまくできないような気がします。支援先から寄せられる悩みには人に関する問題も多いので、それらを解決するのにも有効な手段だと思います。

(つづく)

高橋順一さん:コンサルティング・オフィス高橋代表、中小企業基盤整備機構新現役チャレンジ支援事業全国事務局マネージャー、NPO経済活動支援チーム代表理事。

高橋順一(たかはし じゅんいち)
昭和30年生まれ。北海道大学水産学部卒業。(株)北商を経て昭和55年、(株)なとり入社。取締役原料部長、取締役原資材調達本部副本部長、関連会社監査等を歴任し、同社退社後、平成14年、中小企業診断士として独立。平成20年度からは中小企業基盤整備機構新現役チャレンジ支援事業全国事務局マネージャーを兼任するなど、食品関連業(農水産含む)や建設業を主たる専門分野とする経営コンサルタントとして活動中。