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中小企業診断士トップランナー訪問

特別編:座談会・活躍する女性診断士の仕事術

司会:宮崎 洋一

【第8回】今後の展開&後進へのメッセージ

取材日:2007年11月09日

コンサルタントとしての経験を別の形で仕事に

司会:それでは、今後の展開についてお聞きしたいと思います。これからやりたいこと、あるいは夢や目標といったことについて、いかがでしょうか。

茂木:私は、これからの10年、着実にじっくり仕事をやっていこうと思っています。焦らず、ゆっくり、勉強もしながら、一歩ずつ前進していけたらと考えています。子供ができる前は、ガツガツしていたというか、「もっとやってやる!」と考えていましたが、変わりましたね。

司会:上岡さんはいかがですか。

上岡:茂木さんの話を聞くと人ごとではないと思うのです。これはまさに女性の事情だと思うんですけれども、子供を産むとすると年齢的にもギリギリなので、自分が動かずに何か事業にかかわっていくような形を考えないといけないなと思っています。

10年弱、中小企業診断士としてやらせてもらうと、「なぜここでいつもつまずくんだろう」とか、「こういうところが中小企業さんは不便だな」ということがだいたい見えてきます。それを人が動くことで解決するのがコンサルティングであるとすれば、それ以外に何か役立つツールのようなものをつくれないかな、と日々思っているんです。そういうことをコンサルティングとは違う形で仕事にできたらいいな、なんて思っています。

司会:川口さん、いかがでしょう?

川口:いくつかあるのですが、自分も年を取ってきて、いつまでも第一線でやっていられるわけではないと思うんです。ですから、まず1つには自分のコンサルティングノウハウをスキルアップしつつ若い人たちを育てていきたいなという気持ちがあります。私自身、昔からの夢として自分で実業をやりたいと思っているので、どこかでそちらにチェンジしたいということも、そういう気持ちの背景にはあります。

もう1つは、有限会社ワークショップとは別に、せっかく作ったマネジメント・ワークショップというユニットがあるので、そこでの仕事の枠組みを今後どう広げていくか。マネジメント・ワークショップというブランドを商品化していきたいということを考えています。

みんなにそれぞれ実力がついたら別会社にしてもいいと思っているんです。できればみんなで使えるようなコンサルティングツールを1つ作っておいてあげると、若い人たちもそこからすっと入りやすいのかなと思ったりもしています。

上岡:同感です。

地域活性化の仕事は女性診断士にすごく向いている

川口佐和子さん

川口:あとは自分のコンサルティングフィールドという意味では、食品のなかの、(川上・川下というのは)あまりいい言葉ではないけれども、川上のほうですね。農業であったりメーカーであったり、そういう生産のほうにもフィールドを広げていきたいと思っています。

もう1つ広げたいのが、アパレルのコンサル。いま婦人靴のチェーン店は1社やっているのですが、アパレルのコンサル先がないので、できればそういうところも積極的に受けようかなということは考えています。常に自分を広げて集約しての連続だと思うので、いくら年を取っても次の可能性は捨てたくないですね。

それから、少し話の流れからはずれるかもしれませんが、茂木さんのようなビジネスモデルというのを、これから女性診断士はどんどん目指してほしいのです。中小企業診断士、コンサルタントというと、どうしても中央を目指したがるのですね。また、地域の商工会議所や役所も、東京から偉い先生が来るのを喜ぶ悪い習慣があるのです。それはよくないなと思っているんです。地域の仕事を地域のなかでこなしていく力を持った女性がもっと増えてほしい。地域活性化の仕事は地道な努力が必要で、なおかつコミュニケーション能力も必要です。女性にすごく向いている仕事だと思うのです。

私はたまたま東京で生まれて育ってしまったので東京でやっていますが、いま高知に取引先が1件あるのです。できれば高知で独立している診断士に少しずつそういう仕事を譲っていってあげられるといいなと思うし、そういうことも今後の目標の1つですね。

希望あふれる女性の独立診断士がたくさん増えてほしい

司会:それでは、最後にコンサルタントや中小企業診断士という仕事を目指そうと思っている、あるいは勉強を始めているような若い女性、夢をもってキャリアをつくろうとしている方へのメッセージをお願いします。

上岡:2つほど。自分の実体験で申し訳ないのですが、この仕事は実態がはっきりしていないし、すごく迷う業界ではないかと思うのです。そういうなかで自分を見失わないためには、どんな陳腐な夢でもいい、「自分がコンサルタントになったらこういうふうになりたいな」という希望をもって入ってきてほしいというのが1つです。

川口:それは私もまったく一緒。何だかわからないで独立しないでほしいですね。希望らしきものはどこかに持っていてほしい。自分がどこに行きたいのかといううっすらとした希望でいいので。

上岡実弥子さん

上岡:もう1つ。いろいろな情報があふれていますし、いろいろな人を見過ぎてしまうと迷ったりすると思うのですが、実際に企業さんに入ったときには、素直に「自分はどう思うか」とか「どう見えるか」という理屈ではない部分の目線や気持ちを大事にして臨んでほしいと思います。そんな人に来てもらいたい。

川口:それは女性の特性ですものね。それを活かさないことにはコンサルタント然とした先生方と変わらない......。

司会:ありがとうございます。では、茂木さん。

茂木:独立するときに、「50代、60代の経営者が、20代の女性コンサルタントの言うことなんか聞くわけがない」「もっと経験を積んでから、独立した方がいい」と心配する方もいらっしゃいました。実際、独立してみると、「若い女性の視点からコンサルティングをお願いしたい」という方や30代、40代の同年代の経営者からの依頼が多く、「若いから無理」ということはないと確信しました。

女性をターゲットとしたお店の支援や女性経営者の支援など、女性だからこそできる仕事も多いと思います。女性コンサルタントは、まだまだ少ないと思うので、ぜひ、若い女性に目指してもらいたいし、活躍していただけるといいなと思っています。そして、結婚、出産後も、自分らしく、仕事を続けていただければいいなと感じています。

司会:ありがとうございます。では、川口さん。

川口:夢を持つという意味では、この業界は女性が一番フィールドが広いのですから、大きな夢を描けると思います。だから、素直な気持ちでこの業界に入って来てもらって、素直に学んでもらう。そういう姿勢が自分を育てると思うので、あまりかしこまって自分をつくろうとしないで自然体でいくということがとても大事だと思います。

とはいえ、プロの世界ですから、私たちが言った一言一言がその企業を左右することもあるわけです。だから、どうやったらプロとしての責任を果たせるのか、つねに研さんする気持ちをもって、自分の限界まで頑張る。取引先に対する思い入れと向上心を忘れないでほしいと思いますね。

これは決して難しいことではなく、コンサルティングの仕事は原理原則を説く仕事なのです。原理原則を見極めようとする努力、そこに意識を集中させれば、男も女も関係なくいい仕事ができると思っています。

女性の独立診断士がたくさん増えてほしいです。特に地方で増えてほしいなと思います。

司会:ありがとうございました。

(つづく)