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「中小企業経営診断シンポジウム」プロジェクトチーム奮戦記

レポート:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第2回】キャッチフレーズの策定から広報活動の展開へ

最初に取り組んだ基調講演者の人選

キックオフ・ミーティング後のプロジェクトチームの活動は、大きく2つに分けることができます。1つは基調講演者・パネリストの人選や運営スケジュールの作成等の企画運営活動、もう1つはキャッチフレーズや広告ツールの策定および実際の告知を行う広報活動です。

マトリクス図

企画運営活動で最初に取り組んだのが、基調講演者の人選です。候補者を選考するにあたり方針を決めました。その方針とは、一個所のみではなく複数か所の地域資源活用に成功した経験を持つこと、地域資源の活用をライフワークとして長年取り組まれていること、でした。そして、この方針に最もマッチしたのがフードコーディネーターの大原一郎氏だったのです。大原氏は、地域資源を活用した地域活性化に1993年から取り組み、複数地域での実績をお持ちです。また、これらの成果に対して国土交通省の田舎デザイン大賞や、各県の地場産業奨励賞を受賞されたことで、中小企業支援の専門家や行政関係者の間での知名度もありました。以上のことから、大原氏に基調講演をお願いすることを決めました。

次に、パネルディスカッションのパネリストの選定です。まずは、プロジェクトメンバーが事前にリサーチした「この人は!」と思う方を挙げていきます。次に、パネリストに求めたい属性についても挙げていきました。この2つを融合し、図のようなマトリクスを作り上げ、候補者を配置していきました。そして、これらの4象限バランスが取れるような人選を行ったのです。

思いを込めたキャッチフレーズの策定

同時進行で取り組んだ広報活動では、シンポジウムのコンセプトを訴求するキャッチフレーズ作りからスタートしました。ミーティングに臨む前に、油井リーダーから診断士メンバーに出されていた課題は「一人10個以上のキャッチフレーズを考えてくること!」。全メンバーから提出されたキャッチフレーズは合計で100個を超えました。ここでも絞り込むための基準作りから行い、次のように決定しました。

1)地域資源と中小企業診断士はマストアイテムとすること。
2)エネルギーを感じさせること。
3)(社)中小企業診断協会主催の催し物として品格があること。

これらの基準に照らし合わせ、キャッチフレーズを絞り込みます。絞り組む過程で生まれる新たなアイデアも歓迎しました。絞り込んではアイデアが出て、また絞り込んでを繰り返し、最後にメンバーが行き着いたのは、この2つのキャッチフレーズでした。

「どうする?地域資源の活性化 そうだ!中小企業診断士に聞いてみよう。」
「地域が動いた」

「そうだ!中小企業診断士に聞いてみよう。」は、我々中小企業診断士が気軽に中小企業者からこう思われる存在でありたい、そんな思いが表現されたキャッチフレーズになったのではないかと思っています。

続いて、このキャッチフレーズに基づくポスター、チラシの作成です。デザイン事務所に、このキャッチフレーズとシンポジウムの趣旨を伝え、4つのポスター案を提出してもらいました。それらから多数決で1つに決定したのですが、メンバーの一人がどうしても納得しません。自分たちが思い描いている地域資源が、これでは伝わらないと強く主張します。そのため、残った案にさらにメンバーのイメージやアイデアをデザイナーにぶつけます。そうして、できあがったのがこのポスターです。さらには、このポスターを核としてA4版の配付用チラシとホームページ用のバナー等を完成させました。デザイン事務所には無理を言いましたが、最期まで誠実な対応をいただき感謝しています。

ターゲット別に策定した広報戦略

ポスター

広報ツールが完成したら、あとは各メンバーがどうすれば一人でも多くの方に本シンポジウムの存在を伝えることができるか智恵を絞るだけです。最初に3つの広報ターゲットを策定していましたので、ターゲットごとに実行プランのブレインストーミングを行いました。

中小企業診断士を対象としたインナー広報では、まず各県支部のネットワークを活用させていただきました。各支部長に会報誌やメールマガジンで、シンポジウム開催を取り上げていただくように、お願いしました。同時に、東京支部や東京支部の各支会の研究会、懇話会の代表者にもメールでシンポジウムの告知をお願いしました。各研究会・懇話会員用メーリングリストでは、シンポジウムのお知らせメールが飛び交い、複数の研究会に所属している方には同じメールが何通も届くという、ご迷惑をおかけしたかもしれません。

中小企業診断士以外をターゲットとしたアウター広報でも、いくつかのアイデアを出し合い、実行しました。まずは行政機関へのポスター掲示の依頼です。これは従来も行っていましたが、依頼文を添付したポスターを郵送するだけで終わっているケースもありました。そこで今回は、担当者が行政機関に足を運んでお願いするようにしました。また、都内にある道府県のアンテナショップを訪問し、チラシを置いていただくようにお願いしたり、中小企業診断士試験の受験校でのポスター掲示やチラシの配布をお願いしたりしました。また、ブログを運営されている中小企業診断士の方などには、バナーの掲示や紹介記事の掲載をお願いしました。また、無料のセミナー告知サイト、広報サイトなどにもプレスリリースの掲示を行いました。アウター広報のほとんどはお金のかからない方法でしたが、皆さんのご好意によって、幅広く展開されていきました。

ポスター掲示(品川駅) さらには、有償の広報活動も行いました。開催日の2週間前から、会場の最寄り駅となる品川駅にポスター掲示を行ったのです。多くの人の目に触れる割に安価な広告方法でしたが、「どこまで効果があったか」、今後検証しなければなりません。

最後は、対マスコミ広報です。新聞やテレビで本シンポジウムを取り上げていただける可能性のあるコーナーを全てピックアップすることから始めました。その後、メディアごとに担当者を決め、人脈をたどったアプローチを行いました。プレスリリースの作成も油井リーダー自らが行いました。その結果、日本経済新聞、日経産業新聞等複数のメディアで本シンポジウムの告知記事を掲載していただくことに成功しました。

(つづく)