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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

製造業の最前線で活躍する中小企業診断士 古澤 智さん

取材・文:岩本 英二(中小企業診断士)伊藤 隆光(中小企業診断士)

【第1回】製造業の研究開発から経営コンサルタントに

2016年8月2日更新(取材日:2016年5月10日)

中小企業診断士の中で、製造業を中心に、現場にまで精通して活動している人はそれほど多くありません。その中でも若くしてご活躍されている古澤智さんに、製造業支援の面白さやご自身のキャリアの積み方についてお話をうかがいました。

計画書と現場、2つのコンサルティング

―製造業の企業に対してどのような支援をされているかを教えてください。

大きく分けると、事業計画書などの書類を作成する場合と、現場に入って支援をする場合があります。書類を作成する場合については、事業計画書はもちろんのこと、第二創業とも呼ばれている経営革新計画や補助金申請に必要な経営計画の策定を行っています。計画書の策定は中小企業診断士であれば誰もが通る道ですし、私自身も取り組んだ実績は数多くあります。私の場合は製造業の現場にいた経験がありますので、現場に入るコンサルティングのほうが特徴を出せると感じています。たとえば5Sの指導などにおいては、まず社内研修で「5Sとは何か」から始め、現場に深く入って、「ああでもない、こうでもない」と職人さんと意見や考えをすり合わせながら進めています。

―中小企業診断士のほかに、社会保険労務士の資格も取得されていますね。

実は中小企業診断士よりも先に社会保険労務士の資格を取得しています。製造業の出身ということもあり、労働基準法に馴染みがありましたし、コンサルティングを行うという視点から考えても有益だと考えていました。そしていまでも、人事的な内容は多いですね。特に育成に関してはよく相談を受けています。全体的なコンサルティングの最初の入口として、まずは人事的な話からということも少なくありませんし、2つの資格のシナジーを発揮することができています。

古澤 智さん

寄り添ってサポートする仕事がしたかった

―中小企業診断士を目指されたきっかけを教えてください。

中小企業診断士の資格を取得しようと思ったのは27~28歳の頃でした。当時は、理工系の大学を卒業後に大手メーカーに就職し、エアコンの製造と設計を行っていました。もともとものづくりは好きだったのですが、設計の仕事をしている間に「自分に設計は向いていないのではないか」という疑問を持つようになりました。設計の仕事は、実験やその後の修正など黙々と試作品と向き合う時間が多かったため、もっと多くの人と接する仕事をしたいと感じるようになっていました。製造業から少し距離を置きたいという気持ちもありましたが、漠然と誰かをサポートするような仕事がしたいと思っていたのです。ちょうどその頃に中小企業診断士の存在を知り、資格を取得したいと思うようになりました。

―資格を取得後、すぐに独立されたのでしょうか。

独立したのは、最初の会社を退職してしばらく経ってからです。中小企業診断士の資格を意識し始めた頃に、大きいプロジェクトの主要メンバーになる可能性が浮上して、「いまのタイミングで退社しないと2~3年は辞められない」という状況になってしまい、そのタイミングで最初に勤務していた会社を退職しました。その後、(公財)神奈川産業振興センターに4年勤務してから独立しました。(公財)神奈川産業振興センターはすでに退職しているのですが、実は現在も、年間で決まった日数だけマネージャーとして勤務しています。ここでは、企業の新規事業に関する相談を中心に行っています。先ほど申し上げた経営革新計画の策定支援などもこれに該当します。勤務した当初は、企業からの相談内容をメイン担当者のマネージャーにつなぐ仕事から、実際に企業を訪問してやりとりをするなど、現場のコンサルティングに近い体験ができたと思っています。いまはマネージャーとして、企業のメイン担当者としての実務を行っていますが、改めて振り返ってみると、このときの経験や人脈が自分の礎になっていると感じています。

(つづく)

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プロフィール

古澤 智さん

古澤 智(ふるさわ さとし)
1974年生まれ。大学卒業後、(株)日立製作所で電気基板・制御の開発設計業務に従事。その後(公財)神奈川産業振興センターを経て、経営コンサルタントとして独立開業。2014年に合同会社FRSコンサルティングを設立。