経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

中小企業診断士トップランナー訪問

有限会社アックス代表取締役 山北浩史さん

取材・文:平村 一紀(中小企業診断士)

【第4回】地方の経済活動サポートの仕掛け人として

地方経済の活性化支援に対して、より熱い社会的使命感を抱いて取り組んでいます

日本最南端にて― 中小企業診断士業界の変化については、どのようにお考えでしょうか。

業界の規模でいうと、私が資格取得した昭和60年には全国で11,000人くらいだったでしょうか。営業上では「中小企業診断士」という資格名を活用していたものの、世の中では、まだまだ『診断士って何ですか?』と聞かれることも多かった時代です。当時と違い、現在では自己紹介した時点で『中小企業診断士さんですか』と敬意を表されるケースもあります。

診断士の仕事でみると、私が独立したころは、商店街診断、工場診断等、公的診断の仕事を中心にした中高年以上の診断士の方が多かったと思います。今では若い診断士の方も活躍して、世間では、民間のコンサルタントとして受け入れられています。その意味では、コンサルティング業務そのものが浸透しつつあるということとともに、中小企業診断士の業界全体が育ってきているということを実感しています。

25歳で独立して感じたのですが、コンサルタントは「若いから」ということを理由に、言い訳ができないという事実があります。この発想を逆転すれば、若い人でもコンサルティングができるということを示唆しています。

今後さらに、中小企業診断士の業界の活性化を図っていくためには、若手の中小企業診断士を育てるということが必要不可欠であると思います。診断士を育てることが診断士業界全体の認知度を上げ、業界の健全育成・発展につながるものと思われます。将来的には中小企業診断士のインキュベーションセンターのようなものができることを望んでおります。

― 今後、取り組んでいきたいとお考えの活動をお聞かせください。

年間スケジュールのうち、1割くらいは地方で、もう1割程度は海外出張を行って、中小企業の支援を行っています。私以上に海外で活躍している、若手の中小企業診断士もいます。しかし残念なことに、海外で活躍している診断士の存在はあまり知られておりません。こうした国際貢献に寄与している中小企業診断士をPRしていくと同時に、もっと中小企業診断士が海外で活躍できるようなフィールドも広げていきたいと考えています。

また、地域資源を活用した中小企業支援、地方の経済活性化のサポートを行っていきたいと考えています。地方圏は首都圏と比較して、雇用面をはじめ、より一層の厳しさがあります。首都圏における経済活動の支援と比較して、地方圏の経済活性化支援に対して、より熱い社会的使命感を抱いております。

都心部では上手く回っている気がしますが、地方は都心部ほど上手くいかないケースもあります。たとえば、建設業では、地方では公共投資の削減により、受注が減少し、会社経営を維持することすら厳しい状況となっております。そのようななか、簡単に人的リストラなどできない状況にあります。

今後、中小企業診断士は一番厳しいところのサポートをより優先して、支援していかなくてはならないと考えております。幸い、私自身、経済産業大臣・国土交通大臣の両大臣より、地域支援の音頭取り役である「地域中小企業サポーター」として委嘱されました。

現在の取り組みとしては、八丈島の産業振興の支援を始め、南方の離島経済の支援を中心に行っています。検定試験による地域資源の理解・普及、地域を愛していただく情報発信、観光としてのリピート需要の喚起など、これらの手段として利用することを提案しております。

「ヘッドワーク」、「フットワーク」、「ネットワーク」をフルに活用し、"仕掛け人"として活動し、これによって地域経済が活性化し、わが国経済の活性化に寄与できること、また、これによって、国民の豊かさに貢献できることを自分のミッションとして肝に銘じ、日々、"中小企業診断士「道」"を精進したいと思っております。

取材メモから

弱冠25歳で起業。現場の中小企業と対峙しながら自らのスタイルを構築してきたという自信と確信を、山北氏の落ち着いた語り口のはしばしから、感じとることができた。顧客開拓の方法は決して「ノウハウではない」と言い切り、惜しみなく提供していることからも明らかなように、中小企業診断士がマーケットで活躍することを願い実践している。

中小企業診断士を経営コンサルタントと明確に区分していることは、山北氏固有の考え方のひとつであろう。中小企業に対して「施策を伝える伝道師」としての役割、中小企業を「あるべき姿に導く」役割といった明確な定義は、独占業務を持たない士業として中小企業診断士特有の"強み"であると考えることができる。

また、士業は24時間365日、サムライであり、"いつでも・どこにでも"課題解決のヒントを獲得したり、スキルアップしたりする機会があるという主張も注目したい問いかけである。これらは独立間もない中小企業診断士やこれから独立を志す中小企業診断士に対しては、貴重な示唆を与えるものであるに違いない。

このように"中小企業診断士の果たすべき役割"を実践し、その意味では中小企業診断士らしい中小企業診断士の生き様を自らが体現する診断士の代表格の一人であると思われる。開業当時に抱いた「中小企業のために何かしなければならないという使命感」を22年間にわたり貫徹し、これからも"中小企業診断士のあるべき姿"を我々、中小企業診断士に対して問いかけながら、診断士業界を牽引していくことが期待される。

山北 浩史さん:有限会社アックス代表取締役

山北 浩史(やまきた ひろし)/大学卒業後、2年10ヵ月の製薬会社での勤務を経て、1985年経営コンサルタントとしての起業を果たす。1990年中小企業診断士資格を取得、コンサルタント業務の業容拡大を図り、現在に至る。有限会社アックス代表取締役、山北事務所代表、特定非営利活動法人 経済活動支援チーム(NPO-EAST)代表理事、有限責任中間法人 日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)常任理事、経済産業大臣・国土交通大臣委嘱地域中小企業サポーターなどを務める。中小企業診断士、行政書士、商業施設士。

会社名 有限会社アックス
資本金 300万円
所在地 東京都豊島区池袋4-25-12-305
TEL 03-5992-6463
FAX 03-3980-6335
E-mail fwge3483@mb.infoweb.ne.jp