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書を持って、会いに行こう(3) 山口 亨さん

取材・文:野見山 真成(中小企業診断士)

【第1回】使命は「難しいことを簡単に置き換え、わかりやすく説明する」

2017年4月25日更新(取材日:2017年2月20日)

書籍を執筆された中小企業診断士に会いに行き、お話を伺う「書を持って、会いに行こう」。
今回会いに行ったのは、2冊の単著『ガンダムに学ぶ経営学――宇宙世紀に学ぶマネジメント・ケーススタディ(以下、ガンダム本)』、『ドラクエができれば経営がわかる(以下、ドラクエ本)』(いずれも同友館)を執筆された山口亨さんです。1回目は、書籍を出版するまでの経緯や、どのように構想を書籍化したかについて伺いました。

書籍出版のきっかけは東京プロコン塾

―2冊の書籍はいつ出版されたのですか?

ガンダム本については2010年、独立して2年目に、ドラクエ本はその2年後の2012年に出版しました。

―独立されてかなり早いタイミングで、1冊目のガンダム本を出版されていますね。

独立の前年、私は東京都中小企業診断士協会の東京プロコン塾に2期生として参加していました。東京プロコン塾では、受講生が自身で調べた内容を発表する機会が多く用意されています。そこで私は、「ガンダムに学ぶ経営学」というテーマで発表しました。それに対し、「発表内容をまとめたら書籍になるのではないか」と前向きな意見をもらったんです。そんな中、同期の仲間が出版社とつながりがあり、「出版社を紹介しますよ」と実際に担当者を紹介してくれたのがきっかけで、話が進みました。

―なぜ、「ガンダムに学ぶ経営学」を発表テーマとされたのでしょうか?

実は、当初はガンダムを特に絡めず、ランチェスター戦略等について発表をしました。東京プロコン塾には、「愛のメッセージ」といって厳しく発表者へフィードバックする文化があるのですが、ベテランの先生から「書籍に書かれていることを言っているだけ」と厳しく指摘されてしまったのです。そこで、これは切り口を変えないといけないと思いました。

―そこで発想を変えたのですね。

ベテランの先生たちからのツッコミが少なそうな分野で経営について話せないだろうかと考えていたときに、TVでガンダムが流れているのを見たんです。調べてみると、ガンダムは経済学などさまざまな分野で書籍になっており、「これは形になる」と思ったのがガンダムを選んだ理由ですね。

―2冊目のドラクエ本もそうですが、アニメやゲーム等と絡めるテーマ設定に興味をひかれます。

やはり皆さんの興味がある内容にすることは重要です。誰も読みたくないようなものは取り扱ってもらえませんし。当時、『下町ロケット』や『もしドラ』等、経営に絡めたストーリー形式がヒットしていたので、ドラクエ本もその形式で書きました。市場に受け入れられるかどうかのマーケティング目線が必要ですね。

「入口が難しい」というハードルを下げたい

―2冊の書籍のコンセプトを教えてください。

「難しいことを身近なものに置き換え、わかりやすく説明すること」がコンセプトです。ターゲットの読者層は、若い中小企業の経営者や、これから管理職としてマネジメントを学ぶ必要がある、当時の自分と同じくらいの年代(30代後半)の方としました。

―なぜ、このコンセプトに至ったのですか?

私自身が、難しいことをそのまま理解することが得意ではなかったからですね。普段接する経営者の方にも、難しいことを勉強するのは好きではないという方はいらっしゃいますので、わかりやすく説明することは大事だと考えています。たとえば、ガンダムの名シーンで「二度もぶった...親父にも殴られたことないのに!」とアムロがブライトに殴られるシーンがありますが、あの場面については、経営でいうとモチベーション管理の部分だと紐づけながら、構成を考えました。
一度理解してしまえば、難しいと思ったこともそれほど難しくはなくて、知れば知るほど面白いと思います。経営の話もそうですよね。入口が難しいから、面白いと感じられない人もいますので、そのハードルをうまく下げてあげたいんです。

(つづく)

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プロフィール

山口 亨(やまぐち すすむ)
愛知県一宮市出身。中小企業診断士。システム開発会社でネットワーク管理者、プログラマ、SEと技術現場を経験し、外資系企業でITマネジャーとして日本法人のIT化全般をマネジメント。2009年4月に独立し、現在は東京商工会議所を中心に、中小企業の改善現場で活躍。経営者の思いを事業計画書という形にすることを得意とする。