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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

株式会社経営技術研究所代表取締役 藤井春雄さん 自らを磨き続けることで企業の改革・改善に大きく貢献し、中小企業診断士の可能性を示し続ける

文:岩倉 光隆(中小企業診断士)

【第2回】稼げるコンサルタントになるために

取材日:2013年12月10日

今回は、藤井さんが中小企業診断士として独立されるまでの経緯と、中小企業診断士が稼げるコンサルタントになるために必要な考え方について伺いました。

独立の経緯

― 藤井さんが中小企業診断士として独立されるまでをお聞かせください。

藤井春雄さん

大学での専門はIEで、入会した研究会は作業研究部でした。大学卒業後は大同特殊鋼(株)に入社しましたが、当時、会社に改善の専門部署はありませんでした。しかし、8年目に私が提案したところ、改善の部署を作ることになって選抜されました。こうして、約2,000人の所属工場に7人の改善専任部署ができました。

私がもっとも専門的に知っているということで、改善専任メンバーの指導も行っていたのですが、その部署にいる頃に中小企業診断士試験を受験し、合格しました。最初は「早く独立しよう」と思っていましたが、会社で良い仕事をさせてもらい、仕事も充実していましたので、独立までに約10年かかりました。独立したのは、48歳のときです。

当時は、ISOの認証取得指導が非常に伸びていて、周りの中小企業診断士の仲間を組織化し、兵庫県で週に3日程度、残りの3日程度は中部地区でISOの指導業務を行いました。もっとも忙しい時期は、月に1日しか事務所に来られないほどでしたが、おかげで収入面は楽でした。

ところが、2000年を超えたあたりからISOの仕事が激減します。当時、ISOの業務を主体にしていたコンサルタントは、そろって大きな打撃を受けていました。その経験から、私が独立診断士に言っているのは、収入の3本柱を持つことです。

講演や執筆、教育指導やコンサルティングも大切です。その中から3本柱を常に意識し、さまざまな分野で幅広く仕事をやっていくと良いと思います。

「知恵創造型」のコンサルタントを目指す

― 中小企業診断士へのメッセージをお願いします。

藤井さんがお持ちの中村天風師の書籍
藤井さんがお持ちの中村天風師の書籍

私たち中小企業診断士は、稼げるコンサルタントにならなければなりません。どうすれば、自分で"値決め"ができるコンサルタントになれるのかを考え、そこを目指していかなければならないと思います。

コンサルタントとして仕事に臨む姿勢はもちろん大切ですが、受け売りの知識を活用するだけではダメで、自分なりの知識や知恵を創造し、「知恵創造型」のコンサルタントを目指していくことが必要だと思っています。

まずは、本に書いてあることを自分流にアレンジし、仕事で使うところから始めます。次にそれを、各会社向けにアレンジしていかなければなりません。「この会社の社長は、細かいことを言ってはダメだから、もっとシンプルに伝えよう」などと、相手や場面によって臨機応変な対応をできることが知恵です。その中で自分が気づき、そして相手に気づいていただきます。

このようにしてさまざまな実績を積むと、口コミが起きて、「この先生は高いかもしれないけれど、ぜひお願いしよう」となってくる。

ですから、それだけの実績と説得力を示さなければならないのです。支援先の会社は、コンサルタントの言葉づかいや質問への回答が適切かも含めて、よく見ています。

私も支援先では、「年齢以外なら何でも答えます」と言っています(笑)。そのくらい、自惚れと自信がないとダメで、「この内容を聞かれたらまずいな」と思ったら、聞かれることを想定して、人の10倍勉強しなければなりません。同様に 研修の場面でも、日頃から仮説を設定し、「この業界の人が研修に来たら、こんな質問をする」と、質問を想定して勉強しておく必要がある。

私は、自分が指導をしているときでも、「指導をしながら、自分が教えてもらっている」と思っています。指導をしていると、自分に足りないものがわかってきます。ですから、私たちは企業に行って教えているつもりが、実際には教えられているのです。

このようなチャンスは、さまざまな場面でよりたくさん持つことが大切だと思います。

― そのほかに大切にされていることはありますか。

自分が信念を持つために、どのような人から学ぶかも重要だと思っています。私は、中村天風師の書籍から学んでいます。

このように、人生の指針となる考え方を身につけていくことも大切です。こうしたことが、心に響く良いアドバイスにつながっていくものと、私は思っています。

(つづく)

【参考ホームページ】

藤井 春雄(ふじい はるお)
中小企業診断士。昭和46年3月、神奈川大学工学部卒業後、大同製鋼(株)[現:大同特殊鋼(株)]入社。生産管理、生産技術改善(IE、VE、QC)、全社システム開発プロジェクト(物流)リーダーを歴任し、平成7年に独立。独立後は、経営改善指導[経営指導、改善、TPS(トヨタ生産方式)、TPM、コストダウン指導]やISOの指導など、多分野での指導と数多くの海外指導実績もある。その他大学講師、講演など手がけるとともに、多数の著書を執筆。代表作に『よくわかる「IE 7つ道具」の本』『よくわかる「ジャスト・イン・タイム」の本』『よくわかる「ポカヨケ」の本』(日刊工業新聞社)などがある。

会社名 株式会社経営技術研究所
設立 1997年2月
所在地 〒464-0075 名古屋市千種区内山3-28-2 KS千種303
ホームページ http://www.keieigijyutu.com/
TEL 052-744-0697
FAX 052-744-0698