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中小企業診断士の仕事

女性コンサルタントネット エルズの活動

文:尾嶋 好美溝口 暁美

【第3回】中小企業診断士になりたい貴女へ

女性こそ、中小企業診断士の勉強を

エルズの皆さん

外資系企業に勤めていた私が「中小企業診断士を受験する」と言うと、一番多く返された言葉は「中小企業診断士って何?」でした。そして、次に多かったのは「あれはおじさんの資格でしょ?」。「診断士?公的融資を申請したとき、うちの会社にも来た。感じ悪いおじいさんがきて、書類だけ見ていった。」と言われたこともありました。

最終合格率は5%程度という難関試験の割には認知度が低く、イメージもあまりよくないのが中小企業診断士の現実ですね。それでも私は女性にこそ、中小企業診断士になってほしいと思います。

私は中小企業診断士試験を「中小企業を診断する人のための試験」というよりも、「ビジネス全般についての知識を得ると同時に、今の時代のビジネスパーソンに必須だとされるコンサルティング能力を高めるための試験」だと思っています。

「経営理論」「財務・会計」「IT」は多くの女性が苦手意識を持っている分野ですね。中小企業診断士試験対策としては、このような分野について包括的に学ぶことが必要です。合格時には、「経営理論」「財務・会計」「IT」に関して基本的な知識が身についているはずです。

企業内で働くにせよ、起業するにせよ、これらの知識はビジネスパーソンとして必須のものです。SWOT分析、ポジショニングマップ、経常利益率...このような言葉を、今の私はすっと理解できます。しかし、中小企業診断士の勉強をするまでの私は、知りませんでした。そのため、社内でのマネジメント会議で戸惑うこともありました。

中小企業診断士に合格すると、ビジネス能力は確実に向上します。中小企業診断士試験合格後は、マネジメント会議で、会社のミッションから戦略、戦術という流れをつかむことができるようになりました。「中小企業診断士に合格した」ということで自信を持って、上司にも自分の意見を建設的に伝えることができるようになりました。

会社全体を客観視する力を身につける

ワーク・ライフ・バランスに関する仕事で、経営者の方にお話を伺う機会がありました。「だれにでもできる仕事しかしていない、できないようなら、取り換え可能な人材。そんな人が育児休業なんかとったら、戻ってきにくいのは当たり前。育児休業をとってでも、退職しないで戻ってきてほしいと思えるような女性は少ない。」という社長の言葉は非常に厳しいですが、経営側からの視点で考えれば「当たり前」ですね。女性は「育児休業」という権利を持っていますが、「会社にとって必要不可欠な存在になる」義務もあるということでしょう。

「会社にとって必要不可欠な存在になる」にはどうしたらいいのでしょう?私は「会社全体の経営を考えながら、自分の得意分野を活かして仕事をする」ことではないかと考えます。

自分の仕事が会社内においてどのような位置づけであり、どのような成果が望まれているのかを客観視できることは、とても大切です。客観的に自分の仕事を判断できないと、自分勝手な思い込みで仕事を「頑張って」しまい、その結果「私はこんなに頑張っているのに、評価されない!!」という状況になってしまう危険性があります。女性は自分の得意分野を活かすことには長けていても、「経営全体をとらえる力」は低いように思われます。

中小企業診断士の論述試験は、事例企業に関するいくつかの「事実」からその企業の経営を全体とらえ、経営改善提案を行う力を試されるものです。中小企業診断士に合格するまでには、このように経営全体をとらえる力が身についているはずです。(そうじゃないと合格できません。)

この力は企業内で働くときにはもちろんですが、自分が経営者になったときにも非常に重要です。多くの女性に是非身につけていただきたいと思います。

女性の「働く力」で日本を変えよう

経済状況はなかなか改善する気配がありませんが、労働人口の減少は確実に起こります。労働力確保のためには女性の活用が非常に重要になってきます。

「作れば売れる」という時代はとうに終わり、消費者のニーズに合った商品・サービスでなくては売れない時代です。日本の人口の男女比は95:100で女性の方が多いですね。65歳以上の男女比に限れば75:100です。少子高齢化が急激に進む今後は、女性のニーズをとらえる必要性がますます高まってくると予想されます。

今後は女性社員の活用や、女性のニーズを生かした商品・サービス開発などにおいて、女性の中小企業診断士の活躍の場は広がっていきます。

多くの女性が中小企業診断士の資格を取得すれば、直接的そして間接的に、女性の「働く力」を高めていくことができるはずです。女性全体の「働く力」が上がっていけば、日本の労働環境も変わっていきます。

少しだけ早く女性中小企業診断士になった私たちは、仲間が増えていくことを切に願っています。

(おわり)