
第2回目となる今回は、前回に引き続き、プロコンとの協働による企業内診断士の活動事例の中から、「セミナーコラボ」のケースをご紹介します。

2つ目にご紹介する事例は、「セミナーコラボ」です。実は、第1回目の共著出版には、「その後」があります。出版に続き、読者向けセミナーを開催する機会をいただくことができたのです。
先の自主セミナーがそうだったように、週末や自宅での作業を中心に構成できるセミナー開催は、企業内診断士でも比較的、問題なくこなすことができ、チャレンジへの抵抗感も少ない分野の1つでしょう。その意味でセミナーも、プロコンと企業内診断士が協働するのに適した仕事と言えると思います。
さて、『クリエイターの渡世術〜20代が語るやりたいの叶え方』は、その企画段階から出版社との間で、出版後のアクションとしての「読者の皆様が独立開業し、成功するまでサポートする仕掛け」について話し合い、合意を得ていました。私たちにとっては、「一度だけで終わらない、次につながるセミナー」に、との思いをかなえる大チャンスであり、出版社側も、読者のためになるとともに、社会的意義も高まることから、大賛成してくださっていたのです。
プロコンと企業内診断士の協働チームは、出版と同時に、「事業(創業)計画書のダウンロードサービス」と「無料メール相談サービス」という読者向けサービスを開始し、2つ目の「次」に向け、「読者サポートセミナー」の具体的な企画について、出版社の担当者との打ち合わせをスタートしました。
設定ターゲットは、書籍の読者を中心に、フリーランスの方や現役会社員、退職したての方なども含めることとし、皆さんが参加しやすいテーマを検討して、「クリエイター開業手続きのすべて」に決定しました。また、集まっていただきやすいよう、開催日時は「平日の19時以降1時間半〜2時間以内」と設定しました。これには、協働メンバーの企業内診断士も助かりました。平日の日中は時間調整に苦慮する企業内診断士も、平日の夜や土日であれば、比較的容易に参加できるからです。

今回のセミナーの主催者は、書籍出版でもお世話になった株式会社ワークスコーポレーションで、運営者はWeb制作会社の株式会社ロフトワーク。そして登壇するのは、プロコンと企業内診断士の協働チームです。
セミナー会場は、株式会社ロフトワークが運営する素敵なセミナールームをお借りできることとなり、PRと集客に関しても、同社がクリエイター相互の教え合いの場として運営する「OpenCU」というサイトを利用させていただきました。また、受講者のかゆいところに手が届くような有意義なコンテンツを提供したいとの思いから、「OpenCU」からの申込者に対しては、あらかじめコンテンツへの希望をアンケート調査していただくこともできました。出版社とWeb制作会社という、強力なプロフェッショナルの力を得たセミナー開催は、大変貴重な体験となりました。
いよいよ、セミナー当日です。両社のご協力による事前集客が奏功し、20〜40代のフリーのクリエイターや学生、会社員といった33名の方々が、会場にお集まりくださいました。さらに、USTREAMの生中継も同時に行うことで、会場外の約160名の方々にもセミナーをご覧いただくことができました。
こうして開催にこぎつけたセミナー「クリエイター開業手続きのすべて」は、2時間をかけて、「独立するということ」、「退職手続き〜開業手続きまでの流れを知ろう」、「個人事業と法人の違い」、「開業準備10のポイント」、「質疑応答」という流れで行われました。独立開業に関する総合的な知識を企業内診断士が解説し、心構えや実務面での留意点を、実際に独立開業を経験したプロコンが補足することで、それぞれが得意な部分を担当した協働作業となりました。
質疑応答も活発に行われ、アンケートでも多くの皆様から、「参考になった」との高評価をいただくことができました。また、書籍も会場で5冊をご購入いただき、嬉しいおまけとなりました。

こうして、プロコンと企業内診断士の協働チームは、書籍出版〜セミナー開催というコラボ体験を共有することができました。双方にとって有意義な活動となったことは、言うまでもありません。当チームは、「次の次の次」につなげるために、さらなる企画を検討中です。
終了後のアンケートでは、「この先の話を聞いてみたい」、「また、こうしたクリエイターのための話が聞けたらありがたい」、「このような内容のセミナーを今後もぜひ、開催してほしい」、「有料でもいいから、独立開業をシリーズ化してほしい」等の声をいただきました。今回の「セミナーコラボ」のきっかけとなった、自主セミナー開催時に立てた仮説のとおり、創業まわりの個別の悩みに対するニーズは確実に存在し、やり方によってはシリーズ化も可能であることが裏づけられた格好となりました。
今回は、出版をきっかけに、無料セミナーを開催する機会もいただくことができました。今後は、シリーズセミナーを開催し、個別論点についてさらに書籍出版を重ねていく―そうした継続的な活動も十分、期待できそうです。
企業内診断士にとって、なかなかトライするのが難しい診断士活動。それでも、時間と場所の制約を受けない範囲で実現できる活動は、たくさんあります。中小企業診断士の3大業務と言われる、「診る」(企業診断)、「話す」(講演・セミナー)、「書く」(執筆・出版)のいずれの場面でも、プロコンと企業内診断士が協働することで、チャンスは目の前に開けてくることでしょう。
(つづく)
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