経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

中小企業診断士の仕事

「中小企業経営診断シンポジウム」プロジェクトチーム奮戦記

レポート:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第4回】地域資源活用を支援する中小企業診断士

午後の部は、中小企業診断士の論文発表

土肥健夫氏

午後の第二部は4つの会場に分かれて進行します。第一分科会では「シンポジウム論文発表」、第二分科会では「研究論文・支援事例発表」が行われました。また、今回のシンポジウムは、中小企業診断協会東京支部主催の経営支援事例発表会も同時に開催しましたので、第三分科会の「東京支部発表(経営支援および研究成果)」ならびに第四分科会の「協会/会員活動事例等発表」も同時に行われました。

第一分科会での「シンポジウム論文発表」では、事前審査を通過した4名の発表者が質疑応答を含めて40分間のプレゼンテーションを行いました。その結果、最優秀賞にあたる中小企業庁長官賞は「明石・タコ検定の事例に見る、新たな切り口での地域資源活用に係る支援の在り方 」を発表された東京支部の土肥健夫氏が受賞されました。いまでこそ、ご当地検定は全国各地で行われていますが、土肥氏はご当地検定黎明期から検定がもたらす地域への関心・親近感の醸成効果に着目し、明石でのご当地検定の運営を支援してきました。協力機関の互恵的関係構築に成功したことで、高質でありながら低廉なコストで運営可能な検定スキームを構築、費用対効果の高い地域ブランド構築に成功したのです。土肥氏の活動の素晴らしい点は、検定ターゲットを明確に設定し、その心理や行動特性に対応したプロモーション活動を展開したことで、検定受験者の確保に成功したことです。また、関西弁で展開されるテンポの良いプレゼンテーションは、聴衆を引きつけ飽きさせない魅力のあるものでした。

中川貞夫氏

優秀賞にあたる日本経済新聞社賞は、「技能伝承支援を通して地域中小企業の価値向上を目指す」を発表された静岡県支部の中川貞夫氏が受賞されました。中川氏は、団塊世代のベテラン技能者が一斉に退職することで引き起こされる技術・技能の伝承問題、いわゆる2007年問題に対して、どのように取り組んだのか具体的事例によってその過程と成果を発表されました。中川氏の発表の素晴らしい点は、聴衆者である中小企業支援者が、自身の支援先に対して明日から応用ができるほど、具体的かつ詳細にその"How to"を紹介されている点です。

2007年問題は全国の中小企業にとって喫緊の課題であり、技能伝承に取り組まれている中小企業支援者も多数存在するでしょう。中川氏の発表は多くの中小企業支援者にとって参考となるものですので、多くの中小企業が氏の研究発表の恩恵を受けることが予測されます。中川氏の発表は、非常に社会貢献的意義の高いものであったといえます。

見て、触れて、味わって、地域物産紹介

地域物産紹介ブース

第一分科会~第四分科会で論文発表等が行われている同時間帯には、会場2Fフロアにて、全国12社が参加した地域物産紹介ブースが設けられました。基調講演者の大原氏や、各パネリスト、事例研究論文発表者が関わっている地域物産を中心に展示しました。これらの方々が壇上でのお話しの中で紹介された地域物産を、見て・手に取り・味わっていただいたことで、よりリアリティのある情報をシンポジウム参加者に伝えることができたのではないでしょうか。

参加企業の1つである山口県の有限会社萩陶苑さんは、従来の萩焼の3倍強度の新しい萩焼を今年度の地域資源活用研究開発型事業で研究開発中です。現在2倍強度の萩焼まで完成しているのですが、地域物産紹介ブースでは、訪問者にこの2倍強度萩焼のコップ、洋食器の無料サンプル提供を行い、後日アンケートの返信を依頼していました。地域資源の改良に本シンポジウムが少しでもお手伝いできたことが、とてもうれしく思います。

(株)ぐるなびさんのビジネスマッチング

株式会社ぐるなびさん

また、地域物産紹介ブースと同じフロアでは、株式会社ぐるなびさんもブースを出展しました。現在、ぐるなびさんは、地域資源を重要視した食文化をホームページ上で情報発信したり、外食産業・地域産業に関する事業・企画パートナーを募集したりしています。また、グルメ×旅行×地域交流など総合的なプロモーションを企画しています。当日は、専用ブースでぐるなびさんと中小企業診断士や中小企業者のビジネスマッチングを行いました。今後、本シンポジウムをきっかけに、ぐるなびさんと中小企業診断士のコラボレーションが始まるかもしれません。

おわりに

昨年は125名の参加者だった中小企業経営診断シンポジウムは、今年は475名の方々に参加いただきました。この数は、半年間広報活動に取り組んできたプロジェクトチームのメンバーにとって、達成感を味わうのに十分な成果です。ご協力をお願いし、快くお引き受けいただいた関係各者様にあらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。シンポジウムはこれからも続いていきます。来年もどうか、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。