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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

最前線で活躍する中小企業診断士が語る「私の3か条」(1)松林 栄一さん

取材・文:神原 哲也(中小企業診断士)前村 知夏

【第2回】「自分も周りも幸せにする」仕事の心得

2018年6月19日(取材日:2018年4月28日)

本シリーズでは、最前線で活躍する3名の中小企業診断士の方に、試行錯誤の末にたどり着いた中小企業診断士としての信条やルールを伺っています。
今回も引き続き、紆余曲折を経て、「自分も周りも幸せにしたい」という強い思いを抱くことになった松林さんに、「中小企業診断士として仕事をするうえでの3か条」を教えていただきました。

「私の3か条」

―中小企業診断士として仕事をするうえで、大切にしていることを教えてください。

基本姿勢、スキルアップ、仕事のそれぞれで大切にしていることがあります。 今回は、仕事における心得をお話しします。自分も周りも幸せになるために心がけていることは、次の3つです。

  • 自分と合わない人とは仕事をしない(何をやるかも大切だが、誰とやるかも大切)
  • 目的とスタンスをはっきりとさせてから支援を始める
  • 人の話をよく聴く

課題を達成できるように、一緒に仕事をする相手を選ぶ

―1つ目の「自分と合わない人とは仕事をしない」とは、どのようなことでしょうか。

仕事は何をやるかも大切ですが、もっと大切なのは誰とやるかだと思っています。経営者の中には、不平不満を聞いてほしいだけで、やるべき宿題をやろうとしない方もいらっしゃいます。そうなると、専門家が経営者に解決策を提案することになりますが、経営者本人は解決策にコミットメントしていませんので、問題は解決できず、課題も達成できません。これでは、お互いに幸せになりません。

「計画を作るのも決めるのも社長です」と相手に伝える

―次に、「目的とスタンスをはっきりとさせてから支援を始める」についても、具体的に教えてください。

一緒に仕事をすると決めてから最初にやるべきことは、たとえば、銀行の依頼を受けてある会社の経営改善に取り組むとしたら、「銀行の要求水準まで改善し、納得して取引を継続してもらうことを当面のゴールにしましょう。そのために、経営計画を自分で作るなどの宿題も出しますので、やってください」と経営者に伝えることです。「私は、アドバイスはしますが、計画を作ったり決めたりするのは社長です」ということを納得していただかないと、支援の仕事は前に進みません。

「押し付けられ感」が出ないように、相手の話をよく聴く

―最後に、「人の話をよく聴く」についてお聞かせください。

専門家による経営支援をめぐり、経営者のクレームで一番多いのは、「ちゃんと話を聴いてもらえなかった」ということです。専門家が自分の専門分野で無理やり問題を解決しようとしたり、自分の体験に基づく先入観で問題を片付けようとしたりすると、経営者は「自分の話を聴いてくれなかった」と感じてしまい、クレームになります。

このように押し付けられた感じがあれば、経営者はその解決策に取り組みませんので、問題も解決しません。私は、先入観をもたずに経営者の話にしっかりと向き合い、幅広い選択肢を考えながら支援することを心がけています。

障害者の活躍の場を作っていきたい

―中小企業診断士になって8年が経ち、順調そのもののように見えますが、これからのビジョンをお聞かせください。

私には、中学3年生と1年生の娘がおり、下の娘は知的障害者です。知的障害者は、まだまだ仕事に就きにくいのが現状です。ですから、障害者が活躍していけるような場を作っていきたいと思っています。現在は、そのことにコンサルタントとして取り組むのか、事業家として実現させるのかなどについて、具体的に検討しているところです。

(おわり)

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プロフィール

松林 栄一(まつばやし えいいち)

1964年青森県生まれ。1983年青森県立八戸高校卒業、1988年早稲田大学法学部卒業、同年横浜地方裁判所入所。1990年受験予備校に入社。2009年中小企業診断士登録。2010年に受験予備校を退職し、個人事務所OfficeMCCを開業。