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中小企業診断士の仕事

女性コンサルタントネット エルズの活動

文:尾嶋 好美溝口 暁美

【第1回】エルズは女性のための、女性による支援ネット

女性コンサルタントネットエルズは、<女性のための><女性による支援>を目的に集まった女性経営コンサルタントグループです。 全員が中小企業診断士の資格を持ち、女性のビジネス支援や多様な自己実現をサポートしています。
 2004年から活動を始め、現在、中心メンバー7名にアソシエイトメンバー、サポートメンバーからなるコンサルタント集団です。
 おもな業務は、創業セミナーなどの女性の創業支援、ビジネスコンサルティングによる成長支援、企業での能力開発支援、キャリア開発支援、女性力活用に向けた政策提言活動、執筆活動などです。

エルズ中心メンバー:油井 文江(代表)、尾嶋 好美、大江 栄、溝口 暁美、滝 由美子、高橋 美紀、小紫 恵美子
URL:http://www.lsconsultant.net

女性の役に立ちたい!

エルズの皆さん

平成14年の夏に受験した中小企業診断士試験での思い出といえば、「トイレの行列」です。普通、トイレで行列ができるのは女子トイレですが、診断士の試験では、女子トイレはガラガラで、男子トイレは行列ができていました。「やっぱり女性は少ないのね」と実感したものです。

中小企業診断士合格者として、官報に載った600名余りのうち、女性と思える名前は36名でした。受験予備校の祝賀会などでも女性は少ないので目立ち、東京近辺での同期女性合格者全員のメールアドレスをお互いに把握できました。私たちエルズは、そのようにして知り合った平成14年度試験での女性合格者が中心になって発足した女性中小企業診断士の集まりです。

最初は一緒に食事をし、「そのうち一緒に何かやれたらいいね」と言っているような「ゆるい」集団でした。名前も「女性→Ladies→L'sでいいか」と、「女性コンサルタントネットエルズ」にしました。

ただ、その時からメンバーには「女性のために役立ちたい」という熱い思いがありました。「女性の立場によりそいつつ、国家資格である中小企業診断士としての知見を生かし、女性の創業やキャリア育成をサポートしていきたい」これが、結成当初から今まで、そしてこれからも変わらないエルズのミッションです。背景には、メンバー自身が女性であるがゆえの苦労をしてきた経験がありました。

女性診断士だけが集まっている集団は珍しかったからか、ほどなく企業や公的支援機関から講師依頼やコンサルティングの依頼がくるようになりました。現在では東京、神奈川県、埼玉県など公共機関での女性向け創業セミナーをはじめ、マーケティングセミナー、ビジネスマナーセミナーなどの講師、実際のビジネスコンサルティング、執筆活動などを幅広く行っています。

女性の地位が低いなあ・・・

M字型就業曲線

「日本では女性が働き続けることが難しい」と言われます。例えば、30~34歳の未婚女性の89.9%の人が働いているのに対し、既婚女性は47.4%しか働いていないというM字型就業曲線が有名ですね。このM字型カーブを描くのは先進国では日本と韓国だけ。欧米諸国ではみられない女性の働き方です。

国連開発計画(UNDP)の「人間開発報告書」では、女性の活躍度を示すジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)が、日本は93か国中54位と先進国では異例の低さ(2007~2008年調査)。また、世界経済フォーラムが報告した「国際競争力報告2001年~2002年」では、日本女性の経済活動は75カ国中69位で途上国よりも低い状況です。「女性の能力が活かされず、活躍度が低い日本」との世界からの評価は残念なことです。

この女性力の活性化は、企業と社会の大きな課題であり、エルズの一番のテーマもここにあります。

ワーク・ライフ・バランスに取り組む

2007年からエルズが力を入れているのは「ワーク・ライフ・バランス」です。ワーク・ライフ・バランスとは、「その時の自分にとって最適な仕事と生活のバランス」をとることにより、仕事の生産性を高め、自分自身の生活も大切にしていくことです。

その一環として、現在エルズでは中小企業がワーク・ライフ・バランスに取り組むためのマニュアルを作成中です。これはワーク・ライフ・バランスとはどういうことなのか、なぜワーク・ライフ・バランスが大切になってきているのかという説明から、実際に中小企業がワーク・ライフ・バランスを取り入れようとするときにはどうすればいいかという具体的な方法までがわかるような冊子になっています。

少子高齢化が進み、労働力人口は既に減り始めています。女性の創業や就業が望まれる理由がここにあるのですが、これまでのような硬直的で長時間の就労、また仕事のために私生活を犠牲にする働き方では、女性の十分な活用はできないでしょう。

課題である労働時間の削減について、中小企業は柔軟に対処することが可能です。中小企業はトップの考え方次第で大きく変わることができるからです。労働力減少を「脅威」としてではなく、優秀な働き手を得ることのできる「チャンス」に変えやすいのは、大企業よりもむしろ中小企業であるといえるでしょう。

今後、中小企業が女性を活用していくためには、多様な働き方ができる枠組みづくりと、仕事と生活のバランス意識=ワーク・ライフ・バランスの見直しが重要です。これは仕事漬け社会日本の"体質改善"であり、文化の変革でもあると、エルズでは考えています。

女性コンサルタントネットエルズは、これからも女性の視点と中小企業診断士としての知見を活かし、女性のビジネス支援、キャリア育成、ワーク・ライフ・バランスの実現などをサポートしていきます。

(つづく)