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中小企業診断士トップランナー訪問

(株)ブレインコンサルティング 代表取締役 保科悦久さん

取材・文:宮崎 洋一

【第4回】 売上高=お客さまの喜びを今後も目標に

保科 悦久さん売上高はお客さまの喜びを数量化したもの。今後も売上高にはこだわり続けたい。

― そろそろお時間が迫ってまいりました。これからの展望についてお聞かせください。

最初にお話しした3つの課題に対して今後どういうことを考えていくかということですね。

まず1つ目のお客様のニーズの変化があるということで、メニューを変更しなければならないという話は、今後もやはりそういうニーズの変化に対応していくことは常に意識しなければいけない。それは強くスタッフとも共有しています。

2つ目の、反省としてコンサルティング・スタッフの定着が悪かったような気がするということに関しては、もう少し長い目で育成したい。そういった中で結果がついてくれば一番いいと思っています。

3つ目の売上高については、会計の教科書には「企業経営は売上高ではなく利益だ」と書いてありますが、ぼくとしては売上高という金額は「お客様の喜びを数量化したものだ」と思っています。たとえば、うちがその売上高に対して実際の仕事をせず、誰か他の中小企業診断士の方にやっていただくような場合、その売上高をほぼ全額その先生のところにお支払いすることになったとしても、うちが喜ばれていると思うんですね。

ですから、どれだけ喜ばれているのか、ということを表す数字として、売上高というものは今後も目標としていきたいな、と思っています。増えれば増えるほどいいかと言われると、そうではないのかもしれませんが、少しずつ増えていくのがいいのでしょう。結果としてそうなればと思っています。もちろん利益は獲得した上でのことですが。

― では最後にこれから中小企業診断士を目指したいという読者の方々にメッセージをお願いします。

まず今の受験生の方はかなり若くなってきたと思います。合格者の方を見ても20代の方がかなり増えてきました。これはとてもいい傾向だと思います。

ですから、大学生の方など若い層がこの資格にまず興味を持ってもらいたいですね。興味を持ってもらうために自分と年齢が近いというのは大事だと思いますが、例えば20代前半の方で中小企業診断士で活躍されているような方がいて、学生さんから「自分も3年後、5年後ぐらいにあんなふうになっていたい」と目標にされる。そういう方にどんどん出てきてほしい。

それは、ぼくにとってはライバルが増えることになるのかもしれませんが、まずそういう人にたくさん出てきてもらって、大学生の若い人たち、20代前半ぐらいの人たちが「この資格を取ったらこんなふうになれるからがんばろう」という世界になってきてもらいたいです。

もちろん、ぼくもがんばっていきますが、ぼくの世代だと20年後、30年後の目標ってことになってしまいますね。ちょっともう年が行ってしまっているかな(笑)。

― いえ、まだまだ若手としてがんばっていただかないと(笑)。まずは、われわれ今いる中小企業診断士がもっとがんばって、「そうなりたい、そこに入りたい」という世界をつくるのが先決だ、ということですね。ありがとうございました。

取材メモより

学生時代、経験も何もない状況で「自分で商売がしたい」とコンサルタントを志した保科さんのスタイルは、徹底した「顧客志向」である。お客様に億規模のアドバイスができるように会計を深掘りしておこうということで会計士に受かってしまう、というくだりにその原点があるように感じた。保科さんが「辞書持込可のコンサルタント」というときの「辞書」はもちろん、お客様にとって最高の仕事を提供するためのものだ。

「自分は生まれつきのなまけ者」なんて謙遜しておられたが,取材の前日は広島出張で、トラブルがありその日のうちに東京に帰れず京都に一泊。朝一の新幹線で戻ったという。なんといっても日本全国を駆けめぐるバリバリのコンサルタントなのである。

そんななかで執筆活動にも注力されており、最新刊『「中小企業の財務指標」活用マニュアル』(同友館刊)がまもなく刊行されるという。やはり「殿様」がしっかりしているからこそ「助さん、格さん」も活躍できるのだと思う。

「売上高という金額はお客様の喜びを数量化したものだ」。名言である。視野を少し広げると、中小企業診断士全体の仕事が増え売上高が増えれば、それだけ中小企業の皆さんの喜びが増える、ということになる。当然、喜ばれれば仕事は増えていく。そういう好循環のなかで若い人たちが「そこに入りたい」いう世界が出来てくるのだと思う。

遠くない将来、若くて優秀な中小企業診断士の面々に囲まれて、柔和な笑顔で微笑む保科さんの姿が目に浮かぶようだ。

保科 悦久さん:(株)ブレインコンサルティング代表取締役

保科 悦久(ほしな よしひさ)/1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、監査法人に在籍。1996年、中小企業診断士登録、同年、株式会社ブレインコンサルティングを設立し、同社代表取締役、経営コンサルタントとして活躍する。また2005年からは大学で教鞭を執るなど多彩な活動を展開している。中小企業診断士、公認会計士・税理士、ITコーディネータ。

会社名 株式会社ブレインコンサルティング
設立 1996年11月1日
資本金 10百万円
社員数 7名
所在地 東京都千代田区飯田橋2-6-3 N&Kビル5F
TEL 03-3556-9481
FAX 03-3556-9482
ホームページ http://www.braincon.co.jp