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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

経営者とコンサルタントの二足のわらじを履く診断士

文:茂木 君之(中小企業診断士)

【第1回】30歳で独立する

取材日:2013年9月4日

株式会社コンサラートの代表として、また経営者とコンサルタントの二足のわらじを履いて活躍する岩岡博徳さん。インタビューの第1回目では、30歳という若さで独立するまでの経緯についてうかがいました。

当初、コンサルタントとして独立する考えはなかった

― 中小企業診断士の資格取得を目指したきっかけを教えていただけますか。

岩岡博徳さん
岩岡 博徳さん

自己啓発として、中小企業診断士資格の勉強を始めました。平成10(1998)年のことです。当時は、新卒で就職した半導体関連の商社で、与信管理を担当していました。売掛金が回収不能にならないように、取引先の信用度を調査する仕事です。とは言え、決算書を読むこともできず、信用できる企業か否かを判断することなど、とてもできませんでした。「このままではまずい。経営の知識が必要だ」と感じ、漠然と勉強をするのでは飽きてしまいそうでしたので、中小企業診断士の資格取得を目標に設定しました。そのときは、独立しようなどとは、まったく考えていませんでしたね。

― 資格の勉強では、苦労されたそうですね。

手こずりましたね。資格取得まで5年かかりました。最後の1年間は、中小企業大学校に通いました。長い道のりでしたが、途中であきらめようと思ったことはありません。多大な時間とお金を犠牲にしてきましたので、「ここでやめたら、いままでの努力が...」と思い、もったいなくてやめる気が起きませんでした(笑)。

でも、5年の歳月をかけただけあって、知識はしっかりと身につきました。頭にこびりついています。資格の勉強で学んだことを、直接的にコンサルティングの現場で使うことはそう多くはありませんが、蓄積した知識は、中小企業支援をするうえで私の基盤となっています。コンサルタントという仕事に興味を持ったきっかけも、資格の勉強で中小企業白書を読み込み、中小企業の実態がわかったからこそです。

― 中小企業大学校での思い出をお聞かせください。

中小企業大学校は、私の第2の青春時代ですね。同じ目標を持つ仲間とともに未来を語り合う、青臭くも充実した時間でした。中小企業支援を志す仲間から刺激を受け、コンサルタントへの憧れが高まっていった時期でもありました。

中小企業大学校での実習(中小企業へのコンサルティング)は、本当に貴重な体験でした。それまで、中小企業の社長さんと話す機会など、まったくありませんでしたからね。当時はまだ、中小企業の社長さんを、生身の人間として見られていなかったように思います。目の前に社長さんがいらっしゃるのに、事例問題を解いているような感じというか...。相手の気持ちを考える余裕がなく、アイスブレイクもせずに、会ってすぐに「御社の経営理念は何ですか?」などと切り出してしまっていました。いま考えると、未熟でしたね。マニュアルどおりにすることで頭がいっぱいといった感じでしたので、相手の実情に合った提案など、とてもできませんでした。

資格取得後1年でコンサルタントとして独立

― 診断士資格を取得してから、コンサルタントとして独立しようという思いが高まったのですね。

コンサラートのロゴ
コンサラートのロゴ

いえ。コンサルタントへの興味は強くなりましたが、まだ独立しようとは思っていませんでした。「コンサルティング会社に転職したい」という願望が強くなっていったという感じです。

― その後、1年ほどで独立されていますが、どのような心境の変化があったのでしょうか。

中小企業大学校へは休職して通っていたのですが、会社に復帰すると、親会社の方針転換などによって社内文化がガラッと変わっていて...。お世話になっていた上司も辞めてしまい、復帰後に配属された部署では、人間関係の問題も抱えました。前の部署で上司に叱られた際には、同時に愛情も感じていましたが、新しい部署でのそれは誹謗中傷のようでとても苦しく、仕事をするうえで、人間関係がいかに重要かを実感しました。実体験として、組織における人間関係の大切さを学べたことは、現在の会社経営でも活かされています。

そうした中、コンサルタントという職種にひかれていたこともあり、退職を決意します。会社を辞め、転職先を探そうかと考えているときに、診断士予備校時代の先生から突然、連絡があったのです。

「会社を辞めたらしいね。時間があるなら、知り合いの仕事を手伝ってくれないか」。そのときのことは、鮮烈に覚えています。本当にびっくりしましたし、何とも言えない興奮を感じました。「会社という看板なしの、岩岡個人に仕事の依頼が来た」事実に、電流が走ったような感覚でした。

初めての仕事は、テキストの校正でした。無職でしたので、時間はありましたし、一生懸命に取り組んで、指定された納期より圧倒的に早く納品していきました。すると、次から次へと依頼がくるようになります。「頑張れば頑張るほど、はね返ってくる。これは楽しいぞ!」と思い、さらに頑張りました。そのうち、校正だけでなく、テキスト作成の仕事も頼まれるようになり、最終的には、ガイダンスビデオへの出演依頼まで受けるようになりました。会社のブランドを借りずに、個人で仕事をもらえることに、生きていることを強く実感できました。そしてしだいに、独立を考えるようになっていきます。

(つづく)

岩岡 博徳(いわおか ひろのり)
株式会社コンサラート代表取締役社長
1973年生まれ。横浜市立大学商学部経営学科卒業、東京都立大学(現・首都大学東京)大学院経営学修士(MBA)。中小企業診断士、ITコーディネータ。半導体商社で経営企画などに従事し、2004年経営コンサルタントとして独立開業。2008年株式会社コンサラートを設立し、代表取締役に就任。経済産業省、農林水産省、厚生労働省、都県に属する行政機関のほか、金融機関などとも積極的に提携し、多くの中小企業支援を行う日々。

会社名 株式会社コンサラート
創業 2004年10月
設立 2008年1月
資本金 1,000万円
社員数 18名(2013年10月現在)
所在地 横浜オフィス:神奈川県横浜市中区尾上町5-80 神奈川中小企業センター3階
渋谷オフィス:東京都渋谷区渋谷3-6-2 エクラート渋谷ビル4階(406号室)
ホームページ http://consulart.jp/
TEL 045-633-5215
FAX 045-633-5216