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文:原 千津(中小企業診断士)

【第3回】東ティモールのプロジェクトを終えて

本稿の最終回となる今回は、2012~2013年にかけて、国際協力機構(JICA)の委託を受けた調査チームのメンバーとして、東ティモールに赴いた中で、その中心となる現地での調査活動の模様について、後半分をレポートします。

インドネシア・ジャカルタでの活動

ジャカルタのASEAN事務局
ジャカルタのASEAN事務局

私たちは、第1回調査期間の途中で、東ティモールの"フォーカルポイント"4名を帯同し、通訳を含めて合計8人のチームで、インドネシアのジャカルタへ出張をしました。ジャカルタには、ASEANの本部であるASEAN事務局があります。東ティモールがASEAN加盟活動をするにあたり、その関係部署からの情報収集並びに関係構築は不可欠なものでした。

私自身は、ジャカルタ訪問は初めてでしたが、目覚ましい発展ぶりとその勢いに驚かされました。インドネシアは、ASEAN6としてASEANの中心的な国の1つであり、その成長を引っ張る大きな力が、24時間稼働する飛行場、超高層ビルの群れ、渋滞の激しい道路、そしてそこでの人々の活動からあふれているようでした。

出張チームのメンバー
出張チームのメンバー

約1週間の出張の間に、インドネシアJICAの協力を得て、IAI会議へのオブザーバー参加、ASEAN事務局各部門の訪問などを行いました。会議への出席や訪問先からのヒアリングにより、ASEAN側から向けられる目線を、私たちはもちろん、"フォーカルポイント"のメンバーも十分に感じていました。彼らは、ASEAN加盟に関して東ティモールが置かれた状況について、日々理解を深めていましたが、彼らの変わりつつある様子を出張中にうかがい知ることができ、帰国後の調査活動をさらに円滑に進めることができました。

セミナー開催

第3回調査期間において、これまでの調査活動の結果であるASEAN加盟に向けた課題の確認と、ASEAN 加盟に向けた意識統一を図るために、セミナーを開催しました。主催は、外務省と私たち調査チーム、発表者は、ジャカルタ出張チームのメンバー6名、招待者は各省庁の幹部職員、各国大使館員、関連機関関係者など約100名の規模で行いました。

セミナーの様子
セミナーの様子

セミナーの発表内容は、私たち調査チームの調査結果と、各省の"フォーカルポイント"のコメントという大きく2部構成に分けられました。その中で私は、"ASEAN加盟に向けた東ティモールの準備状況"という章を担当し、約30分間の英語でのプレゼンテーションに臨みました。

セミナー準備は、土日も休みなく行われ、当日を迎えました。外務省の大会議室に、大勢の人々が入ってきます。開始時刻である9時少し過ぎに、外務大臣の開会の辞で、セミナーは始まりました。途中、機械トラブルはあったものの、セミナーは当初の予定どおりに進み、外務省ASEAN担当庁の長官の閉会の辞では感謝の言葉もいただきました。こうして、4時間半に及ぶセミナーは無事、終了しました。

プロジェクトを終えて

東ティモールは、人口100万人あまりの小さな国で、面積は岩手県と同程度です。若年層の比率が高いため、これからの成長が期待できますが、現状は労働人口が少ない状態です。岩手県ほどの面積のうち、約3割が比較的整備された首都・ディリ近郊に居住し、残りの7割は、整備が行き届いているとは言えない地方に居住しています。

赤道直下の国のため、雨季と乾季があり、乾季には川に水がまったく見当たりません。土壌は決して肥沃とは言えず、農作物は輸入に頼り、特産品としてコーヒーを輸出しています。数年前に原油を産出したことで、現状の国家財政を支えていますが、ヒトとモノと時間が足りていません。

中小企業診断士は、多くの方が専門分野を持って活動しています。今回のような間接的な支援活動ではなく、直接的に支援活動に携わることのできる能力を持った方々がたくさんいることを知っています。培った経験や専門性を活かすフィールドは、国内だけでなく、海外にもあります。開発途上国の可能性を広げるだけでなく、ご自分の可能性を広げる機会として、ご一考いただければと思います。

東ティモールでは、多くの外国人や日本人など、同じように東ティモールを支援している方々を目にしました。私も、その一員として国際協力活動に携わることができたことを、誇りに思います。そして、私の活動が微力ながらも、今後の東ティモールの発展につながることを祈ります。

(おわり)

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原 千津(はら ちづ)

コンサルティングオフィスBrands代表。2001年中小企業診断士登録。会計業務、経営戦略、経営企画などを経て、2010年独立。現在は資金調達・財務戦略立案全般の支援、経営計画策定支援など、中小企業の将来を社長とともに考えるコンサル活動を行う。一方で、技術士とともに、一般社団法人ソーシャルテクニカを設立し、環境問題や省エネにも取り組む。(株)ワールド・ビジネス・アソシエイツ理事。
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