経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

銀行員からプロ経営者へ マークテック株式会社 代表取締役社長 西本 圭吾さん

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第3回】プロ経営者への道

取材日:2015年12月10日

マークテック株式会社取締役として、資金調達方法の見直し、業務の“見える化”を行った西本さん。会社のグローバル展開にも取り組みます。

工場用地が取得できない……

―海外での活動も強化されてきたそうですね。

はい。非破壊検査事業も印字・マーキング装置事業も国内シェアは相応にあり、それを海外で展開していこうと取り組みました。活用したのは、中小企業基盤整備機構の専門家派遣事業です。中小企業診断士の学習で「そんな支援制度があったな」と記憶していましたので、インターネットで調べて申し込んでみたのです。

支援いただいたテーマは、「グローバル展開における製品競争力強化のための設計・製造・調達方式の見直し改善プロジェクト」です。毎月2回、合計24回専門家の方に来ていただきました。

まずは業務フローを整理し、それを海外でどのように展開するかを検討していく。中国・韓国・タイの各エリアで、標準化図面で製作できる体制を作っていきます。さらに中国での事業展開の検討です。売上計画の作成・人材育成計画の検討・外注先の選定・低コスト実現・リーダタイム短縮などについてアドバイスをいただきました。

―なるほど。中小企業支援策を活用して、海外展開につなげていったのですね。

タイに工場を作った時も中小企業基盤整備機構の支援を受けました。8,000平方メートルくらいの工場用地を購入する話が進んでいたのですが、購入直前になって地主から「土地を売れなくなった」と言われてしまったのです。調べてみると借金があり、土地が差し押さえられてしまったようです。投資計画を立てて銀行から資金調達をしていた状態でしたので大変困りました。

代わりの工業用地を至急探さなければいけなくなり、中小企業基盤整備機構に相談したところタイにいるアドバイザーをご紹介いただき、一緒にタイの工業団地を回って代替地を見つけることができました。

―海外の問題でも、中小企業基盤整備機構の支援が役立つわけですね。

中国で模造品問題が起きた時も中小企業基盤整備機構に相談に行きました。中国の企業との合弁契約を解消したのですが、合弁解消後も当社の商標を勝手に使われて困っていました。その相談です。中小企業基盤整備機構は豊富な事例を持っていますし、専門家からも適切なアドバイスを受けることができ、解決につながりました。

―現在も、何か支援策を活用されているのですか。

J-GoodTech(ジェグテック=中小企業基盤整備機構が運営するマッチングサイト)に登録していて、ビジネスマッチングの話をいただくことがあります。これまでインドネシアやタイの企業とのビジネスマッチングの話をいただきました。

「J-GoodTech(ジェグテック)」に掲載のマークテックのページ

「J-GoodTech(ジェグテック)」に掲載のマークテックのページ

プロ経営者になるには

―2015年5月に、マークテック代表取締役に就任されたそうですね。おめでとうございます。西本さんのようなプロ経営者とオーナー経営者ではどのような違いがあるのでしょうか。

一般的な起業家・オーナー経営者は、0(ゼロ)から企業を作っていくような役割です。一方、プロ経営者はある程度会社が出来上がっているところから、違うステージに引き上げる役割を持っています。伸びている企業を株式公開していくとか、高齢化しているオーナーの事業を引き継いでいくとか、事業再生分野でプロ経営者が求められることもあります。

―プロ経営者になるにはどうすればよいのでしょうか。

プロ経営者になりたい人は、中小企業診断士の勉強をすることで基礎作りができます。中小企業診断士の勉強には、経営者目線で物事を考えるのに必要なエッセンスが入っています。国内版MBAと言われている資格ですから、プロの経営者になりたい人にも役立ちます。

プロ経営者になるには経験も必要です。プロコンサルタントであれば参謀的な立場で企業経営に関わるところから始めると良いと思います。また、企業内診断士であっても経営企画や財務部門にいればマネジメントの経験を積むことができると思います。
日本では、まだプロ経営者が少ない。ニーズはすごくありますし、もっとプロ経営者を増やしていくべきだと思います。

―どうもありがとうございました。

(おわり)

【お役立ち情報】

【関連情報】

西本 圭吾(にしもと けいご)
1968年生まれ。1990年慶應義塾大学法学部卒業後、三井信託銀行に入社。国内外の事業会社向け融資業務に従事する。ソフトバンクグループ等を経て、2010年マークテック(株)取締役に就任。2015年マークテック(株)代表取締役社長就任。