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中小企業診断士トップランナー訪問

特別編:座談会・活躍する女性診断士の仕事術

司会:宮崎 洋一

【第7回】女性の持つメリットを仕事に活かす

取材日:2007年11月09日

川口佐和子さん

司会:この辺りで女性であるということのメリット・デメリットについてお聞きしたいと思います。まずメリットについてはいかがですか。単純な話で、業界全体として少数であるということで目立つということが、まずありますね。

上岡:お聞きしたところによると、女性診断士の割合は、診断協会所属の会員でいうと4%ほどらしいです。

茂木:4%というと、いま診断協会の会員が8,500名ほどなので、350人ぐらいですね。

川口:まあ、そんなものかしら。でも、それを考えると、男性に比べたら独立している人は結構多いですよね。

上岡:たくさんいると思う。女性の独立診断士。覚えているもの、どんな仕事をしている人とか。男性は数が多いせいか、埋もれている。

川口:そういう部分で女って得ですよね。独立しているコンサルタントはまだ少ないから目立つ。その点、男性は損かもしれない。

茂木:男性の経営コンサルタントは多いので、独立しても話題性がないかもしれないですね。

司会:確かに男性にとっては不利かもしれませんね。その他の点についてはいかがでしょう?

川口:コンサルティングの仕事で女性にしかできない仕事はあるけれども、男性にしかできない仕事はないのです。例えば、女性向けの起業塾はあるけれども、男性向けの起業塾はない。

また、接客研修はほとんど女性だけれども、男性がそこに入ることはすごく少ない。そういう意味では「フィールドがすごく広くて得だ」と思ったほうがいいのです。

あとは女性であるという意味で、消費者目線であったり、クライアントと対等な目線で、常に自然体でいられたりということがあって、小売業の仕事などは特に女性に向きますね。小売業、サービス業は女性向きだと思います。

司会:企業研修などではいかがですか?

上岡:「女性講師を希望」という場合は確かにあります。それから「柔らかい」と言われることが多い。たぶん、ありがたみを感じさせようとするのが男性のコンサルタントであれば、女性は理解してもらおうとする。女性は、あまりこむずかしいことを言わないじゃないですか。

茂木:確かに男性のコンサルタントは、固い感じの方が多いかもしれないですね。

川口:対象にもよると思います。中小企業者さん向けというのは女性のほうが向いているかもしれない。ソフトだし、中小企業の経営者の方は「自分は経済のなかでは米粒みたいに小さい」と思っているけれども、やはり一国一城の主だから上からものを言われるのを嫌う人も多い。逆にカチッとした内容で論理的にしゃべるというのは大企業の経営者さん向きであり、そうでなければ通らないでしょう。

司会:企業内である程度高い地位にいらっしゃった方がコンサルタントになると「上から目線」になりがちなんですかね。

茂木:経営コンサルタント然としてしまうのは男性の方が多いかもしれませんね。

司会:女性のほうが、「これぞコンサルタント」という、ある意味作られたイメージから自由な発想で活動できる。そこがいいのでしょうか。

上岡:そうだと思いますね。女性であるメリットに女性自身は気がついていないかもしれませんが、たぶんあるのでしょうね。

司会:デメリットのほうはいかがですか。

上岡:私はないと思っています。

川口:基本的にはないですね。

経営者に新しい感動を感じてもらえる!

司会:私も月刊誌を作っているときは、女性の執筆者には柔らかさを求めていたような気がしますね。理屈っぽくないとか、目線が対等だとか、コンサルティングを発注される方も同じような感じなのかな。

上岡:逆に目線が低いと思っていただけたら、それはそれでこちらは得ですよ。相手が構えないできてくれますから、本題にすっと入っていきやすかったり本音を引き出しやすかったりということを感じることがあります。

茂木:「話しやすい」「質問しやすい」と言われますね。

川口:話しやすさはどこの社長さんも従業員の方も本当に感じてくれるみたいですね。スーパーマーケット業界というのは男の論理でずっと通ってきた業界なんですね。本当のところはわからないのですが、どこへ行っても言われるからそうなんだと思いますけれども、女性の顧問コンサルタントは食品スーパー業界で私だけみたい。そういう意味では珍しいと向こうも思うのかもしれない。でも今は珍しいだけで仕事が来ているのではないと思いたいんですけれどね。

男の論理で通ってきたなかで、どこの社長さんもコンサルタントでいやな思いをたくさんしているんです。「なぜこんなことまで経営に介入してくるんだ」とか、「なぜおれたちはそんなものの言われ方をしなければいけないんだ」とか、「言われたとおりにしてつぶされそうになった」とか、すごくいやな思いをしている社長さんがいっぱいいて、そこに私が入っていくと「こういうコンサルもいるんだ」みたいな。いい意味で新しい感動を経営者の方に感じてもらえる面もあるんだと思います。

司会:今まで男の論理でずっと来ていたビジネス社会があって、そこに女性が入るだけでも、かき混ぜて解きほぐすような意味があるんでしょうね。女性が入ることで現状の何かが変わっていく...。

川口:変わるかもしれないと思って向こうも期待するだろうし、私たちもそうしてあげたいなと思います。

変に自分をつくらずに自然体でいこう!

川口佐和子さん

上岡:その商品価値に気がつかないで肩ひじ張っていると損をしてしまうかもしれないですね。女性というだけで向こうにとって効果があるのであれば、それを活かして「こっちも仕事なのです」と商売にしていこうとすればいいのですが、雇用機会均等法のはしりの時期の人のように「男然としていかなければ」というふうに行動してしまうと、逆に煙たがられる場合もあるかもしれません。

川口:女性は自然体でいったほうがいいですね。変に自分をつくろうとするより、自分のありのままを見ていただく。それで受け入れてくれるところが必ずどこかありますから、そこで得られた仕事を精いっぱいやる。精いっぱいやって結果を出すことが、また次の仕事につながるので、あまり焦らずに自然体でやっていったほうがいい。

ただ、男性も女性も独立してから成功されている方とうまくいっていない方というのはあると思いますが、上岡さんもそうだけれども、見ていて成功されている方というのはその1つに賭ける一生懸命さが違うと思うんです。

上岡:初めて褒められたような気がする(笑)。

川口:自分も過去に手を抜いた仕事がありました。忙し過ぎてちゃんと回せなかった。独立して何年かは値段が高い仕事と値段が安い仕事を区別してしまって、値段が高い仕事は一生懸命やるんだけど、どうしても値段が安い仕事のほうは少し手抜きになってしまったりして、後ですごく後悔した。だったら、最初から受けなければよかった。

受けたのなら全力以上の投球をしてやらないといい結果は出ないと思いますね。それは独立してからの鉄則でしょうね。サラリーマンはそこに全力投球したら疲れてしまう。でも、独立したら1つひとつの仕事をきちんとこなすことが成長へのポイントだと思います。

(つづく)