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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

経営者とコンサルタントの二足のわらじを履く診断士

文:茂木 君之(中小企業診断士)

【第3回】中小企業支援業界を盛り上げましょう

取材日:2013年9月4日

株式会社コンサラートをスタートした岩岡さん。組織化することで、中小企業に対し、より大きな貢献ができるようになりました。最終回となる今回は、一緒に中小企業支援を行う中小企業診断士へのメッセージをうかがいました。

情報はオープンにし、シェアする

― メンバーと協力関係を築くための工夫を教えてください。

コンサラートBBQ大会
コンサラートBBQ大会にて。
皆で楽しむ様子が伝わってきます

メンバーの席には、パーテーションがありません。コンサラートは、独立診断士のインキュベーションオフィスではなく、メンバーには仲間として働いてもらっているからです。またコンサラートでは、情報を重視しています。「情報を制す者が、ビジネスを制す」と思っています。本やインターネットに載っていない情報が大切なのです。それらを早く入手することで、差別化ができます。

私たちは、組織だからこそ実現できる価値を大切にしていて、作成したテキスト類もメンバー内で共有しています。他人の資料を見ることが勉強になり、組織全体としての品質を高めていく。もちろん、機密保持契約は結んでいますが。

情報をオープンにして、シェアする精神を重視しているんです。オープンにすることで、より大きなはね返りがあることを知ってほしい。ギブすれば、テイクがあるんです。お互いのスケジュールも共有しています。まわりのメンバーのスケジュールを見ると、「自分も頑張ろう、という気持ちになる」と皆、言っています。

― 品質を維持するために、どのようなことに注意していますか。

まず、品質は私が保証します。成果物をチェックして、やり直してもらうこともありますし、何があっても私が最終責任を持ち、品質は落とさないようにしています。

品質を測るうえで大切にしているのは、"相手視点"です。依頼された要求水準を満たすだけでなく、相手の立場になって、「どうしたら満足するか」を考え抜きます。たとえば、お客様がデザイン(見やすさなど)を重視するのであれば、徹底的に見た目にこだわります。

もちろん、メンバーの教育も大切にしています。たとえば、経験の浅いメンバーが講師をする場合は、役員が同行します。良かった点・悪かった点を指摘し、講師力を高めていきます。嫌な雰囲気にならないよう、お酒の席で伝えることが多いですね。個人のコンサルタントですと、誰も注意をしてくれません。たいていの場合、依頼側は笑顔で「ありがとうございました」と言ってくださいますが、満足しなければ、次の依頼はありませんからね。

メンバーを大切にしたい

― 月例ミーティングの参加率は、9割を超えているのですよね。すごいですね。

ミーティングは、参加を義務化してはダメで、しだいに来なくなっていきます。当社では、リアルで実践的、魅力あるミーティングにすることで、参加するように仕向けています。「参加しないと、置いていかれてしまう感覚がある」、そんなミーティングを心がけています。

当社では"サラットミーティング"と呼んでいますが、社名のコンサラートと、「サラッ」と終えて飲みに行こう、を掛けたものです。運営方法は、試行錯誤しながら改善していますが、課題を共有する形式が良いのではないかと、いまは考えています。課題を共有すれば、他のメンバーが課題解決に協力してくれるような形にしていきたいですね。

― メンバーへのフォローが、本当に充実していますね。

コンサラートの経営理念・ビジョン
コンサラートの経営理念・ビジョン
(クリックで拡大)

労は惜しみませんが、甘やかしているわけではありません。「常に仕事の依頼があるわけではない」という緊張感を持ってもらっています。もちろん、失敗することもありますが、手を抜くことは許しません。お互いにプロフェッショナルとして、高い意識で仕事に取り組んでもらっています。

私自身の名前はどうでもよくて、「コンサラート」のブランド力を高めたいんです。そのためには、メンバーからの協力が必須です。ですので、私がメンバーへのフォローを怠ることはできない。最近は「岩岡さん」ではなく、「コンサラートさん」への依頼がほとんどで、本当に嬉しいことです。

コンサラートの経営者として、メンバーを大切にしたいという思いが本当に強いですね。「どのようにすれば、メンバーに満足してもらえる組織になるか」を、常に考えています。これは、良い・悪いの問題ではなく、私の価値観です。「一緒に働いてくれるメンバーと一緒に幸せになりたい」と、心から思っています。

業界を活気づけたい

― 最後に、中小企業診断士の皆さんへメッセージをいただけますか。

将来に疑問を感じたら、それを止めないでほしいと思います。自分の目標に制限をかけないでほしい、ということです。たとえば、「中小企業診断士として独立し、中小企業のために尽くしている。安定した収入もあり、家族を養えている」とします。でも、そこで満足しないでほしいのです。残りの仕事人生を終わらせず、もっと挑戦してほしい。中小企業に挑戦を促すのなら、自分たちも挑戦すべきですよね。

人それぞれの価値観がありますので、押しつける気持ちはまったくありません。ただし、疑問を感じたら制限をかけず、独立を考えている人には、「やりたければ、やったら良い」と言いたいですね。

また、せっかく経営学を学んでいるのですから、経営者を目指す人も多く出てきてほしいです。お互いに切磋琢磨して、ともに中小企業診断士の業界を活気づけていきましょう。

(おわり)

岩岡 博徳(いわおか ひろのり)
株式会社コンサラート代表取締役社長
1973年生まれ。横浜市立大学商学部経営学科卒業、東京都立大学(現・首都大学東京)大学院経営学修士(MBA)。中小企業診断士、ITコーディネータ。半導体商社で経営企画などに従事し、2004年経営コンサルタントとして独立開業。2008年株式会社コンサラートを設立し、代表取締役に就任。経済産業省、農林水産省、厚生労働省、都県に属する行政機関のほか、金融機関などとも積極的に提携し、多くの中小企業支援を行う日々。

会社名 株式会社コンサラート
創業 2004年10月
設立 2008年1月
資本金 1,000万円
社員数 18名(2013年10月現在)
所在地 横浜オフィス:神奈川県横浜市中区尾上町5-80 神奈川中小企業センター3階
渋谷オフィス:東京都渋谷区渋谷3-6-2 エクラート渋谷ビル4階(406号室)
ホームページ http://consulart.jp/
TEL 045-633-5215
FAX 045-633-5216