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中小企業診断士トップランナー訪問

(株)あきない総合研究所 代表取締役 吉田雅紀さん

取材・文:平村 一紀(中小企業診断士)

【第1回】 ベンチャー支援のコンサルタントに転身

資格取得後、成長意欲の高いベンチャー企業の支援を行うコンサルタントになることを決めたという(株)あきない総合研究所代表取締役の吉田雅紀さん。大阪市のあきないえーど、経済産業省が後援するドリームゲートなど行政機関のプロジェクトでも数々の成功をおさめている吉田さんにコンサルタントとしてのこれまでを振り返ってもらいました。

吉田雅紀さん中小企業診断士試験にチャレンジすることで経営者としての経験を棚卸し

― 中小企業診断士の資格を取るきっかけはどのようなものでしたか。

30代のとき、自分で立ち上げた事業を整理しました。これからどうしたらよいのかと落ち込んでいて、経営者としての自分のスキルに自信をなくしていたのです。

ポジティブにものを考えられない自分がいて不甲斐なさを感じていたし、このまま立ち止まっていてはダメだと考えていました。でも、サラリーマンに戻るという選択肢は全く考えていなかったのです。

そんなとき、たしか1995年ですね。ある友人に再会しました。彼は中小企業診断士を取得して、アパレル会社からコンサルティング会社に転職していました。彼が入社したコンサルティング会社の採用の倍率が300倍の狭き門だったというのです。

友人の話の中ででてきた中小企業診断士という資格に関心をもちまして早速、本屋で中小企業診断士資格をテーマとした本を買いました。"こういう資格があるんだ"ということをはじめて知りました。さらに、よく科目の中身をみてみると経営全般の内容が網羅されていて、経営者としてのスキルをもう一度見直すことができると思いました。

― 実際はどのように学習をスタートされたのでしょうか。

資格学校の通信講座を受講しました。しかし、スタートしてまもなく、範囲がとても広く、膨大な学習が必要であることに気づいたのです。通信講座での学習スタイルに限界を感じて、年明けからスタートする半年間の通学講座に通いはじめました。

学習そのものは、経営者としての知識を棚卸しすることにとても役立ったように思います。中小企業診断士試験の学習内容は実際にやってみて、3分の1が純粋な勉強、3分の1が一般的な教養、3分の1が実務経験に関わる内容、として3つくらいに分類できると感じています。その意味では実務経験のない学生さんなんかが試験に取り組むときには実務経験の部分を補う努力が必要になるかもしれませんね。

実務経験に関する内容という意味では、例えば、衛生理論・動機づけ理論を学んだ際には、経営者であったときの出来事を思い出し"まさにその通りだな"と経験を理論で整理することができました。『Aというケースでは、Bという手を打つ』といったように経営に必要な知識がロジックとして組み立てられていることを体得することができたのです。

診断士の1次試験にはよく1,000時間の勉強が必要といわれます。それを聞いて"自分は500時間の勉強で受かってやろう"と、短期集中の姿勢で準備学習に臨みました。おかげでその年にストレート合格することができました。

成長意欲の高いベンチャー企業の支援を行うためにコンサルタントとして起業した

― 資格を取得されたあと、それをどのように活かしたのですか。

合格した翌年の1996年秋、監査法人に勤務している年上の先輩に羽田空港でばったり会いました。彼は『これからは短期間で株式公開がしやすくなる』と熱く語りかけてきたのです。これまでは10年から15年くらいかけて株式公開していたのですが、『近い将来、時代が変わり3~4年くらいで上場できるような社会がくる』と力強く訴えてきました。

ちょうど実務補習の時に、店頭市場について詳しくリサーチしていたこともあって、株式公開については多少の知識を持っていました。実務補習の対象企業がとても優良な企業で非の付け所がなかったので、思い切って株式公開を提案したのです。

中小企業にIPO(株式公開)を提案する仕事はとてもワクワクドキドキしますし、お互いに元気がでてくることを実務補習のときから実感していました。

― 起業に際して、どのようなコンサルタント像をイメージされていらっしゃいましたか。

企業での勤務経験や会社を整理した失敗経験を活かして、これから成長しようとする成長意欲の高い小規模企業の支援を行うことを決めて起業しました。そして、目指す目標はIPO(株式公開)という分かりやすいものとしました。

コンサルタントには2つのタイプがあるといわれます。ひとつは技術コンサルタントで、もうひとつは戦略コンサルタントです。私は、個別の専門分野に特化するタイプの技術コンサルタントでなく、経営戦略を組んでアクションプランに落とし込むお手伝いをする戦略コンサルタントになりたいという想いをもっていました。1次試験を初めとして幅広く学ぶ中小企業診断士試験の合格者は戦略コンサルタントに向いていると考えています。(この項続く)

吉田 雅紀さん:(株)あきない総合研究所 代表取締役

吉田 雅紀(よしだ まさき)/大学卒業後、就職した会社にて社内ベンチャー「ポムアレー」発足。1993年分社化、代表取締役社長に就任。1999年有限会社ベンチャー・サポート・ネットワークを設立、代表取締役社長に就任。2006年株式会社あきない総合研究所に社名変更。大阪産業創造館 「あきない・えーど」所長、経済産業省後援プロジェクト起ち上がれニッポンDREAMGATE総合プロデューサーなど歴任。関西学院大学専門職大学院でも教鞭をとる。中小企業診断士。

会社名 株式会社あきない総合研究所
設立 1999年7月
資本金 5,500万円
社員数 4名
所在地 大阪府箕面市粟生新家3丁目1番16号
TEL 072-728-0002
FAX 072-729-0008
ホームページ http://www.akinaisouken.jp