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中小企業診断士トップランナー訪問

株式会社福祉ベンチャーパートナーズ 代表取締役 大塚 由紀子さん

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

【第2回】「福祉と経営の融合」を通じて障がい者の自立を支援

福祉起業家経営塾で講義「障がいのある方の働く場づくり」が私たちのミッションです

― 現在は、どんな業務をされているのでしょうか?

「障がいのある方の働く場づくり」、障がいのある方の働く場を日本中のあらゆる場所に作っていくことが私たちのミッションです。これを実現するために、障がい者の給与アップに取り組む福祉施設(授産施設、小規模作業所)や雇用拡大に取り組む法人(企業、NPO)、及び障がい者の経済的自立に関心のある個人、法人に対して、大きく分けて3つの領域から事業を展開しています。

柱の中心は、福祉起業家支援事業です。この事業では、障がい者の働く場を創る意欲に満ちた方々に対して、様々な側面からバックアップを行っています。その中心は『福祉起業家経営塾』です。

柱の2本目は、コンサルティング事業です。この事業では、障がい者の給料アップに関する支援を行っています。具体的には福祉施設に対して『事業改革コンサルティング』『経営エキスパート派遣』『研修の企画、運営』『講演会講師派遣』というメニューを提供しています。行政からの委託事業という形での研修なども増えてきています。

柱の3本目は、店舗展開による自社の障がい者雇用です。この事業は、FVPが自ら障がい者の働く場を作り出そうとする試みです。『たい焼きプロジェクト』として、たい焼きのフランチャイズ加盟による1号店を9月にはオープンする予定で動いています。

― 自社で雇用展開をするんですね。

事業の目的からすれば、当然の展開ですね。実際に雇用の場を生み出して見せることで、これから頑張ろうという方へのビジネスモデルを提供できますし、コンサルティングを展開する上でのノウハウ蓄積にもなります。

障害者自立支援法の施行にともない、行政とのコラボレーションが始まっています

― 経営コンサルティングは具体的にどんなことをされているのでしょうか?

福祉施設の施設長さんを筆頭に、職員の方々は、情熱溢れる素晴らしい方が多いのですが、やはり<経営>という視点からみると勉強をしていただくことがたくさんあることも事実です。

実際に、施設の改革を進めていくのは施設の方々ですから、まずは<経営マインド>をしっかりと固めていただくことが大切なんです。そこで、企業であれば社長にあたる施設長を中心に、ビジョン構築から経営ノウハウの習得まで支援させていただくことにしました。

いわゆる経営コンサルティングというよりも、施設長さんの傍らでいつでも相談に乗るパートナーとしてお手伝いさせていただいています。

昨年からお手伝いしている作業所さんでは、1年間掛けて事業計画を作成して、これから本格的に展開を始めるところです。やはり、マインドの部分から積み上げてくると、会議も物凄く活発になりますし、アドバイスに対しても「打てば響く」といった感じになりますね。

短期に支援をしてほしいという要望もありますから、各テーマの専門家を派遣してノウハウ提供を行うこともしています。これが『経営エキスパート派遣』なのですが、短期間で成果を上げることのできる具体的な課題に取り組みます。

たとえば、商品のパッケージに関して、専門家がパッケージデザインを考えて見本を作ったり、商品の陳列棚を実際に変更したりします。専門家の動きや考え方を近くで見たり感じたりすることで、具体的な経営スキルはもちろん、スピード感なども施設職員の皆さんに感じていただきます。

昨年4月の障害者自立支援法の施行で、厚生労働省から各自治体に、障がい者の工賃(作業所などで支払われる給料のこと)アップについて指導がなされており、行政とのコラボレーションについて検討を進めているところです。これまでに積み重ねてきたノウハウが行政からの仕事で大きく展開できることになりました。

― 特に印象に残っている事例について教えてください。

やはり、最初に手がけた授産施設の経営改善ですね。 今、この授産施設はパン工房を運営していて、大学や企業に出張販売をしています。

最初に話をいただいた時は、どうするか本当に迷いました。無償でやることを考えていたのですが、先輩診断士のアドバイスもあって、有料でコンサルティング契約を結んで取り組みました。

何度も施設に伺って、一緒になって経営理念から創り上げました。喧嘩もしたりしましたが、濃密な時間を共に過ごしたと思います。

大塚 由紀子さん:株式会社福祉ベンチャーパートナーズ 代表取締役

大塚 由紀子(おおつか ゆきこ)/大学卒業後、不動産事業計画・設計事務所、財産コンサルティング会社を経て平成11年独立開業。平成12年より3年間、(財)ヤマト福祉財団主催のパワーアップセミナーの講師を務める。平成14年3月、(有)タオ・コンサルティング設立、代表取締役就任。平成15年5月、(株)福祉ベンチャーパートナーズ設立、代表取締役に就任し、現在に至る。中小企業診断士。

会社名 株式会社福祉ベンチャーパートナーズ
設立 平成15年5月
代表取締役 大塚 由紀子
資本金 1,000万円
社員数 7名
所在地 東京都千代田区神田司町2-2-5 T&Hビル4階
TEL 03-3253-0294
FAX 03-3253-6060
E-mail info@fvp.co.jp