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中小企業診断士トップランナー訪問

特別編:座談会・活躍する女性診断士の仕事術

司会:宮崎 洋一

【第4回】資格取得から独立コンサルタントへ

取材日:2007年11月09日

自分に自信をもつために資格は必要なものだと思う

川口佐和子さん

司会:このあたりで独立初期のお話にテーマを移していきたいと思います。まず、なぜ独立しようと思ったのでしょうか?

川口:すごくシンプルな理由です。父の会社を手伝っていた時期があって、父の会社がつぶれそうになったので、「これはもうあかんだろう」ということで、自分は独立してしまって、一時的に父のやっていた仕事をうちの会社に入れて兄弟に店舗運営をやってもらっていたりしました。

今うちはコンサルティングしかないのですが、一昨年までは写真屋もやっていたのです。ですから、どちらかというと、切羽詰まってやった感がありますね。すごく使命感があってやるとか、そんな大げさなことではなく、「もう独立しなきゃ」みたいな。

上岡:最初から「目指すは診断士」だったんですか。

川口:はい。資格本をいくら見ても、ほかに受けられる資格がなかったんです。(当時の)診断士試験だけは「仕入管理」とか「店舗施設管理」とか小売業のバイヤーという元の仕事になじみのある科目があった。ほかの大方の資格は法律が中心ですよね。法律は絶対に覚えられない。

上岡:勤めているときから資格の勉強をされていたのですか。

川口:いいえ、辞めてから。勤めていたころに比べて時間も多少あるから「資格でも取ろうかしら」と資格本をパラパラと見ていたら、これしかなかった。その間に重大な決意をしたわけでもなく、なるときは流れのなかでなってしまったという感じです。

上岡:でも、川口さんは診断士の資格がなくても仕事ができそうなタイプに見えますが、あえて資格取得を選んだ理由は?

川口:資格ですか。やはり、自分に自信がなかったんじゃないですか。要するに、自分は何なのだということを証明できる肩書きが欲しかった。中身が充実してきたら資格はいらないかもしれないけれども、最初のとっかかりとしての資格というのは必要なものだと思います。

たぶんほとんどの方がそうだと思うんですね。何か自分に自信をもちたいという部分で、資格試験を受けられる方は多いのではないかと思うんです。自分のアイデンティティを社会のなかで確立するために、資格にそれを求めている人がいると思う。

コンサルタント会社に勤めていたならともかく、一般の会社に就職していて、ある日突然コンサルティングをするといってもノウハウが何もないわけですから不安ですよ。私は、ノウハウを自分のなかに落とし込むのに5年ぐらいかかりましたもの。

上岡:診断士の資格って、取った後も同じじゃありません? 取ったところで、すぐに決まった仕事があるわけではないし...。最初はどうしました?

川口:最初の仕事は診断士の受験勉強をしていたころにお世話になった先生からいただきました。1次試験の先生と2次試験の先生が別々だったのですが、別々の小さなお仕事をくださった。受験校の講師の仕事もそうでしたし、中小企業さんに行って取材をするようなお仕事とか、本当に診断士らしい地味なところから始めましたよ。

3人とも独立への第一歩は受験校の講師だった

茂木三枝さん

司会:茂木さんはコンサルタントになろうと思って診断士の勉強を始めたのですか?

茂木:いいえ。私は、大学卒業後、地元群馬で就職しようと思っていました。仕事を長く続けたいと思っていたのですが、なかなか「これ!」といった仕事がなくて。資格を取得しておけば、仕事を続けられるのではないか、結婚、出産で一度退職したとしても、再就職ができるのではないかという思いで診断士の勉強を始めました。

上岡:仕事のためだった?

茂木:退職し、独立しようと思ったのは、当時、勤めていた会社がとても忙しくて、夜も遅いし、年間休日も少なくて、長く続けられる仕事じゃないと感じていたときでした。

すでに診断士の資格を取得していたし、何かそれを活かせる仕事はないかと考えていました。そのときに、診断士試験の受験校から診断士受験講座の講師の依頼がありました。「これで、会社も辞められるし、資格も活かせる」と思いました。

川口:上岡さんは?

上岡:私も結構近いかなと思います。ちゃんとしたところに転職したかったんです。派遣社員などをやっていたのですが、資格の本を見たら、やはり中小企業診断士というのがピンときたんですね。

以前勤務していた会社が食品会社だったのですが、そこのアンテナショップを出すセクションにいたのです。店舗のことなどをやった後だったので、特におもしろそうだと感じました。

ただ、転職活動をしても、診断士を持っていたところで決まらないんですね。狙ったのはやはりコンサルティングファーム。手当たり次第に受けて、どこかは絶対受かるだろうと思って待っていたら全部落ちた(笑)。

家庭の諸事情もあり、食わなければいかんなと思って、何かないかなと思ったときに、診断士試験を受ける時に通っていた受験校から、「診断士受験の1年間ストレート合格講座」という講師の口を紹介していただき、1年間はとりあえず毎月収入が確保できた。では、独立しようとなったのです。

川口:受験校の講師の仕事は、最初のころの仕事の割合を考えるとちょっとしたボリュームにはなりますよね。

上岡:通帳にとりあえず定期的にお金が入ってくるという心強さは大きかったです。

川口:私の場合、最初の年はアルバイトをしたんです。

上岡:何をしました?

川口:東京駅の新幹線の線路の下に弁当を詰めたりする工場があるんです。もう講師の仕事を始めていたので、人に見られないほうがいいなと思って、年末年始とか繁忙期とかだけやりましたね。やはり、お金が全然足りなかったです。

上岡:私も初年度は派遣と二足のわらじでした。

川口:忘れもしない、最初の年の確定申告。80万円ぐらいでしたよ。4月から始めて12月までですが...。

(つづく)