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中小企業診断士トップランナー訪問

コンサルティング・オフィス高橋代表/中小企業基盤整備機構新現役チャレンジ支援事業全国事務局マネージャー/NPO経済活動支援チーム代表理事 高橋順一さん

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

3つの"顔"で走り回る日々
【第1回】独立7年目を迎えて

取材日:2009年4月27日

現在、3つの"顔"を持って中小企業診断士としての活動をされている高橋順一さん。今でこそお忙しくされている高橋さんですが、45歳で会社を退職されたとき、周囲からは「相当苦労する」と言われていたそうです。
 そんな中、高橋さんは大先輩の中小企業診断士の方からいただいた一言に勇気をもらい、その言葉を信じてご自身の活動の場を広げていかれました。独立当時から現在までの軌跡をうかがいました。

現在の活動について

― 中小企業診断士として独立されて7年目とのことですが、現在はどのような活動が中心なのでしょうか。

高橋順一さん

現在の中小企業診断士としての仕事を大きく分けると、中小企業基盤整備機構が行っている「新現役チャレンジ支援事業」のマネージャーとしての活動、一個人の中小企業診断士としての活動、代表理事を務めているNPO経済活動支援チームの一員としての活動、の3つに分けることができます。

「新現役チャレンジ支援事業」のマネージャーとしては、中小企業庁が平成20年度より実施している「新現役チャレンジ支援事業」の全国事務局で活動を行っています。基本的には全体の業務の3分の1くらいだと思いますが、この事業に現在もっとも時間を投入しています。2008年7月から始まった仕事で、全国を走り回っています。

次に時間を投入しているのが、私個人で行っている中小企業4社への継続したコンサルティング事業です。私が食品会社出身だったこともあり、4社すべてが食品関係の会社です。知人からの紹介や、中小企業支援センターの専門家派遣事業として支援をした後に、先方が引き続き民間対民間の契約での支援継続を希望されたことがきっかけです。

セミナーの講師もいくつかさせてもらっていますが、ある中小企業支援センター主催のセミナーで講演をさせていただいた後、そのセミナー講師をご依頼くださった方が他の機関に異動されて、またそこからお仕事をいただくといったものがほとんどです。

そのほかに、NPO経済活動支援チームの一員としての活動があります。NPO経済活動支援チームとは、中小企業診断士や社会保険労務士、税理士、コンサルタントなどの中小企業支援の専門家を会員とするNPOで、多くの専門家がチームを組んで中小企業の支援をしています。私は、建設業の支援事業に参加し、建設会社3社の新分野進出支援を行っています。こちらも「食」に関するもので、アユの養殖、モロコの養殖、米の栽培などの新分野進出を支援しています。

「新現役チャレンジ支援事業」とは

― 「新現役チャレンジ支援事業」では、どのような役割をされていますか。

この事業は、中小企業支援の仕組みとして、とてもおもしろいものだと思っています。これまでの中小企業支援施策としては、専門家派遣がメインにありましたが、専門家の支援は時間的な制約がある中で行うことが多いので、月に数回しか支援ができず、どうしてもアドバイス的なもので終わってしまいがちでした。そのため、支援を受けた中小企業は、専門家から宿題ばかり与えられて、それを実行できずに終わってしまうこともありました。

新現役というのは、大企業を含めた企業のOBで、さまざまなノウハウやネットワークを持つ実務家の方々に登録いただいたシニア人材のことです。この事業は、そういった方々と支援を望む企業さんをマッチングすることで、支援していくのですが、新現役の方々であれば週に3回くらい訪問することも可能なんですよね。頻繁に訪問していただけると、一緒になって考えていくことができるので、その企業さん自身が問題を解決する力をつけられるようになるのです。そういった面で、専門家派遣にはできない支援が可能になるのだと思います。

また、この支援方法だと、企業さんにとってそれほどの負担にならないことも多いんです。新現役の方々には、会社を退職されて、これからは社会貢献をしたいと考えている方も多いので、たくさんお金をもらおうと考えている人はそれほどいません。企業さんの立場からすれば、実務家の方に低価格で来てもらえるのは、とてもありがたいことなのではないでしょうか。

高橋順一さん

何より、新現役と中小企業のマッチングを全国規模で実現することが、この事業の大きな魅力です。大企業のOB人材は、首都圏に多くお住まいです。地方の中小企業にとって、旅費を負担してまで会ったこともない方に来てもらうというのは、不安でなかなか踏み切れないですよね。そんなとき、国が旅費だとか少しの負担をしてあげることで、マッチングの機会が実現するわけですから、とても意義のある事業だと思うんです。私自身、この事業に携われてよかったと思っています。

(つづく)

高橋順一さん:コンサルティング・オフィス高橋代表、中小企業基盤整備機構新現役チャレンジ支援事業全国事務局マネージャー、NPO経済活動支援チーム代表理事。

高橋順一(たかはし じゅんいち)
昭和30年生まれ。北海道大学水産学部卒業。(株)北商を経て昭和55年、(株)なとり入社。取締役原料部長、取締役原資材調達本部副本部長、関連会社監査等を歴任し、同社退社後、平成14年、中小企業診断士として独立。平成20年度からは中小企業基盤整備機構新現役チャレンジ支援事業全国事務局マネージャーを兼任するなど、食品関連業(農水産含む)や建設業を主たる専門分野とする経営コンサルタントとして活動中。