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中小企業診断士の仕事

理系大学内診断士現れる!

文:谷口 忠大

【第5回】起業は身近で起こるものである(2)

GOEN会というただの飲み会

「いやー、交換ビジネスは熱いですねぇ~。今度その方、紹介して下さいよ~」

K大近くの人気のランチスポットでK大発企業のK氏とランチしていた時の事だ。ちょうどネットで物々交換するサービスについて話が盛り上がっていた。電子通貨の存在の拡大と共に、貨幣の未来について語ったりしていた。

「あ~、わかりました、わかりました。今度セッティングしますよ。」

当時、商工会議所で知り合ったR大(注1)発企業のN氏がネット上での物々交換サービスを始めていたので、それに興味を持ったK氏を引き合わせる事にしたびだ。数日後、四条通り沿いの某デパートでランチをすることになった。20代半ばで起業して戦っているもの同士自然と馬があった。そのランチミーティングの後、メールをやりとりしてると、「今度は両社の社員もいっしょにやりましょ」ということになり、私も当時から一緒に起業を考えていた友人(注2)をつれて焼き肉を食べに行った。皆で最近のネットビジネスの話だの、K氏の会社がリリースした新サービスの話だので盛り上がったのだ。いやー、普通に楽しい。

と、くれば季節柄、次は忘年会である。と、今度はN氏がR大発の先輩会社D社の二人を連れてきてくれるという。ウェルカムである。私たちのコンビを含めて4社だ。となれば、新年会。今度は私も知り合いの若手企業の美人取締役お姉様をお連れして、N氏もさらに某ネット企業の......と、状態はねずみ算式。1年ちょっとたった去年の年末の忘年会で、参加企業は20社を優に超えた。広告的なものは一切使わず、ただ人と人の繋がりをたぐり寄せて成長してきたのだ。数度目の飲み会で「名前を何か決めたいね」という事で、D社代表のD氏の実家がお寺ということもあり「じゃ、御縁つーことで」となり、GOEN会という存在が立ち上がった。

語り合う

さてさて、別に制度化してはいないが私が心の中で決めている事がある。

  1. 繋がりで参加者を増やしていく。
  2. 無理をせず、自然に会が成長するスピードに委ねる。
  3. インファーマルな場を維持する。

起業家の集まりはイケイケドンドンなムードになったり、変に講師を呼んだりして形式張ってくることがある。それは何かが違うと思うのだ(注3)。現代では緩やかなネットワーク自体に価値があることが認識されている時代である。ネットを飛び交うビット情報ではなく、人と人の交わりの中に発生する情報に真の価値が見いだされる時代こそ真の情報化社会であると思う。こういう会は実は別に特にフォーマルな事をしなくても、自然と繋がりが繋がりを呼び、繋がりの中のコミュニケーションがビジネスの機会をも生み出す(注4)。私は現にいつもそんな「自然なダイナミクス」をほどよい感覚で感じている。

さて、私は一応、会の始まりからずっと居て、メーリングリストの管理もやらせてもらっている。しかし、最近、会を行う店を予約することも幹事をやることも無くなってきた。みんなが会の楽しさを自分たちなりに捉え関わってくれているのだ。ネットワークは今年も少しずつ成長していくことだろう。私も変わらず楽しんで広がっていきたい。

さて、事後的だが、最近ちょっと思う。「これって中小企業診断士的な活動だなぁ」と。こういう起業家ネットワークを作ることを、しばしば公的機関が助成金を使ってやることもある(注5)。そういう助成金でならお金がもらえるし、「中小企業診断士の仕事デス!」と言えるのだろうが、別にその必要も感じない。人と人の繋がりは次の繋がりを生む。ネットワークはそうやってはぐくまれていくものだろう。

初めは説明も長かったが、最近、GOEN会の説明をする時に最終的にこういっている。「短く言えば、ただの飲み会です(笑)」

ちなみに、最近は随分と起業を身近に感じるのだ。

注1:
私の勤務するR大とは別のR大である。
注2:
第二回でちらりと述べた人物と同一人物
注3:
理屈(理論?)を話すと長くなるので、本コラムでは割愛する。ちゃんと理屈もあるのはあるのです。
注4:
もちろん、いい参加者に恵まれることと、常に広がる指向性を持ち続ける事は大切だが。
注5:
もちろん、GOEN会も商工会議所での出会いが幾つかのきっかけになっているので、上記施策には感謝する。

(つづく)