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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

株式会社経営技術研究所代表取締役 藤井春雄さん 自らを磨き続けることで企業の改革・改善に大きく貢献し、中小企業診断士の可能性を示し続ける

文:岩倉 光隆(中小企業診断士)

【第3回】中小企業診断士のフィールドは広がっている

取材日:2013年12月10日

藤井さんは、「一般社団法人農業経営支援センター」代表理事や、異業種交流団体「協同組合TOMA」などで役員を務めながら、事務所に仲間の中小企業診断士を集め、数多くの研究会を開催されています。また、専門のIEによるものづくり現場の改善活動に加え、農業や林業の経営支援など、幅広い業種で経営支援活動も展開されています。今回は、その活動内容を伺いました。

広がる中小企業診断士の可能性

― 藤井さんの具体的な活動についてお聞かせください。

藤井春雄さん

一般社団法人農業経営支援センターで代表理事を務めています。全国の中小企業診断士が現在、106人在籍しており、農業関係の支援を幅広く行っています。

最近では、林業関連の経営支援も手がけ、森林組合の人事管理システムのコンサルティングなども行っています。今後は、漁業分野でもコンサルティングの需要が出てくると思っています。

食品関連では、「愛知・食の安全研究会」を7年ほど前から行っています。20名ほどの中小企業診断士が所属し、食品のISO規格であるISO22000の指導ができる資格育成の勉強会を、東京から講師を呼んで開催し、10名以上の参加者が資格を取得できました。毎月第1土曜日に、主に食品安全に関するテーマで開催しています。

そのほか、TOMAという協同組合の副理事長を務めていますが、所属しているのは、ほとんどが中小企業診断士プラス他の資格者で、約40人います。この中でも、プロコン育成研究会や企業再生研究会、海外事業研究会、人材育成研究会と、毎週火曜日夜を中心に勉強の機会を作り、毎回発表者を決めて進めています。他の資格保有者は弁護士、行政書士、社会保険労務士、弁理士などで、こうした付き合いから仕事が生まれることも多くありますので、異業種の集まりは大切です。

プロコン塾の様子
プロコン塾の様子

また、日本生産管理学会にも所属しています。この学会は大学の先生が多数を占めていますが、私は独立以前からのメンバーで、現在は理事も務めています。この中にも研究会がいくつかあり、IE事例研究会、林業再生研究会、工場管理研究会など数多くの研究会を作り、全国で組織化しています。当社独自のISOの研究会のメンバーは10人ほどで、約16年にわたって3ヵ月に1回、1日かけて定例会を行っています。

診断士は何でもできる

― これだけ多くの活動を並行して続けるのは、大変ではありませんか。

大変は大変ですが、私の事務所で夜に研究会をやると、私は夕方には事務所に戻り、カギを開けなければなりません。ですから、研究会の内容も聞かざるを得なくなります。会場に私の事務所を使いますので、私は絶対にサボれないのです(笑)。

ただこれは、興味のないことでも勉強できるという意味で、本当にありがたいです。ほかの人が勉強して教えてくれることの中には、自分の知らないこともたくさんあります。ですから、新しい仕事の話が来ても、大体は対応できるのだと思います。中小企業診断士は、そのような場所や人を多く持っていることが大切ではないでしょうか。

― これからの中小企業診断士の方向性をどのようにお考えですか。

私たち中小企業診断士は、さまざまなことにチャレンジしていくべきだと思います。私自身は、何でもできる町医者であるべきだと思っています。

企業は今後、人材育成やISO、改善などをもっとやろう、という風潮になってくるでしょう。そのときに、中小企業診断士として常に一歩先の勉強をし、良い情報をどんどん入手して、企業のニーズに対応していかなければなりません。そのためにも勉強が必要ですが、中でも執筆は良い手段だと思います。

― 執筆には、どのような効果があるのでしょうか。

藤井春雄さん

写真の多くは、私たちの仲間で書いた本です。執筆チャンスがあるのは、中小企業診断士にとってすごく良いことだと思います。もちろん、1冊を1人で書くのは大変ですから、仲間がいれば、分け合って書けば早いですし、そのための勉強会などをやるのも良いと思います。1冊の本を書き上げることで、そのテーマについて深く理解できるようになり、知識が知恵に変わってきます。

― 執筆も支援につなげていくことが大切なのですね。

そうです。ですから、若い人が本を書いたり勉強したりして自信がついてきたら、林業や食品など、新しい分野にどんどんチャレンジしてほしいと思います。仕事をしようと思えば、中小企業診断士はどのような分野でも仕事ができると思います。

しかし現実は、残念ながら、とある支援機関の担当者から、「中小企業診断士に仕事を依頼したけれど、あまりできませんでしたね」と言われたことがあります。それは、同じ中小企業診断士として本当に悔しかったですね。

私たちは、もっと実績を示していかなければなりません。そうすれば、支援先の社長が他の会社の社長を紹介してくれるようになってきます。そのためにも、私たちはもっともっと自分を磨いていかなければならないと思います。

(おわり)

【参考ホームページ】

藤井 春雄(ふじい はるお)
中小企業診断士。昭和46年3月、神奈川大学工学部卒業後、大同製鋼(株)[現:大同特殊鋼(株)]入社。生産管理、生産技術改善(IE、VE、QC)、全社システム開発プロジェクト(物流)リーダーを歴任し、平成7年に独立。独立後は、経営改善指導[経営指導、改善、TPS(トヨタ生産方式)、TPM、コストダウン指導]やISOの指導など、多分野での指導と数多くの海外指導実績もある。その他大学講師、講演など手がけるとともに、多数の著書を執筆。代表作に『よくわかる「IE 7つ道具」の本』『よくわかる「ジャスト・イン・タイム」の本』『よくわかる「ポカヨケ」の本』(日刊工業新聞社)などがある。

会社名 株式会社経営技術研究所
設立 1997年2月
所在地 〒464-0075 名古屋市千種区内山3-28-2 KS千種303
ホームページ http://www.keieigijyutu.com/
TEL 052-744-0697
FAX 052-744-0698