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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

経営者とコンサルタントの二足のわらじを履く診断士

文:茂木 君之(中小企業診断士)

【第2回】中小企業診断士のプロ集団・株式会社コンサラートを設立

取材日:2013年9月4日

個人事業主として活動を始めた岩岡さん。今回は、中小企業診断士のプロ集団・株式会社コンサラートを設立するまでの経緯をうかがいました。

独立時には大きな不安を抱えた

― 独立することに不安はありませんでしたか。

コンサラートの仲間たち
コンサラートの仲間たち

当初は、不安で眠れない夜が多かったですね。夜中の3時に目が覚めてしまうんです。胃が痛く、朝がくるのが怖かった。「レールから外れちゃった」というか、「だだっ広い荒野に放り出され、どこへでも行けるけれど、どこにも道がない」ような感覚です。独立した人は、誰もが感じたことがあるのではないでしょうか。

― その不安感を、どのようにしてぬぐっていったのですか。

仕事を増やそうと、自ら動くようにしました。さまざまな場所に顔を出しましたね。公的機関の専門家に登録したり、中小企業大学校時代の同期の仲間に挨拶まわりをしたり。知り合いに知り合いを紹介してもらい、ネットワークを広げていきました。また、あるメーリングリストに登録させてもらい、そこで講師募集のメールがきた際には、3分もせずに返信しました。すると、レスポンスの良さを評価されたのか、講師の仕事をいただくことができて...。そのような感じで、がむしゃらに仕事を増やしていきました。

― 人脈を広げるうえでは、どのような工夫をしていましたか。

退職したときには、か細い人脈しかありませんでしたが、この人脈を大切にして、着実に広げていきました。プロジェクトで公的機関の仕事をしていたときにも、さまざまな場所に顔を出しましたね。「岩岡さん、何か用?」、「いや、用はないです」といった感じです(笑)。当時はタバコを吸っていたので、喫煙室にもよく行きましたが、雑談の中から、中小企業支援の現場を学べましたね。飲みに誘うこともよくありました。

仕事の依頼を受けるには、相手に気に入ってもらわなければなりません。何か嫌な感じがする人には、仕事をお願いしませんよね? 人間ですから、感情からスタートする。好かれなければ、最初のチャンスもつかめません。"可愛げがある、愛される、好かれる"ことは、独立して成功するうえで、大きな要素だと思います。感謝の気持ちを相手に伝えることも大切です。私は、心からの感謝の気持ちを表現するのが好きなのだと思います。

ブランド化の必要性を感じ、法人を設立

― 仕事が増えてくると、忙しくて大変だったのではないでしょうか。

コンサラートのサービス一覧
コンサラートのサービス一覧

仕事が忙しくなり、睡眠時間は削られ、休みもなくなっていきました。お世話になっていた中小企業診断士の方から言われた言葉があります。「仕事は断るな。できなければ紹介しろ」。依頼者は、私を信頼してくれていますから、私が信頼できる人物を紹介することで、依頼者は安心して依頼できます。同時に、依頼者は別の人を探す手間が省け、紹介先は仕事が増えて喜びます。そして私も、面目を保てます。こうして、WIN-WIN-WINの関係を築ける。この頃は、紹介できる人物を探すために、多くの飲み会に参加するようになりましたね。

― 紹介を重ねることで、依頼される案件がさらに増えていったのですね。

はい。でもしだいに、このまま個人事業主として、仕事を割り振るのが適切かどうかと疑問を感じるようになりました。そして、ブランドを持つべきだと考え、組織化したいと思うようになって生まれたのが、株式会社コンサラートです。平成20(2008)年のことです。

― 一緒に働くメンバーを選ぶときに、注意していることは何ですか。

キャラクターを見ています。人間性がもっとも重要ですね。まずは、どのような仕事でも、「ありがとう」とちゃんと言える人。もちろん、各々の専門分野も把握していますよ。

過去に、人選びで失敗したことがあり、「自分には人を見る目がない」と思うようになって...。コンサラートでは、メンバーになってもらう人には、事前に一緒に仕事をしてもらっています。すると、その人の本性が見えてくる。私たちを知ってもらうという意図もありますが、お互いに理解し合い、納得して仲間になってもらいたいんです。

― 人間性とは、具体的にはどのあたりを見ているのでしょうか。

コンサラートでは、"貢献意欲があるか"、"フレンドリーであるか"の2点を特に重視しています。貢献意欲のある人とは、おせっかいで、聞いてもいないのに「この情報、知っている?」と教えてくれるような人です。一方でフレンドリーな人とは、話が好き、人が好きで、仲間と一緒に何かをするのが好きな人です。当社では、情報を隠したがる人はNGで、同じ場所で一緒に仕事をしていると、人間性も見えてくるものです。

その他の場所でも、人間性が見られれば問題はありません。中小企業大学校の教え子で、メンバーとして活躍している人がいるんですが、実習での支援先への報告会で、社長の奥様が感動して泣いていたんですね。そしたら、発表している本人も泣いていた。「こいつはいいヤツだな」と確信しました。

(つづく)

岩岡 博徳(いわおか ひろのり)
株式会社コンサラート代表取締役社長
1973年生まれ。横浜市立大学商学部経営学科卒業、東京都立大学(現・首都大学東京)大学院経営学修士(MBA)。中小企業診断士、ITコーディネータ。半導体商社で経営企画などに従事し、2004年経営コンサルタントとして独立開業。2008年株式会社コンサラートを設立し、代表取締役に就任。経済産業省、農林水産省、厚生労働省、都県に属する行政機関のほか、金融機関などとも積極的に提携し、多くの中小企業支援を行う日々。