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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

再生支援の現場で活躍する診断士 寺嶋直史さん

文:伊藤 隆光(中小企業診断士)岩本 英二(中小企業診断士)

【第3回】自立のための(コンサルタントを必要としなくなる)仕組みづくり

取材日:2016年1月27日

最終回の今回は、寺嶋さんの事業再生にかける思いと、中小企業診断士と事業再生の関わり方についてお聞きします。

零細な中小企業に質の良いコンサルティングを提供したい

-一般的に事業デューデリジェンス(以下、事業DD)は中小企業診断士が作成している場合が多いのですか?

実は、中小企業診断士以外の士業や、大手コンサルファームが実施しているケースが多いのが現状です。背景には、金融機関や中小企業再生支援協議会からの、中小企業診断士の作成した事業DDに対する評価があまり高くないという実情があります。ただ、誰が作成した事業DDであっても、実際に企業が再生に向けて行動できるものでなくてはなりません。

数値面の分析のみで要因分析が欠如したもの、分析止まりで具体性が欠如したもの、提案があるべき論や現場に直結していないものなどでは、企業はどうやって改善活動に取り組んでいいのかわかりません。そのためには、我々診断士が、もっとレベルアップする必要があります。そこで、先ほど中小企業診断士の評価が高くないという話をしましたが、今年は中小企業診断士に関する新しい動きを考えています。

-具体的にはどのような取り組みを考えているのでしょうか。


「経営コンサルタント養成塾」という名前のマスターコースを(一社)東京都中小企業診断士協会中央支部で立ち上げます。基本的には、現場のノウハウを提供しつつ、私が実務で使っているフォーマットをすべて提供して、疑似的に実務を体験してもらいます。そうすることで、受講者は即座に現場支援の手法を再現できるようになります。特に零細企業に対しては、高品質なコンサルティングを安く提供する必要があり、それを実現するのは、大手コンサルファームではなく、個人の中小企業診断士しかいないと思います。

ただ現在は、現場のノウハウをしっかりと学べる場所がありません。そこで、本コースを開催し、中小零細企業向けに高度な経営コンサルティングができる中小企業診断士をたくさん送り出したいと思っています。そして将来、近所に気軽に相談できる診療所があるように、全国各地の中小零細企業が、適正料金で、気軽に、安心して、高品質の経営コンサルティングが受けられる体制ができたらいいなぁと思っています。

コンサルタントは常にインプットを続けなければならない

-中小企業診断士として独立して仕事をしていく上で重要なことはどのようなことでしょうか。

まず1つ目は、しっかりと生計を立てていけるだけの仕事があることだと思います。私の場合は、事業パートナーから一定の仕事を受注できる見込みがあったので独立しました。もちろん、年収は大幅ダウンで、サラリーマン時代の3分の1にまで減少しましたが、生活する上では問題ありませんでした。

その次に重要なことは、常に自分の価値を高め続けるということです。独立する時に事業パートナーと組んで仕事をしたと話しましたが、安定的に仕事を受注できるため、営業活動が不要になり、勉強時間が確保できます。実際に独立後の5年間は、修行僧のように睡眠時間を削って勉強し、自身のスキルアップに努めました。

中小零細企業はお金がありません。ですから、できるだけ1人のコンサルタントがより多くの支援をする必要があります。そういう意味で、我々診断士が常に勉強を続け、ノウハウを蓄積していくことは非常に重要だと感じています。

-今後のご自身の展開はどのように考えていますか。

売上アップに関することも全般的にサポートしたいと思っています。売上アップの手法は、営業、販促、マーケティング、そしてブランディングがあります。しかし今は、それぞれの専門家が別々に存在してしまっています。たとえば、営業の専門家は販促のことを知りません。つまり、営業コンサルは、チラシ等の販促ツールの作り方を知りません。営業活動とツールはセットであり、売上アップには双方について支援しなければならないのに、現在は、営業と販促の双方を支援できる人材がいないのです。

さらに、その販促ツールに、マーケティングとブランディングの要素を組み込み、営業・販促の日々の活動を設計することで、「売れ続ける仕組み」が構築でき、最小限の労力で最大限の効果を上げることができます。私は、そのノウハウを仕組み化してきたので、中小企業の支援のために活用していきたいです。

(おわり)

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