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自身の経験を活かし、後継者が真の経営者になることをお手伝い

大石 幸紀(中小企業診断士)

【第2回】後継者には自身の思いを明確にしてほしい

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

取材日:2014年4月8日

自らも後継者として、事業承継時の親子間の軋轢や社内での失敗などを経験された高橋さん。その後、どのような経緯で中小企業診断士として、後継者支援の道に進まれたのでしょうか。

「コンサルタントとして何が提供できるのか」と向かい合う

― 高橋さんは中小企業診断士として、どのように後継者支援の道に進まれたのでしょうか。

高橋秀仁さん
アシスト2代目を名乗る
高橋秀仁さん

試験に合格して10年になります。中小企業診断士になったばかりの頃は、コンサルタントとしての経験がありませんし、周りにもコンサルタントがいませんでしたので、どのようなことをすればよいのか、まったくわかりませんでした。中小企業診断協会に入会したり、ご縁のあった中小企業診断士の方からのツテをたどっていったりすることから始めました。当然、最初から仕事が来るわけはなく、自分の会社の仕事をしながら、少しだけコンサルティングをするというのが1年目でした。

2年目に、(一社)兵庫県中小企業診断士協会のプロコン育成塾に参加したことが転機になりました。塾で、自分の何をコンサルタントとしてのサービスとするのか、何を商材として提供するのかを練り上げることと向かい合ったのです。そのときに行き着いたのが、自身の生い立ちや経験から、「事業承継」の4文字でした。

親の会社に入社し、経営方針をめぐって感情的になり、もめてしまうようなとき、間に第三者が入って客観的な視点を加えれば、もっとスムーズに事業承継が進むのではないか。あのとき、こうすればよかったという経験を多く持つ自分なら、そんなコンサルティングができるのではないか、という思いに行き着きました。

私は、両親と経営方針でぶつかった際、親が言っていることが正しいのかどうか、経験がないためにわかりませんでした。そして、親の言っていることは、理論よりも行動や精神論が多いようにも感じていました。たしかにそれも大切ですが、それだけで通用する時代ではないのではないかと感じ、どちらが正しいかを判断してくれる相談相手がほしいと思っていたのです。何を学べば真実を得られるのか、教えてほしい。知っていればきっと、無駄な争いを避ける方法がいくつもあったと思います。私は、当時の私が求めていたコンサルタントに、自分自身がなると決めたのです。

― なりたいコンサルタント像が明確になったら、仕事は来るようになりましたか。

コンサルタントとしてのターゲットやコンセプトは決まりましたが、やはり仕事はありませんでした。いまでは、事業承継の支援を掲げる中小企業診断士はいますが、8年前は珍しい存在でした。でも、口では事業承継のコンサルタントと言っても、それが普通のコンサルタントと何が違うのかを、自分でも整理しきれていなかったから、仕事が来るわけがありませんよね。

事業承継コンサルタントの役割

― いまは、その違いが明確になりましたか。

後継者の相談にのる高橋さん
後継者の相談にのる高橋さん

はい。事業承継コンサルタントの役割は、後継者が「会社を引き継ぐ」という決断ができるように、客観視させることです。現在の会社の経営資源のうち、どれを受け取り、どれを受け取らない、という選択ができるように支援することだと思っています。

また事業承継の成功には、後継者の中に、どういう仕事をしたいのか、どういう会社にしたいのか、という思いを確立することが不可欠です。親がやっているから、というやらされ感覚のまま事業承継をしてしまうと、後からしんどくなります。受け継ぐ会社や仕事に、後継者自身の将来像や価値観を見つけることができるか、そこを、メンタル面を含めて支援します。

「こんな仕事はやりたくない」と思いながら承継する後継者がいることも事実です。それでも、いますぐには変えられなくても、やりたいと思える仕事や会社に変えていくための支援が、事業承継コンサルタントの重要な役割だと考えています。

― 後継者自身が思いを明確にすることが大切なのですね。

後継者が「こんな会社にしたい」と思いを固めても、親に納得してもらわなければ、その実現に向かって進むことはできません。次に私が支援するのは、現経営者と後継者が一緒になって事業承継計画を作成することです。後継者の思いに親の意見を反映させながら、事業承継計画を作る支援をするのです。事業承継計画は、どちらか一方の意見だけではうまくいきません。ですから私は、現経営者と後継者の両方にこう宣言しています。「私は、会社のためにコンサルに来ています。後継者のためでもありませんし、現経営者のためでもありません。ただ、会社が良くなれば結果的に、あなた方お2人のためになるでしょう」、と。

【お役立ち情報】

(つづく)

【関連情報】

高橋 秀仁(たかはし しゅうじん)
(株)高橋代表取締役。アシスト2代目代表、事業承継・後継者育成コンサルタント。昭和47(1972)年兵庫県芦屋市生まれ。自らの事業承継時の親子間軋轢や社内外失敗などの苦い経験から、後継者に共通の悩みを知り、後継者ならではの問題や潜在ニーズに合ったコンサルティングを行う。承継後に、後継者が真の経営者になるための総合的な経営支援と後継者育成を実践し、後継者は良い経営者になる「DNA」を必ず持っているという信念の下、多くの後継者を育成、幸せな後継経営者を多数、世の中に輩出している。これまでに300名の後継者と面談し、その悩みを解決してきた。

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