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中小企業診断士の仕事

診断士と栄養士 強力夫婦タッグ

文:弥冨 尚志

【第2回】医療・健康分野を診断士の視点で見る

新しい分野に踏み出す

医療従事者として長年やってきた家内にはどう対応すべきか困惑する内容ばかりでした。

それは、「○○と言う商品の開発を検討しているのですが栄養学的見地から何かいいアイデアはありませんか?」・「若い女性に向けたおしゃれなレシピは?」・「高齢者向けの番組で使える栄養メニューを作って欲しい」・「当社の新製品としてダイエット商品を手がけようと思うのですがお力をお貸しください」・「特定検診が始まる前に栄養士の会社を作りたいので指導してください」・「今までにない創作和菓子を作りたい」・「栄養士を集めて何か仕事を色んな方面に仕掛けませんか?そのリーダーになってください」・「何かウチの会社と一緒に仕事が出来ませんか?」等々、もっとアバウトなものもたくさん来ました。

それもベンチャー企業だけではなく大手企業からも一見すると首をかしげる様なものが多々ありました。その時は正直言って、私と家内は「もっとシンプルで判り易くちゃんと報酬が出るような話は何故来ないのだろう」と嘆いたものでした。(今でもそう言うお話は頂きますが、大歓迎です。)

そこで私も全ての打ち合わせに出向くことになり1つひとつ相手のニーズと向き合うことになったのです。その頃の自分は診断士の資格を取ったばかりで資格を活かした就職先を探していた所でした。

正直、家内との仕事はある程度軌道に乗せる所まで手伝えば、その後は私のすることなど無いだろうから打ち合わせを幾つかこなせば家内も要領が判るだろうと考えていました。そう言う意味ではさっさと片付けて自分の仕事の方向性を決めていかなくてはと考えていました。

私も長年、機械メーカーの営業をやってきたのである程度営業的な振る舞いは出来ても全く畑違いの分野で突っ込んだ話には参加できないだろうと思っていました。(事実、今でもそうですが。)でも当初は2人も会社組織にしているとは言え診断士と栄養士のタッグで打ち合わせに行くのも変に思われるかもしれないと気後れしたのは確かでした。

顧客は管理栄養士に期待している

そもそも何故、そんな話が来るのだろう?いつもそんな疑問を感じながら打ち合わせに出向いていました。いくつかの打ち合わせや商談を行ううちに、ある事に気づきました。それは商品やサービスに付加価値をつけるために管理栄養士が持つノウハウを活用したいと言うニーズでした。

今までも管理栄養士が食品メーカーなどの宣伝役に活用されること、例えば「管理栄養士もご推薦」みたいなことはありましたが、商品やサービスのベネフィットそのものに活用されるケースはあまり聞いたことがありませんでした。それだからこそ当初は戸惑いも大きかったのですが、次第にそのことが理解できるようになってからは逆にこちらから色々提案が出来る可能性がある事にも気づきました。

それは顧客の考えているベクトルに管理栄養士が持つノウハウを巧くマッチングさせてやれば、より付加価値の高い商品やサービスが作り出せると言うことでした。

診断士の役割を見つける

ここで1つ管理栄養士の特性を言っておかなければなりません。これは資格の特性ではなく属人的なことです。通常、管理栄養士は医療機関においては1人のケースが多く栄養士同士の連携が強いと言う訳でもありませんから、他の人がどんな仕事をしているのかを知る機会が少ないのは事実のようです。

またコメディカルにありがちな指示待ちと言うか消極的性格が強い傾向にあります。このようなことからマイペースな人が多いと感じていました(もちろん、これは私の私見ですので栄養士の全部がそうだとは申すものではありません)。そう言う意味では家内も同じ気質は持っていました。ただフリーでも長年キャリアを積んで来たせいか消極的と言う気質では無かったことは確かです。普通の栄養士であれば医業分野とは違う、それもアバウトな引き合いが来ても断るでしょう。家内も以前は確かにそうでした。栄養士が相手の仕事そのものに関心を寄せることは少なかったと言えるでしょう。

そこに私が入ることで双方の通訳的な役割、橋渡しを果たすことが出来たと思います。それがコンサルタントの仕事なのかもしれません。

(つづく)