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中小企業診断士の仕事

中小企業支援の理想形を目指して活動する「いばらき地域創造ネットワーク」

取材・文:福島正人(中小企業診断士)

【第3回】心からの「ありがとう」

取材日:2010年7月21日

最終回となる今回は、中小企業を支援していくうえでの中小企業診断士としての心構えややりがいについて、お話を伺いました。

中小企業診断士自身がリスクをとる

― 川又センター長は、中小企業経営の経験もあるそうですね。

川又昭宏センター長
川又昭宏 センター長

川又:実家が本屋で、自分自身も本屋の経営を行いました。その経験が、中小企業診断士としての活動にも役立っています。中小企業経営者が悩んだときは、信頼できる人と話をすることが大切なんです。話をすると、経営者自身の頭の中が整理できます。そうすると、優先順位をつけたり、「これをやればいいんだな」と決断できたりするんです。

― 本屋の経営をしながら、中小企業診断士資格を取得したのですか?

川又:もともと診断士資格を取ろうと思ったのは、「実家の本屋の経営に役立つ」と考えたからなんです。平成3年の中小企業診断士試験に合格した後は、本屋の経営と診断士活動を両立させてきました。診断士活動をすれば、自分の経営能力を高めることができます。結果として、実家の仕事にも役立つんです。

― 平成19年度の中小企業経営診断シンポジウムでは、「街づくり会社を基点とした地域活性化支援」というテーマで、中小企業診断協会会長賞を受賞されていましたね。

川又:茨城県守谷市の地域活性化事例です。専門家として派遣されて行う支援ではなく、自らが事業主体となって地元の活性化に取り組みました。通常の支援とは、立ち位置がまったく違いました。中小企業診断士は、上っ面だけの支援をしてはいけない。「まぁ、中小企業診断士の先生じゃ、ここまでの支援だよな...」と陰で言われてしまいます。診断士自身がリスクをとり、具体的に支援していくことが大切なんです。

畳部屋の相談センター

― 中小企業応援センター「いばらき地域創造ネットワーク」は、県庁所在地の水戸だけでなく、つくば市に相談窓口をつくったのが特徴ですね。

川又:水戸では、(財)茨城県中小企業振興公社の中小企業応援センターとバッティングします。そこで、水戸市に本部事務所を置きながら、つくば市には相談窓口を置きました。つくばエクスプレスが開通し、茨城県は県南地域が発展してきています。つくば市に窓口を置けば、県南地域の中小企業にも対応しやすいんです。

横田:つくば市の相談場所は、パン屋さんの2階にあります。もともとは、パン屋さんのオーナーが、地域のコミュニティ活動をしていた場所なんです。中小企業応援センター事業に応募する話をしたところ、「俺のところを使いなよ」と貸していただきました。全国でも珍しい、畳部屋もある相談センターになりました。

相談場所は、パン屋さんの2階にあります 畳部屋もある相談センター
相談場所は、パン屋さんの2階にあります 畳部屋もある相談センター

中小企業支援のやりがい

― コーディネーターの横田先生は診断士3年目、小園江先生は2年目と若手ですね。

小園江:私は、大手総合スーパーに勤めていて、バイヤーの仕事などをやっていました。法政大学の中小企業診断士養成課程を経て、平成21年4月に中小企業診断士登録・独立をしました。独立後すぐに、川又支部長の推薦で、茨城県商工会連合会の応援コーディネーターになりました。初めて経営相談業務をしたときは緊張しましたが、経験を積んで、しっかり相談対応できるようになってきました。

― 独立診断士になってみて、やりがいはいかがですか?

小園江:自分が頑張った分だけ反応が返ってくるのが、違いますね。サラリーマン時代にはなかった手応え、醍醐味です。相談を受けた企業から、「ありがとうございました」と言ってもらえる。それがやりがいですね。

横田:組織だけではなく、個人に対しても感謝の言葉をいただけるのがうれしいです。「商工会さん、ありがとうございました」だけではなく、「横田さん、ありがとうございました」と言っていただける。その違いは大きいですね。組織と組織の関係だけではなく、個人と個人の関係もあるんです。

― 個人と個人の関係?

横田:応援センター事業は相談無料ですので、企業はお金を払っていません。でも、「中小企業経営者に時間を投資いただいている」ことを忘れてはいけません。経営活動に使える時間を割いて、われわれに相談してくれているんです。だからこそ、相談者からの感謝の言葉がうれしいのです。

川又:中小企業の満足度は、単なるアンケート調査ではわからないんです。窓口相談アンケートで、「満足した」に○をつけていただいたとしても、本当に満足いただけたかどうかはわかりません。でも、顔を合わせて「先生に頼んでやる気が出ました。今から銀行さんに行ってきます!」などと言っていただく。相談してもらって、やる気が出て、一歩踏み出していただく。これが、中小企業支援のやりがいですね。

(おわり)

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組織名 中小企業応援センター「いばらき地域創造ネットワーク」
コンソーシアム団体 (社)中小企業診断協会茨城県支部(代表法人)
(社)茨城県経営コンサルタント協会
水戸信用金庫
学校法人日通学園流通経済大学
法政大学地域研究センター
特定非営利法人つむぎつくば
センター長 川又昭宏
所在地 【水戸本部】茨城県水戸市大町3-2-51
【つくば窓口センター】茨城県つくば市並木3-26-20
TEL 029-851-3403
ホームページ http://ibaraki-souzou.jimdo.com/