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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

経営者とコンサルタントの二足のわらじで活躍する中小企業診断士 山崎 泰央さん

取材・文:安野 元人(中小企業診断士)原 慎之介(中小企業診断士)

【第2回】開業までの足跡と日本酒業界の展望

2019年2月5日(取材日:2018年12月10日)

前回に引き続き、中小企業診断士として活躍しながら、日本酒飲み放題のお店「美味しい日本酒nomel」を経営する山崎さんにお話を伺います。今回は、会社員時代の仕事や競合調査の極意、さらには日本酒業界の展望について語っていただきました。

会社員時代のお仕事

―山崎さんのご出身はどちらですか。

東京です。大学まで東京にいましたが、就職したのがドンクという神戸に本社があるパン製造会社だったため、大阪に引っ越しました。入社当初は管理本部に配属され、神戸本社に勤務していましたが、5~6年後にマーケティング本部へ異動になり、東京に戻ってきました。

―パンがお好きで、ドンクに入社されたのですか。

実は、ドンクに入社するまでは、パンが苦手でした。管理本部にいた頃は、パンを食べる機会はなかったのですが、マーケティング本部へ異動後は、市場調査や毎月行われる商品開発会議などでパンを食べる機会が多くなり、次第にパンが好きになりました。

―いまと比べて、会社員時代のほうがストレスは多かったですか。

ストレスはありませんでしたが、プレッシャーはありました。ただ、振り返ってみると、ひと皮むけたというか、前進できた実感もあり、楽しかったです。
「イテテの法則」をご存じですか? 体を前屈するとき、初めは床に手が届かなくても、続けていくうちに届くようになります。「イテテ」と痛いところに負荷をかけることで、少しずつ床に手が届くようになる。つまり、「やったことがありません」、「できません」という「イテテ」の位置を乗り越えて初めて、仕事ができるようになるのですね。私も、30歳代前半までは「イテテ」のことばかりでたいへんでしたが、仕事は充実していておもしろかったです。

競合調査の極意

―日本酒のお店を開店するに際して、競合調査は行いましたか。

そうですね。初めは酒屋をやりたかったため、角打ち(編集部注:酒屋の店内で、その酒屋で買った酒を飲むこと。または、それができる酒屋)などによく行きました。その後、調査を進めるうちに、酒屋は既存の店舗が強く参入障壁が高いことがわかってきて、「それであれば飲食店をやろう」と考え、日本酒のお店を開店しました。

―競合調査を行ううえで重要な視点を教えてください。

その当時は意識していませんでしたが、可視化することが重要だと考えています。具体的には、どこが優れていて、どこが負けているのかという視点や、どのようなサービスがあって、どのようなサービスがないのかを可視化することです。
また、他業態に目を向けることも必要です。同業態だけを競合と考えがちですが、実際はコンビニなど他業態のお店に顧客を取られている可能性もあります。飲食店の場合、もし隣の酒屋が角打ちを提供しているのであれば、その酒屋とも競合している可能性があります。

日本酒業界の展望

―山崎さんは、今後の日本酒業界の展望をどのように見ていらっしゃいますか。

正直なところ、国内では需要を伸ばせないと考えています。いま、日本酒はブームになっていますが、いつまで続くかは不透明な部分があります。
たとえば、以前に焼酎ブームが起こりましたが、現在は苦戦していますし、日本酒も今後、苦戦する可能性があります。それを見越して海外に展開する蔵も増えてきましたが、海外展開は1つの打開策だと考えています。

―次回は、中小企業診断士としての現在の活動や、二足のわらじを履くことのメリットなどを伺います。

(つづく)

【お役立ち情報】

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プロフィール

山崎 泰央(やまざき やすお)
東京・神田にて「日本酒セルフ飲み放題 美味しい日本酒nomel」を経営し、定期的にイベントも開催。中小企業診断士としては、企業研修や人材アセスメントなど多方面で活躍している。コンサルタントとして、食品・外食・店舗ビジネスに関する多店舗展開支援、フランチャイズ本部構築支援、販路開拓・営業支援、店舗ビジネス経営支援を手がけるほか、中小企業基盤整備機構人材支援アドバイザーとして、「ちょこっとゼミナール」などにも企画立案・講師として参画している。