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中小企業診断士の仕事

地域から日本を変えたい!―“農業革命”を目指すスーパーキャリア診断士

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第2回】中小企業診断士を目指したワケ

取材日:2010年4月29日

噂どおりの「異色の経歴」を持つ藤井さん。しかしながら、その華麗なる道は決して平坦ではなかったといいます。ここでは、藤井さんの等身大の姿と、中小企業診断士を目指した理由について伺っていきます。

大きな挫折を味わう

― 子どもの頃からの夢を実現するために、必然の道をたどってこられたわけですね。それにしても輝かしいご経歴ですが、迷いなく、トントン拍子に進んでこられたのですか。

いえいえ。すべてがトントン拍子に進んできたわけではありません(笑)。

航空宇宙工学を学びたくて、いくつかの大学を選んだのですが、5人兄弟の3番目だったこともあって、私の学費捻出は厳しい状況でした。皆さんから異色と言われる防衛大を選んだのも、そういう事情からなんです(笑)。

テキサス大学院卒業

海上自衛隊を退官し、テキサス大学院に入学する間にも、大きな挫折を味わいました。3ヵ月で受験準備をしなければならなかったんですが、猛勉強の開始と海外へ行くことによる身辺整理のために、当時の恋人や友人たちとも距離を置かざるを得ませんでした。しかし、思うようにテストの点数が伸びず、最初の受験に失敗し、職もなく、恋人とも別れ、友人とも距離を置いている。お金も大学院のために使わなければならないし、要は何もないわけです。「自分がやろうとしていることは、大バカ者の夢にすぎないのではないか」との思いが交錯し、精神的にどん底に落ちました。

ゼロから1を生み出す

大学院には合格できないままでしたが、スーツケース1つで渡米することに決めました。四面楚歌になり、片道切符に人生を賭けてみたわけです。

何のツテもない中、再度勉強し直してテストの点数をとり、書類もまとめて提出しました。また、第1希望のテキサス大学院の教授にもアポをとって、面接していただきました。渡米して実質2ヵ月しか準備期間はありませんでしたが、フタを開けてみると、すべての受験校から合格をいただけたんです。

藤井大介さん

こうして、何とかテキサス大学院に入学できたわけですが、教授に私の一途さと情熱が認められたのか、大学の研究所で研究員アシスタント(RA)として採用していただくことになったのです。何と、学費なしどころか、給料をいただきながらの院生生活が始まりました。研究内容は衛星関係の分析業務で、そのまま大学院の修士論文にも使えましたし、助かりました。

こんな具合に、それなりに悩みながら一歩一歩進んできましたので、周囲がおっしゃるような"輝かしい経歴"ではないことがおわかりいただけたと思いますが(笑)、このときの体験は、自分に大変重要な示唆を与えてくれました。人脈にしても何にしても、「自分から動けば何でもできる」、「どうにでもなる」ことに気づいたんです。「ゼロから1を生み出す方法」を学んだような気がします。

いざ、中小企業診断士へ

― このご経験が、今の行動力の源泉にもなっているのでしょうね。ところで、これまでお話しいただいたご経歴の中で、いったいどの時点で「中小企業診断士」が登場してくるのですか。

経営についてはいつか学びたい、と思っていました。本田技研での勤務時代、R&Dの分野に携わっていたのですが、もともと「D」(開発)が好きでその道を走ってきた自分が、「R」(研究)に出会ったんです。"「研究」とは?"という新しい疑問が湧き、あれこれと勉強しました。その過程で、「研究=経営」にほかならないことに気づいた。この経験を通じて、自分なりに「ものづくりなら何でもできる」という自信がつき、「自分で何か面白いことをやりたい」、「世の中のためになろう」、「違うところで生きてみたい」と強く思うようになっていきました。

「経営を勉強しよう」、「会社をつくってみよう」と感じ始めたのも、この頃です。「ものづくり」⇒「R&D」⇒「会社づくり」というように昇華してきた感じがします。

海外大学院での生活から、MBAホルダーも多数、身近にいました。ただ、MBAを取得するには、相当の時間と費用がかかります。MBAというタイトルがほしかったわけではなく、とにかく「経営を勉強したい」という一念でしたから、中小企業診断士の勉強をすることにしたんです。

事務所での仕事風景

中小企業診断士の勉強を通じて、経営というものに対する基礎的な知識を得ることができたと思います。試験にも何とか合格でき、2008年10月に登録を果たしました。

当時は、「コンサルタントになろう」と考えていたわけではなく、「ただただ、経営を勉強したい」という思いの結果でした。その後、本田技研を退職。個人事業主を経て、株式会社設立へと動いていくことになりました。

(つづく)

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藤井大介(ふじい だいすけ)
(株)ファーム・アンド・ファーム・カンパニー代表取締役。中小企業診断士。1975年埼玉県生まれ。防衛大、米国テキサス大学院卒。航空宇宙工学を学び、川崎重工業(株)や本田技術研究所(株)に技術者として勤務。2008年中小企業診断士登録、同年、農場運営のほか農業経営への助言も手がける(株)ファーム・アンド・ファーム・カンパニーを設立。(社)中小企業診断協会栃木県支部理事・青年部部長、栃木県経営改善相談窓口登録専門相談員、栃木県中小企業再生支援協議会支援専門家、栃木県商工会連合会エキスパート登録専門家。

会社名 (株)ファーム・アンド・ファーム・カンパニー
代表 藤井大介
所在地 栃木県宇都宮市元今泉5-1-22ユニビル201
ホームページ http://www.farmfirm.co.jp/
E-mail info@farmfirm.co.jp