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起業のプロセスを理解する

文:村橋 保春

財団法人 北九州産業学術推進機構 中小企業支援センター   創業マニュアル

http://www.ktc.ksrp.or.jp/est/01.html

地域経済を発展させるためには、地域産業や地域商業において、既存の事業者の育成だけでなく、どんどん起業を推し進めることが大切である。このため、全国各地で起業家育成を目的とした活動が積極的になされている。セミナーやワークショップなどの研修会実施、インキュベーション施設やチャレンジショップなどの事業支援、事業立ち上げ時期の経営指導など、起業者にとってありがたい支援施策が実施されている。

起業検討段階で有効なマニュアル、指導書等をまとめている例も多い。こうしたマニュアル等は、丁寧にわかりやすく、しかも実践につながる内容としてまとめられており、これを活用しない手はない。

今回は、そうしたマニュアルのうち、代表的なものを取り上げる。

読みやすく、説明しやすい

画面

ここで紹介するマニュアルはサイト上で展開するものではなく、PDF化したマニュアルデータをダウンロード、プリントアウトする形で活用する。

本マニュアルの表題は「独立・創業を目指す! 創業マニュアル」である。

本マニュアルは、たとえば会社の設立、お店の開業を起業のゴールとするのではなく、設立後、開業後に注意しなければならないことについても取りまとめている。目次で全体の構成を示すと以下のとおりとなる。

<創業前のステップ>

  • 1. 商業に向けた準備は?
  • 2. 事業のアイデアを見つけよう
  • 3. 自分自身や環境変化を把握しよう
  • 4. 事業の概要を考えよう
  • 5. 販売計画を作成しよう
  • 6. 事業計画書を作成しよう
  • 7. 創業の手続き

<創業後に必要なこと>

  • 8. 会計業務と資金繰り
  • 9. 税金はどうなるのですか?
  • 10. 消費税とはどんな仕組み?

数式や図表も示されているが、ページレイアウトも工夫されており、読みやすい構成になっている。中小企業診断士の場合には、こうした資料を用いて説明する場面もあると思うが、本マニュアルは説明しやすい構成であるともいえる。

プロセスを理解してもらう

起業意欲のある人の中にはとにかく会社設立、事業着手、店舗開業に至りたいと考える人がいる。起業してしまえば、後は何とかなると考える人がいる。

地域経済にとって開業数が多いことは大切であるが、あわせて閉業数が少ないことも大切である。起業後課題が発生し事業が続かない場合がある。起業に至るまでにきちんと検討してこなかったため、本来予想される課題に躓いて閉業する例が多い。つまり、起業のプロセスをきちんと踏み、しかるべき検討を重ねることにより、事業成立性を高めておくことが重要であることを、十分に理解しておかなければならない。

マニュアルは、こうしたプロセスの重要性を理解し、実践する上で非常に有効である。起業相談を受ける場合、こうしたマニュアルを用いてプロセス確認をしていただければ、開業数の増加と閉業数の減少を図ることができると考える。

マニュアルは本サイトで紹介したもの以外にも数多く紹介されている。参考にしていただければ幸いである。