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中小企業診断士トップランナー訪問

特別編:座談会・活躍する女性診断士の仕事術

司会:宮崎 洋一

【第5回】コンサルタントとしての成長

取材日:2007年11月09日

自分の得意分野に仕事が集約されていく

女性診断士座談会風景

司会:独立から最近までを振り返ってみて、仕事の内容に変化はあるのでしょうか。上岡さん、いかがですか。

上岡:このようにやっていこうということは見えてきているのですが、さらに何かチャレンジするものが出てきたときにどうしようかなという感じですね。やればできてしまうものを自分でやるのか、やらないでいくのか。すごく難しいところにきていると思っています。

うちの会社は3人いて、診断士は私だけなのですが、書類を作ったりする作業はどうしても必要なので、それを全部やってくれる人を秘書として置いているのです。そうなってくると、組織はこうやって動いて分業できるのだなと、自分でトライアンドエラーができてきます。仕事のやり方については、いろいろと考えることができるのだなということに最近気がつきました。

司会:仕事の内容というよりも、やり方が変わってきているということですね。

上岡:だいぶ変わってきた感じがしますね。もう1人自分が欲しい、みたいな(笑)。

川口:私はもう1人自分がいたらいやだな(笑)。でも、基本的には私も同じですね。ここにきてユニットを作ったというのは、仕事の仕方を変えたいということなのです。前は何でも自分で取り込もうとしていました。

でも、そうではない。自分の得意分野に特化してしまおう。そこで食べることができればいい。得意でないところはみんなで分け合えばいい。そうすると、精神的にも肉体的にもすごく自分が楽になる。お金は欲しいけれども、この仕事は1人で稼ぐことができる分が決まっている。従業員が1人増えたら1人食べさせるだけの売上を取ってこなければいけないわけで、無理な受注をすると、ある意味ではコンサルの質が落ちてしまう可能性が出てくる。それなら周りにいるプロの人たちとうまくシェアできると楽かなということがある。

そのように変えてきたことで、40歳ぐらいまでは研修の仕事などもたくさんやっていたけれども、今は得意分野の食品スーパーのコンサルに仕事がどんどん集約されてきています。集約されればされるほど、またその仕事に別のところからお声がかかってくるという形ですね。だから、またスーパーが増える。

上岡:川口さんの話を聞いていると本当に理想的ですね。王道だと思います。

コンサルの仕事は自分で調整できるのが強み

茂木三枝さん

司会:茂木さんは、いかがですか。仕事のやり方で前と今とで変わってきたことはありますか?

茂木:私は、昨年6月に結婚し、8月に妊娠していることがわかりました。

上岡・川口:おめでとうございます。

川口:仕事のやり方はこれから考えるというところなのかな。

茂木:そうですね。今の仕事なら、自分のペースで仕事ができるのかなと感じています。

川口:自分で調節できますよね。

茂木:これまでは、「午前、午後、夜」と仕事をしていました。どんどん詰めて仕事を入れるようにしていましたね。子供ができてからは、身体に無理することなく、余裕を持って仕事をいれるようにしています。そういう意味で、この仕事は、結婚、出産し、育児をしながら、続けられると思っています。

川口:いいかもしれないですね。そう思います。私も自分で仕事を調節しようとしますもの。たとえば、年に2回は海外に行きたいな、とか。

40歳を超えてから毎年海外に出るようにしているんです。そうすると、自分を思い切り解放できます。皆さんそうだと思うのですが、仕事ってどうしても詰めてしまうじゃないですか。でも、仕事に全力投球するためには、自分を思い切り解放する時間が必要だと思うんです。

海外に行くと何も考えない。メールも見ない。自分を仕事から完全に解放する。それでも、取引先から携帯電話に電話ががかかってきて、「すみません」ということもあるけれども、それはそれで調節できる強さというのはありますね。

茂木:そうですね。ガツガツ仕事をするのではなく、できる仕事をコンスタントに着実にやっていけば、一生仕事を継続することができるという発想に変わりました。

川口:そうですね。お子さんがいてもできますよね。女性にはそういう意味でも向いているかもしれない。

上岡:多いですね。妻帯者じゃなくて、夫帯者?(笑)、でも、そういう方で独立される方は結構多いですね。

川口:どんどん増えていますね

上岡:いいことですよね。

独立するなら思い切って若いうちにしたほうがいい

司会:独立してからの売上の推移についてお聞きしたいと思います。川口さん、いかがですか?

川口:デコボコですよ。3年目から売上がやっと,1000万台に乗り出して安定してきたかな。そこからそれを下回ったことはないけれども、2,000万円ぐらいになったことがあったり、1,200万円ぐらいまで落ちた年もあったり、その年その年でまちまちです。

上岡:1,000万円というのは1つの業界基準のようになっていますね。

司会:そうですね。独立するならまずはそこを目指せ、という話はよく聞きます。

上岡:私の場合、3年目か4年目で1,000万円を超えたのと法人化したのがちょうど同じ時期で、そこから先は1,500万円~2,000万円を出たところを行ったり来たりなのですが、家賃や従業員の給料を払い始めたら、お金にシビアになりましたね。

司会:茂木さんはどんな感じですか。

茂木:私も川口さん、上岡さんとだいたい同じですね。私は、20代で独立したので、創業前の給料、年収が低かったと思います。仕事は忙しかったのですが、地方で、20代女性の給料ですから。独立1年目は、勤めていた頃の3倍以上稼いじゃって、びっくりしました。独立1ヵ月目で、勤めていた頃のボーナス以上の振込があって、「ええっ」と驚きました(笑)。

勤務時代の年収がある程度高い年輩の男性の場合、独立して年収を維持するのは容易ではないと思います。

私は、勤務時代の年収が高くなかったからこそ、「独立してよかった」としみじみ感じることができました。

川口:家族を持っていて今の収入が高いという人は独立のハードルは本当に高いですよね。逆に、若い女性なんかポンとできちゃいますよ。思い切って若いうちにやってしまったほうがいい。

女性も男性もそうなのですが、40歳ぐらいまでにある程度自分のエリアを確立しておかないと難しいと思うんです。だから、30代で自分のエリアをある程度持っているといい。40歳超えたら、またそれを集約していく。

上岡:わたしもそろそろ固めよう(笑)。

川口:十分固まっているじゃないですか。

上岡:でも、固めたくないかもしれないんだわ。何かおもしろそうなものが来ると、ついフラフラと(笑)。

(つづく)