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中小企業診断士トップランナー訪問

特別編:座談会・活躍する女性診断士の仕事術

司会:宮崎 洋一

【第6回】法人化の経緯とメリット

取材日:2007年11月09日

会社設立は、対外的な必要にせまられて

上岡実弥子さん

司会:皆さん、いま法人化されていますが、その理由は何か特別にあったのですか。

上岡:民間の企業さんと対等の仕事をしたかった。

司会:それはやはり法人化していたほうが、クライアントさんから見た感じが違うということ?

上岡:そう言われたのです。ある仕事をいただくときに、「法人にしておいてもらえませんか?」と企業さんのほうから言われた。 「では」みたいな感じです。不純なんですよ。

川口:私の場合は本当に父の会社がつぶれるというときに、父の仕事をうちの会社の中に入れなければいけなかったというのがいちばんの理由です。

世間一般的には、上岡さんがおっしゃったように基本的には多少箔がつくというのと、企業さんに対する覚えがよくなるというところはあると思いますね。また、別の視点では、私の場合、自分がもっと能力が高ければ別に会社をつくらなくても、ピンで川口佐和子という人間を売れたのかもしれないけれども、そこはやはり実力不足だったのかもしれないですね。

会社にして器をつくる。ですから、資格を取ったり、法人化したりというのは、まず自分の武器=戦うためのツールを1つずつ増やしていくことだと思います。それは今になってみれば、なくてもいいものだったけれども、自分が成長していく段階でやはり必要だったのかなと思います。

中小企業診断士には経済産業省と中小企業庁の政策を実行するという使命があります。私のように、行政の仕事はあまりお受けしませんと偉そうに言っていても、必要な場合はお引き受けしています。一方で、行政からの受注方法において、随意契約だった案件が、今後公平性という意味において入札に代わってくる可能性があります。これからは決算をきちんと行って会計が明朗な法人の方が、入札に参加しやすいということが出てくるかもしれません。そんなことがあれば当然、法人化していく必要があるでしょうね。

社名にはトコトンこだわり、思いを込めている

上岡:川口さん、ワークショップという社名のルーツは?

川口:「みんなで高め合いたい」という思いを込めています。取引先も仲間もワークショップ形式で、ワイワイガヤガヤやりながら仕事をしよう、ということ。やっとその夢が少しずつ叶いつつあるという感じですね。

上岡:最初に社名を拝見したときに、おもしろい社名だなと思った記憶がありますね。

川口:日本語にしてしまうと工房という意味なんですけれどね。いろいろな人が集まって、切磋琢磨する場というような意味合いです。

上岡:ロゴは最初からこちらでしたか。

Workshop ロゴマーク

川口:はい、2年目ぐらいに作ってもらったのですが、そろそろ変えようかなと思いつつ、その手書き風のロゴがなかなか捨てられずにいます。

上岡:かわいいですものね。

司会:法人化するときに社名に自分の思いを込めるということはできますよね。

川口:はい、それはあります。

司会:「キャラウィット」という社名の由来は?

上岡:企画会社さんにお金を払って、3カ月間ぐらい考えてもらいました。

茂木:そうなのですか。社名を考えてくれるのですか。

上岡:はい。社名だけでなくいわゆるCIですね。ホームページデザインやロゴや社名を、3カ月ぐらいかけて、それこそワークショップをしながらつくっていきました。最初、社名の候補が500ぐらい上がってきて、「ビタミンコーポレーション」とかどうですか、なんて健康食品じゃないんだから(笑)。

でも、それをやるなかで、自分もどういう会社にしていくかということを考えるみたいなところはありますね。

川口:そう、社名を考えるとき、自分の仕事のスタンスを必ず自問します。

司会:そこが大きいかもしれませんね。

川口:個人事業のときもいちおう名前はつけていたのです。ミューズという名前でやっていたんです。ミューズというのは芸術の神様ですから、芸術というのはいろいろな要素が集まって1つの完成形になっていく。だから、具体的ではないいろいろなもののかけらを集めていって完成形にする。そういう意味を込めてミューズという名前にしていたのです。

会社にする意味、株式会社にする意味はよくよく考えるべき

上岡:今、会社はつくろうと思えば簡単にできますね。

川口:本当に簡単にできてしまいます。でも、簡単にできることがいいことではなく、やはり会社にする意味というのを自分のなかで何回も反すうしたほうがいいと思いますね。1円からつくれるからつくるというのは、やはり少し違う話だと思います。

司会:創業支援などをやる場合には、自分でつくっていろいろ試してみたほうが、教えることに実感がともなうというのはあるかもしれませんね。

上岡:そうですね。川口さんの話ではないですが、1円起業ができることが決まったときに、すごく腹立たしくて、自分の会社は資本があるということを言いたいがために、株式会社にしたようなものだから(笑)。「1,000万円積んだよ」みたいな。だから、創業支援などの際に「そういう茂木三枝さん私自身の経験も参考にして、よく考えてから会社をつくってね」ということは確かにあります。

川口:私も株式会社にすることをいまだによく考えるんですね。このあいだも占いに行って、「いつ変えたらいいですか」って(笑)。今のところは有限から株式に変える積極的な意味は見つからないので逡巡しています。

司会:茂木さんも有限ですね。

茂木:私は、取引先から法人と契約したいと言われ、個人事業者から法人に成りました。今は、その取引先の仕事はしていないので、個人事業者に戻してもいいかなと思っています。

川口:やはり決算とか、それはそれで大変なんですよ。仕事を仲間に依頼したら、ちゃんと源泉もしなければいけないし、源泉すると1月に税務署に振り込まなければいけないし、会社にしたらしたで面倒くさいことがいっぱいある。だから、人を雇うとか、対事業所の積極的な意味合いがないのであれば、個人でも十分なのかなという気はします。だいたい資本金,1000万円で、売上が1,000万円しかなければね(笑)。

上岡:何の意味もない(笑)。

(つづく)