経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

診断士×社会活動 信州アルプス大学学長 中村 剣さん

文:福島 正人(中小企業診断士)

【第3回】中小企業診断士資格を取ると世界が変わる

2016年5月6日更新(取材日:2016年3月11日)

中小企業診断士試験に合格し、地域での活動を加速していった中村剣さん。いよいよ、ソーシャル系市民大学「信州アルプス大学」を立ち上げます。

いままでと違う新しい活動が始まる

―そして、いよいよ2016年1月に大学を開校します。信州アルプス大学という名称は、どのように決めたのでしょうか。

実は最初は、塩尻市の「えんぱーく」という施設が活動拠点でしたので、「塩尻えんぱーく大学」という名称を考えていました。しかし、この名称では場所が限定されてしまい、発展性がないことに気づきました。そこで、メンバーでアイデア出しをする中で出てきたのが、信州アルプス大学という名称です。ニュートラルな名前ですし、長野県を網羅できるようなネーミングです。略称も「プス大」とかわいい響きです(笑)。

―名前のアイデアを出し合ったのですね。

長野県は大きいため、それぞれの地域でセミナーなどを開催する活動が存在しますが、市民大学という形で活動しているところは少ない。そこで、信州アルプス大学という名称で塩尻市でスタートし、各地域にのれん分けをしようと。たとえば南のほうなら、飯田キャンパス(長野県飯田市)があってもいい。信州アルプス大学という名称のもと、マルチキャンパス方式で活動を広げていきたいと考えました。

―そして、いよいよ開校ですね。

FMまつもと 収録風景
FMまつもと 収録風景

2016年1月16日に、信州アルプス大学を開校しました。開校時点で約160人が学生登録をし、開校式にも60人くらいに集まっていただきました。たくさんの方に集まっていただくために、広報活動も頑張りました。開校前に説明会を開いたり、地元のラジオに出演したり、地元の新聞に記事を掲載してもらったりしました。その結果、「いままでと違う新しい活動が始まる!」と、皆さんに期待してもらえたのかもしれません。

周りの商店にも人が行くようにしたい

―どのような人が学生登録をしているのですか。

年齢層は40歳代が一番多く、30・50歳代も多い。男女比は、ほぼ半々くらいです。お住まいは、塩尻市と松本市が多いのですが、長野県外の人も8%います。「子どもが長野県にいるから」と言って、県外から学生登録してくれた人もいました。

―きちんと学生データも集めているのですね。

データ取得には、かなり配慮しています。「住所を入力するのは抵抗がある」という人もいるため、郵便番号だけ入力してもらうようにしました。それによって、ロケーションがある程度わかるわけです。年齢も、「生年月日を入力するのは抵抗がある」という人がいるため、生年だけを聞くようにしました。

データを取得して学生の属性がわかれば、今後どのように事業を進めていくかを検討しやすくなります。中小企業診断士のマーケティング的な発想ですね。

学生データのグラフ

―今後の信州アルプス大学については、どのようにお考えですか。

1月にスタートしたばかりで、現在は「ビジネス学部」と「じもと学部」の2つを用意しています。当面は毎月第3土曜日の午後に、各種講座を開いていく予定です。地元のことを知る「じもと学部」も大切ですが、個人的にはビジネス系の「ビジネス学部」にも力を入れていきたいと思っています。たとえば創業支援です。信州アルプス大学の枠を使って、創業支援をやりたい。

それから、地域企業との連携です。活動拠点である「えんぱーく」には図書館もあり、年間7万人くらいが訪れますが、建物の周りにある商店にまでは人が回遊していかない。周りの商店にも人が行くようにしたいというのが、地域の課題でした。

そこで、学食制度を作ることにしました。学生証を持っていくと、割引サービスが受けられるもので、まずは4店舗でスタートしました。会員に授業の案内をメールするときに、お店の案内も掲載します。登録した学生にも地元の商店にもメリットがあるわけです。

得意な土俵を見つけていく

―昨年からは、独立診断士として活動しているそうですね。

はい。昨年春に、会社を辞めて独立しました。長野県の先輩中小企業診断士から声をかけてもらって、長野県よろず支援拠点のサブコーディネーターの仕事もしています。独立した当初は、仕事や収入にどうしても不安がありますので、よろず支援拠点の仕事を紹介してもらったのはとてもありがたかったです。

この仕事を始めてからまだ1年もたっていませんが、80社くらいの県内企業を回りました。長野県内には、魅力的な会社がいっぱいあります。いろいろな会社さんを回って経営課題の相談に乗ることで、私自身の中小企業診断士としての経験値も上がりました。

―最後に、「中小企業診断士の広場」読者へのメッセージをお願いします。

中小企業診断士の資格を取ると世界が変わるのは確かだと思います。しかし、世界が変わるためには、資格を取っただけでは足りなくて、自分で動くことが必要です。待っていてはダメで、資格を取ったら動け!です。地方にいても資格を取ることで、地域の企業や中小企業診断士とのネットワークができますし、東京などの中小企業診断士とも交流することができます。

特に新人の場合は、自分の土俵を見つけるといい。人と同じ土俵で戦っても、優秀な先輩中小企業診断士と同じ土俵で戦うのではなかなかうまくはいきませんので、それぞれの中小企業診断士が得意な土俵を見つけていくことが大切です。私の場合は、社会活動×診断士で活動していきたいと思っています。

信州アルプス大学 開校式
信州アルプス大学 開校式

(おわり)

【お役立ち情報】

【関連情報】

プロフィール

中村 剣さん

中村 剣(なかむら けん)
1967年生まれ。西日本銀行・セイコーエプソン勤務を経て、2015年に ちえてらすコンサルティングを創業。2016年1月に信州アルプス大学を立ち上げ、学長に就任。