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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

事業承継支援のために中小企業診断士4名が手を組んだ「事業承継センター株式会社」

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第1回】中小企業診断士4名が設立した事業承継センター株式会社とは[1]

取材日:2013年1月12日

今回から3回にわたって、事業承継センター株式会社(以下、事業承継センター)を取り上げます。事業承継センターは、東京商工会議所の事業が縁で知り合った4人の中小企業診断士が役員となって設立した、事業承継支援に専門特化したコンサルティング会社です。第1回は、代表の内藤博さんに、事業承継支援の専門家となった経緯や、事業承継センターの活動内容をうかがいます。

事業承継支援のエキスパートになるまで

― 内藤さんが、中小企業診断士として独立された経緯をお教えてださい。

私は大学を出て、新入社員としてモーターマガジン社に入社しました。車とオートバイ、雑誌が大好きな、バブル成長期の典型的なサラリーマンです。ずっと営業畑を歩いていましたが、入社20年目に自己啓発として診断士資格を取得しました。取得と同時に役員に昇進し、3期6年を務めました。その後、同社を退職し、50才で中小企業診断士として独立しました。今年で独立10年目になります。

― 内藤さんが事業承継に携わるようになったきっかけを教えてください。

内藤博さん
代表の内藤博さん

私の母親の実家は、7代続いた食用油の問屋だったのですが、私が後継者になることを断った結果、事業承継に失敗して廃業してしまったのですね。そんなこともあり、事業承継については人よりも関心が高かったのでしょう。(一社)東京都中小企業診断士協会の中に事業承継支援をテーマとする研究会があり、そこで事業承継支援のノウハウをまとめたテキストを会員合作で作成しました。私は、テキストの編集委員として参加しましたが、そのテキストを、研究会の会長や幹事とともに、付き合いのあった金融機関を訪問して紹介したところ、今後、中小企業支援施策の1つとして、地域連携力拠点という支援窓口ができ、その支援項目に事業承継が追加される、と聞きました。当時はまだ、事業承継に詳しい専門家が多くありませんでしたので、東京商工会議所と多摩信用金庫の2ヵ所に応募したところ、採用してもらい、事業承継を支援する専門相談員として活動を始めました。同時に、経済産業省の中小企業支援ネットワークアドバイザーとしても採用されました。

東京商工会議所のコーディネーターを始めると、経営相談の中に事業承継の関連案件が山のようにあります。これは、相当数の会議所会員さんが、事業承継に悩みを持っているのではないかと思い、東京商工会議所に実態調査を提案して採用され、東京23区における事業承継の実態調査委員会の座長に任命されました。そして調査の結果、予想以上に深刻な、事業承継に関する問題を抱える小規模企業の実態が浮き彫りになりました。

― その後は、どのように事業承継支援に取り組まれたのでしょうか。

内藤博さんの講話
後継者塾で講話を行う

調査報告書を見たある出版社から、「事業承継に関する本を書いてくれないか。税金や経理の用語ばかりにならない、誰でもわかるやさしい言葉で書いてほしい」という依頼を受けました。引き受けたはいいものの、1人で全ページを書き上げるには、自分が持っている知識だけでは足りません。そこで、一緒に東京商工会議所で相談員をしていた仲間との共著にしました。「やさしく説明する」ために、1年近くを要して書き上げ、さまざまな方に読んでいただけました。中小企業支援機関や税理士事務所からの問い合わせもあり、「事業承継のセミナーを開催するので、講師をしてほしい」といった依頼につながりました。

セミナーには、事業承継に悩みを抱える多くの経営者にご参加いただきました。セミナー終了後には、数名の方からご相談をいただきました。相談対応は基本的に、商工会や信用金庫などの支援機関の無料相談窓口にご案内し、個別面談を行います。このようにして、支援実績が増えていきました。(1)出版につながることを意識して、何らかの文章を書く、(2)自分の知識を文字に落とし込む、(3)書籍の出版につなげる、(4)その書籍をたくさんの方に読んでいただき、セミナーを開催する、(5)セミナーで事業承継に悩んでいる方と出会い、相談に乗る、(6)相談から発展して顧問契約につなげる、という流れで、事業承継支援の実務を積み重ねていったのです。

1人での支援から、組織としての支援へ

― いままで1人で事業承継を支援されていたにもかかわらず、なぜ、複数の中小企業診断士と事業承継を支援する会社を設立されたのでしょう。

平成23年12月に、事業承継に特化して中小企業を支援する事業承継センター株式会社を立ち上げました。設立のきっかけは、東日本大震災でした。人の人生のはかなさや、思いなかばで亡くなった方の無念さに胸が詰まりました。

被災地の中には、経営者が亡くなったことで廃業した企業も多くあったと聞きました。中には、事業承継が間に合っていれば、継続できた会社もあったでしょう。

中小企業白書によると、年間7万社が事業承継に失敗して廃業しています。事業承継支援を私1人でやっていても、らちがあきません。ノウハウを確立し、全国に拡げて、若い人や次の世代の中小企業診断士に事業承継の専門家になってもらいたい。その思いから、仲間と一緒に会社を立ち上げました。

もう1つ、思いがあります。「自分がいままで構築してきたノウハウが、自分の一生とともに消えてしまうことは空しく、また社会的にも損失である。自身のノウハウを後進に伝えるために、組織として事業承継を支援しよう」。そんな思いから、会社組織を立ち上げました。この事業承継センターは、私個人の事業承継を実現するための会社でもあるのです。

そこで、金子一徳さんには副社長に、東條裕一さんと山口亨さんには取締役になってもらって出資を仰ぎ、4人の中小企業診断士で株式会社を立ち上げました。ITに強い山口さんが担当し、すぐにホームページも立ち上げました。書籍を読んだ読者がホームページを訪れ、九州や沖縄、北海道からも問い合わせが来ました。創業からたった1年の間に、全国でプロジェクトが動いています。

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【参考】

内藤 博(ないとう ひろし)
2002年中小企業診断士として独立。2011年事業承継センター株式会社を創業、より広範な事業承継の支援にあたる。次世代の専門家育成こそが、残されたミッションであると確信し、事業承継セミナー、事業承継専門家育成の研修・OJT教育に多くの時間を費やしている。

著作 「いちばん優しい事業承継の本」(共著)税務経理協会、「事業承継ノート・自分で作れる未来予想図」多摩信用金庫ウインセンター
参加組織 (一社)東京都中小企業診断士協会城西支部、事業承継研究会、BCP/CSR研究会
役職 「事業承継センター株式会社」代表取締役、関東経済産業局中小企業支援ネットワークアドバイザー、東京商工会議所中小企業相談センターコーディネーター、多摩信用金庫事業承継支援コーディネーター、農商工連携農業6次化専門指導員、高千穂大学経営学部事業承継コース非常勤講師、東京ノスタルジックカーショー広報委員長
E-MAIL hnaito@jigyousyoukei.co.jp

会社名 事業承継センター株式会社
設立 2011年12月
所在地 東京都豊島区北大塚2-3-12-702
ホームページ http://www.jigyousyoukei.co.jp
E-MAIL info@jigyousyoukei.co.jp
TEL 03-6903-7186
FAX 03-6903-7271
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