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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

マーケティングの力で企業の売上を伸ばす! 松原和枝さん

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第3回】診断士資格の魅力

取材日:2013年1月31日

マーケティングサービス会社を経営していた松原さんは、診断士資格を目指します。経営者でもあった松原さんが、なぜ中小企業診断士を目指したのでしょうか。最終回となる今回は、診断士資格取得のメリットや、独立を目指す人へのアドバイスを伺いました。

診断士試験にストレート合格

― 会社の経営をされている頃、診断士資格を取得されたのですね。

松原和枝さん

診断士資格を知ったのは、平成19(2007)年頃です。ネットショップなどのコンサルティングをして、お客様との付き合いが深くなると、お客様の問題がマーケティングだけではないことを認識するようになりました。お客様には、経営の問題・組織の問題・財務の問題などがあります。マーケティングの実力だけでは、大切なお客様の問題解決をするための力が足りない。「体系的に学べるものがないか」と探して見つけたのが、診断士資格でした。

― それで、診断士試験を受けようと...。

診断士試験の範囲に、自分の専門分野だったマーケティングがあったので、チャレンジしやすいのではないかと思い、大手資格スクールに入学して勉強を始めました。受験勉強期間中は落ち込むこともありましたが、全般的にはとても楽しかったです。内容的に興味のある科目も多かったですし、自分の仕事に役立つ実感があったからです。

― 診断士試験には、ストレート合格だったそうですね。

はい、おかげ様で何とか(笑)。本業のほうはスタッフに頑張ってもらい、試験勉強に集中しました。当社のスタッフは、独立前からの仕事仲間で能力が高く、また長年来の友人でもあります。信頼できるスタッフがいて本当にありがたく、いまでも感謝しています。

― この記事は、診断士受験生も読んでいます。受験生に何かアドバイスはありますか。

試験に合格するには、セルフマネジメントが大切です。試験で得た知識はもちろん、合格後に役立ちますが、合格に至るプロセスで得るものもあります。たとえば、タイムマネジメント能力です。働いている方は、仕事と診断士試験の勉強を、両方ともきちんとしなければいけませんからね。また、セルフコントロールも大切です。たとえば、模擬試験で点数が低くて落ち込んでも、モチベーションを回復させなければいけない。何が悪かったのかを把握し、「この失敗を活かすには何をすべきか」という前向きな考えにすぐに切り替えられるか、といったことです。

― タイムマネジメントやセルフコントロールが大切ということですね。

あとは、「絶対に合格する」という意志も大切なのではないでしょうか。資格スクールの講師に最初に言われたのは、「診断士試験に合格する秘訣は、『合格すると決めること』」という言葉でした。最初はどういう意味かよくわかりませんでしたが、試験直前あたりから、この言葉の意味が痛いほどわかるようになっていました。意志がしっかりしていなければ、合格にはたどりつけません。診断士試験に合格すれば、楽しい世界が広がります。受験生の方々には、ぜひ頑張っていただきたいです。

診断士資格をとって良かったこと

― 資格を取って、何か変わったことはありますか。

松原和枝さん

資格を取るまでは民間企業との仕事が中心でしたが、取ってからは公的な仕事の機会が増えました。正直なところ、診断士試験の勉強を始めるまでは、行政機関が中小企業の支援を手厚く行っていることをあまり認識していませんでしたが、資格取得後は、所属する東京都中小企業診断士協会城北支部のご縁もあり、公的な仕事も行うようになりました。台東区で新事業開拓・新技術開発促進関連の助成金審査に携わったり、荒川区で創業支援相談員を務めたりしています。

行政の方々との交流も増えました。たとえば昨年から、東京都産業労働局の女性職員と東京協会所属の女性診断士が交流する「なでしこプロジェクト」が始まりました。私も女性の独立系診断士ということで、城北支部を代表して参加させていただきました。参加されているのは、仕事でしっかりと責任を果たし、かつプライベートも楽しんでいらっしゃる素敵な方ばかりで、会食をしながらフランクに交流することができました。このように、資格を取得するまでは、まったく知り合う機会のなかった方々とも交流できるようになったことが、一番の大きな変化ですね。

― 公的な仕事や交流が増えたのですね。民間の仕事は、あまり変わりがありませんでしたか。

資格を取得してからは、ご紹介での仕事依頼が増えましたね。資格の裏付けがあるので、既存のお客様も、お知り合いにご紹介しやすいようです。「マーケティングが専門の松原さんで、彼女は診断士資格も持っているんだよ」という形で、ご紹介いただけることが多くなりました。そのようなとき、診断士資格のありがたさを感じています。

診断士試験にストレート合格

― このサイトは、独立を目指す中小企業診断士の方も見ています。何かアドバイスをいただけますか。

1つ目は、想定されるリスクをすべて挙げ、独立前にできるだけリスクを減らすことです。たとえば、独立直後から売上がゼロでも困らないよう、半年~1年分くらいは生活費を貯金しておいたほうがいいでしょう。貯金がないと、精神的にも不安定になってしまいます。また、見込み客を見つけておくことも大切です。当たり前ですが、売上はお客様からしかやってきません。最悪の場合の出口戦略も決めておくといいでしょう。私の場合は、独立後1年間活動して、1年目の年商がOL時代の年収よりも低かったらすぐに会社をたたみ、派遣社員になろうと決めていました。

― 出口戦略も決めていたのですね。その目標は、達成できたのですか。

はい。ラッキーなことに達成できました。2つめのポイントは、下請けではなくパートナーを目指すことです。言い換えれば、価格戦略に巻き込まれないこと。それには、顧客から見た自分の強みを認識し、訴求ポイントにすることです。なぜ仕事が来るかというと、お客様がそこに価値を感じてくれるからです。「私は○○ができます」ではなく、「お客様の抱えている問題を○○で解決できます」ということですね。「あなたでなければダメだ」と言われるようになれば、強いです。

― なるほど。

3つめのポイントは、「実績を作るために、最速で経験を積む工夫をすること」です。どんなコンサルタントでも、独立当初は1人のクライアントもいません。その実績のない時期からいち早く脱出し、コンサルティング経験を蓄積するための工夫が必要です。たとえば、お客様にとってノーリスクでのご提案です。具体的には、お客様にモニター価格でコンサルティングのご提案をし、実績が出たとお客様が感じていただけたら、自社HPの「お客様の声」に掲載させていただく許可を得たり、セミナーの事例に使わせていただいたり、ほかのお客様をご紹介いただいたりということです。お客様にもメリットがあり、自分の実績・ノウハウの積み上げにも役立ちます。

― お客様と自分の両方にメリットがある形ですね。これから独立を目指す方に、とても役立つと思います。どうもありがとうございました。

(おわり)

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松原 和枝(まつばら かずえ)
合資会社インスティル代表。中小企業診断士。日本女子大学文学部国文学科卒業後、PR会社、英国留学を経て、三菱商事(株)、(株)ジェリココンサルティングに勤務。平成12(2000)年に合資会社インスティルを設立。一貫して流通業のマーケティングデータ分析業務に携わり、かかわった流通業のデータ分析は150社以上。平成18(2006)年よりマーケティング・コンサルティング事業を開始。平成21(2009)年4月中小企業診断士登録。

会社名 合資会社インスティル
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