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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

(株)ヒューマン・リスペクト代表取締役社長 塚原美樹さん

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第2回】ビジネスの世界って面白い!――シャンソン歌手から中小企業診断士へ

取材日:2014年7月11日

劇団四季に入社した塚原さんは、団体営業や予約の仕事を行いながら、シャンソン歌手としての道を歩み始めます。第2回は、シャンソン歌手時代~中小企業診断士資格取得までを取り上げます。

プロとしての心構え

― もともとシャンソンが好きだったのですか。

塚原美樹さん
主催するセミナーにて

シャンソンとの出会いは、大学時代に銀巴里(ぎんパリ)に行ったのがきっかけです。美輪明宏さんが歌っていたシャンソンの喫茶店で、友人が連れて行ってくれました。もともと歌は好きだったのですが、シャンソンの深い歌詞にとても惹かれました。

そして、大学を卒業して劇団四季に入社後、本格的にシャンソンのレッスンを受けるようになりました。劇団四季の先輩にシャンソンの先生を紹介してもらい、たくさんのことを教わりました。

― レッスンでは、具体的にどのようなことを教わるのですか。

プロのシャンソン歌手になるためのレッスンなので、ただの歌の稽古ではありません。たとえば、「どのような気持ちで歌うか?」ということ。「戦争に行くような気持ちでステージに立ちなさい」と言われるなど、プロの世界の厳しさを学びました。

23歳からは、プロのシャンソン歌手として人前で歌うようになりました。銀座や六本木のお店で歌ったほか、山本リンダさんや佐々木功さんといった有名歌手の方とも舞台で共演させていただきました。また、自分で企画してリサイタルを開催したりもしましたね。シャンソン歌手としての経験は、人前で話す仕事をするようになったいまでもとても役立っています。

― お客様の前で歌うのは、緊張しませんでしたか。

最初は緊張しましたが、オリコンを創業した小池聰行さんの本を読んで変わりました。小池さんはたくさんのスターを見てきているので、売れる人と売れない人を見分けることができます。歌が上手いか下手かは関係ない。大事なのは、宇宙から気を取り入れてそれを出すというイメージで、そうすると楽なんです。ちょっとスピリチュアルな感じですが...(笑)。

緊張する人は、自分に意識が向いています。そうすると、体に余計な力が入ってうまくいきません。宇宙から受け取ったものを、自分の体を通してそこに置くようなイメージでいれば、中小企業診断士が人前で話すときにも、きっと役立つと思います。

― たしかに、人前では緊張するという中小企業診断士の方には、役立ちそうですね。

その後、シャンソンの仕事を続けながら、今度は食品機械メーカーに就職しました。最初は社長秘書の仕事でしたが、社長の仕事をそばで見ていて、「ビジネスの世界って面白い!」と感じました。当時は子どもも生まれ、子育て・社長秘書・シャンソン歌手とフル回転で行動していましたね。

2人目の子どもを産んで会社に復帰した後は、経営品質の仕事に携わるようになりました。勤務先の社長が経営品質の話をセミナーで聞き、部下である私を担当者にしたのです。そこで、経営品質の勉強会に行くと、中小企業診断士資格を持っている人たちがいる。「何だろう?」と思って調べたところ、「企業経営に役立つ資格で面白そう」と思ったのが、中小企業診断士資格との出会いです。

リッツ・カールトンに学ぶ

― その後、中小企業診断士試験にストレート合格して、会社を立ち上げたのですね。

2004年9月1日に、(株)ヒューマン・リスペクトを設立しました。今年でちょうど10年になります。「リスペクト」という言葉は、リッツ・カールトンからヒントをもらったんです。

ザ・リッツ・カールトン大阪を取り上げたビデオで、最後に日本支社長が話していた内容が、「お客様は紳士・淑女であり、お客様をおもてなしする私どもも紳士・淑女でなくてはならない。私たちは、リッツ・カールトンで働いている人をリスペクトしている」というもので...。「これだ!」と思いましたね。私も人とかかわる会社にしようと思っていたので、「ヒューマン・リスペクト」という会社名にしました。

― 会社を設立して、どのようなことに取り組みましたか。

自社セミナーを開催しました。以前に勤めていた食品機械メーカーでもセミナーをやっていましたし、シャンソン歌手時代もイベントをやっていましたので、イベントが顧客開拓につながることを知っていたんです。

当時の中小企業診断士の世界では、自社セミナーは珍しい取組みでした。「自社セミナーなんて、無理でしょ」と思っていた先輩診断士もいらっしゃったようです。

― たしかに、自分でセミナーを企画して集客する中小企業診断士は、当時はまだ少なかったですね。

企画したのは、パン屋さんを対象にしたオープンセミナーです。会費は3時間7,000円ほどで、東京・新宿に会場を手配して準備を行いました。会社を設立して間もないにもかかわらず、40人ほど参加者が集まり、同期や先輩の中小企業診断士が運営を手伝ってくれました。

― 良いスタートを切れましたね。

結局、独立して約1年で、4件ほど顧問契約をいただきました。以前勤めていた会社やその取引先からもお仕事をいただき、順調なスタートを切ることができました。

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(つづく)

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プロフィール・会社概要

塚原 美樹さん

塚原 美樹(つかはら みき)
上智大学卒業後、ショービジネスのプロデューサーを目指して劇団四季に入社するが、自らの音楽好きが高じて、間もなくシャンソン歌手に転向。第1回アンテルナショナルシャンソンコンクール優勝。読売文化センターなどのカルチャースクールでシャンソン教室講師を務める。2004年に中小企業診断士資格を取得後、(株)ヒューマン・リスペクトを設立。経営者やビジネスマンの「働きがい」に焦点を当てたコンサルティング会社として、組織開発コンサルティング、人材育成コンサルティング、セミナー開催、講演講師派遣などを展開している。
株式会社ヒューマン・リスペクト http://www.human-respect.co.jp