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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

最前線で活躍する中小企業診断士が語る「私の3か条」(3)井上 岳久さん

取材・文:神田 憲司(中小企業診断士)水田 昌志(中小企業診断士)

【第2回】広報の専門家育成への思い

2018年9月4日(取材日:2018年7月11日)

本シリーズでは、最前線で活躍する3名の中小企業診断士の方に、試行錯誤の末にたどり着いた中小企業診断士としての信条やルールを伺います。
今回も引き続き、マーケティングPRに特化した日本では数少ないコンサルタントとして、またカレー研究の第一人者としても知られる井上岳久さんにお話を伺い、「中小企業診断士として仕事をするうえでの3か条」を教えていただきました。

「私の3か条」

――中小企業診断士として仕事をするうえでの、信条やルールを教えてください。

私が中小企業診断士として大切にしている信条は、次の3つです。

  • 稼ぐスキルを磨く
  • 学収合一
  • ダメもと精神

頭と口と手を鍛え抜く

――1つ目の「稼ぐスキルを磨く」とは、どのようなことでしょうか。

これは、コンサルティングに必要な3つのスキルを高めることです。頭は「考える」、口は「話す」、手は「書く」です。
まずは頭ですが、これはオリジナルの理論やノウハウを自らが編み出すことです。たとえば、従来にはない分野の独自ノウハウや独自のコンサルティング手法などです。
私は広報の専門家として活動していますが、マーケティングPRの手法は自らが考え、日々ブラッシュアップしてノウハウ化したものです。誰かの理論の焼き直しではいけません。
次に口ですが、これは講演や研修、プレゼン力など話すテクニックを高めることです。基本スキルを身に付けたうえで、練習と実践を繰り返すことが大切です。
最後に手ですが、これは文章力を高めることです。書くことを生業としているライターレベルにまで文章力を高めることです。私は、この3つの稼ぐスキルを、常に自分の中で磨くことを心がけています。

お金をもらいながらノウハウや知識を得る

――では、「学収合一」とは、どのようなことでしょうか。

「学収合一」とは、私が好きな言葉である「知行合一」から作った言葉で、お金を払って学ぶのではなく、お金をもらって学ぶ――まさに「学びながら収入を得る」ということです。
たとえば、私がカレーの専門家として名店と言われるお店に行き、「味のポイントを教えてください」と言っても、おそらく教えていただけないと思います。しかし、雑誌の取材で行ったならば、味のポイントばかりかカレーの作り方やノウハウまでも教えていただける場合があります。つまり、取材でお金をいただき、さらに取材で学びをいただくということです。

コンサルタントは自分を売り込む営業力が重要

――最後に、「ダメもと精神」について詳しく教えてください。

私は、常に「ダメでもともと」と自分に言い聞かせてチャレンジをしています。
コンサルタントは、最終的には営業力が命だと私は思っています。オリジナルの理論を構築したら、講演や執筆などで自ら発信することが重要です。私は、商工会議所や出版社に一生懸命に自分を売り込み、講演の仕事の獲得や書籍の出版を実現してきました。
成功する見込みがないと思うようなことでも、チャレンジを続けていると、何回かに1回はうまくいくことがあります。そこから後々、大きな花が開くことも経験しました。営業力に自信がなくても、チャンスを掴むためには失敗を恐れず、「ダメもと精神」で常に勇気をもって立ち向かい、チャレンジすることが重要です。

広報の専門家を育成したい

――最後に、今後の目標をお聞かせください。

広報の後進を育成したいと思います。広告メディアが多様化した現在では、広告で期待どおりの効果を上げることが難しくなっており、「広報部を革新したい」、「広報部を立ち上げたい」など広報に対する関心が高まってきています。しかし、私一人ではコンサルティングを受けきれない状況ですので、広報の専門家を育成し、より多くの企業の支援を行いたいと思っています。

(おわり)

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プロフィール

井上 岳久(いのうえ たかひさ)

井上戦略PRコンサルティング事務所代表、株式会社カレー総合研究所代表取締役。1968年生まれ。慶應義塾大学、法政大学卒業。商社などに勤務後、2002年横濱カレーミュージアム・プロデューサーに就任。入館者数減少に悩む同館を独自のマーケティング手法によって、わずか1年で復活に導く。2006年同館プロデューサーを退任後、現職。