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中小企業診断士トップランナー訪問

株式会社福祉ベンチャーパートナーズ 代表取締役 大塚 由紀子さん

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

故小倉昌男さんとの出会いがきっかけ。
障がい者の働く場を創造する『福祉起業家』の支援に取り組む
【第1回】事業の方向性を決定付けた、故小倉昌男氏との出会い

取材日:2007年7月10日

ヤマト福祉財団のセミナー講師を縁に、故小倉昌男氏(ヤマト運輸会長)との出会ったことをきっかけにして、福祉ベンチャーパートナーズを設立。「福祉と経営の融合」という価値観を掲げ、障がい者の自立を経営とマーケティングの側面から支援しています。笑顔とパワフルな行動力で次々と道を拓いていく大塚さんに近況を伺いました。

大塚由紀子さん「責任の重い仕事をするからには、自分もリスクをとるべきだ」と考え、独立しました

― 中小企業診断士として、独立したきっかけは何ですか?

大学卒業後に不動産関連のコンサルティング会社に就職したのですが、提案次第でクライアントの財産や人生に大きな影響を与えてしまう責任の重さと自分の立場のギャップに疑問を感じていました。「責任の重い仕事をするからには、自分もリスクをとるべきだ」と考え、中小企業診断士の資格を取得して独立しました。

独立後は、事業再生のコンサルティングや経営革新支援、マーケティング戦略構築支援などを行っていました。

― なぜ『福祉』というフィールドを選択されたのでしょうか?

福祉の世界には全く縁がなかったのですが、ヤマト福祉財団から『小規模作業所パワーアップセミナー』の講師依頼を受けたのが最初ですね。福祉作業所の経営力アップということでしたが、「サギョウショって何?」というくらい福祉のことは知りませんでした。

このセミナーで3年間講師を務めさせていただく中で、福祉作業所の現状を目の当たりにして「何とかしなければ」と思うようになりました。福祉作業所で障がい者の方が1ヵ月頑張って働いて貰える給料はいくらだと思いますか? 平均1万円にも満たないんです。こんなことがあってはいけないですよね。でも、作業所の職員の方々と接するうちに「経営を改善することで解決できる問題もたくさんあるはずだ」と思うようになりました。福祉の専門家ではありませんが、経営の支援であれば私の専門領域です。「もっと売上をアップさせて、利用者(障がい者)の方に高い給料を払ってあげたい」という職員の皆様の使命感にも似た強い想いに接したことが大きかったと思います。

小倉さんに接することのできた時間は、私の宝物です。

― それで、FVP((株)福祉ベンチャーパートナーズ)を立ち上げられたわけですね。

2003年の3月に「障がい者賃金1万円からの脱出経営塾」を始めたいと考えて小倉昌男前ヤマト福祉財団理事長にご相談に伺ったのですが、このときの小倉さんのお言葉がFVPが生まれる直接のきっかけです。

1万円脱出なんて、そんなみみっちいことはお止めなさいよ!やっぱりねぇ。きちんと会社にして障がい者を雇用して給料10万円払うっていうのがいいと思うのよ。ベンチャーだよ。これからは。作業所うんぬんじゃなくてベンチャーでおやんなさい。

このお言葉を今もはっきりと覚えています。だから、『福祉ベンチャーパートナーズ』の社名は小倉さんに頂いたようなものです。小倉さんとのご縁がなければ、小倉さんの「ベンチャーでおやんなさい」というお言葉がなければ、今日のFVPはありませんでした。

大変だよね。でもやりがいがあるよ。 とても大切な仕事だよ。がんばっておやんなさい。 お客様に喜んでいただくこと。それが一番大切なんだよ。 基本は自分がしてもらいたいことを相手にもしてあげることなんだよ。相手の立場になって考えるんだよ。 経営でも人生でも同じなんだよ。

小倉さんに接することのできた時間は、私の宝物です。障がい者に10万円の月給を払える経営者をたくさん世に出していくこと。これを、私自身、そしてFVPの使命として取り組んでいく。何が何でも障がいのある人の働く場作りを進めていきます。

― それで、FVPの必読書が小倉さんの『福祉を変える経営』なのですね。

そうです。

小倉昌男さんの訃報に接したとき、「福祉に経営の視点を」とおっしゃられた小倉さんの願いをあらためて確認しました。しっかりと受け継いでいこうと思っています。FVPは、小倉イズムをひとつも曲げることなく、正しく正しく進めていこうと思います。これらは、FVPで発行しているメールマガジンにも書いたことですが、間違いなく活動の原点です。

大塚 由紀子さん:株式会社福祉ベンチャーパートナーズ 代表取締役

大塚 由紀子(おおつか ゆきこ)/大学卒業後、不動産事業計画・設計事務所、財産コンサルティング会社を経て平成11年独立開業。平成12年より3年間、(財)ヤマト福祉財団主催のパワーアップセミナーの講師を務める。平成14年3月、(有)タオ・コンサルティング設立、代表取締役就任。平成15年5月、(株)福祉ベンチャーパートナーズ設立、代表取締役に就任し、現在に至る。中小企業診断士。

会社名 株式会社福祉ベンチャーパートナーズ
設立 平成15年5月
代表取締役 大塚 由紀子
資本金 1,000万円
社員数 7名
所在地 東京都千代田区神田司町2-2-5 T&Hビル4階
TEL 03-3253-0294
FAX 03-3253-6060
E-mail info@fvp.co.jp