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開発途上国の中小企業振興支援に挑む

文:吉村 守(中小企業診断士)

【第2回】カメルーンに対する日本の中小企業振興支援の特徴[2]

オールジャパンの支援スタイル

中小企業、MINPMEESAバフサム支所の皆さん
中小企業、MINPMEESAバフサム支所の皆さん

カメルーンに到着後、MINPMEESA内はもちろんのこと、中小企業振興支援に関連する機関を訪ねてわかったのは、「起業家や中小企業にとってはFundingが大きな課題で、お金にほとんどの人の目が向いている」ことでした。

私は、支援のスタイルには、企業にとっての外部環境を改善(資金調達の容易化やTaxの軽減等)する形の支援と、企業の内部力を高めるためのサポートをする形の支援があると考えています。そしてカメルーンの場合、後者に目を向ける必要性を強く感じました。

人材以外に、これと言って目立った天然資源のない日本が、戦後急成長を遂げたのは、「小さいこと(事業)から始めて、知恵を絞って内部力を高め、たくさん売って原価を下げ、利益を増やし、将来への投資をコツコツ行う」といった地道な努力を重ねてきたからだと認識しています。このDNAを引き継いだ日本企業に育ててもらった私としては、日本の良い面を軸にした支援を企画・遂行したいと思っています。下記が、それぞれの時代に自分が経験したことのうち、今回の支援に役立っていると思われる内容です。

1.大企業の技術者の頃

  • 5S、改善(固有技術と小集団活動)、PDCAサイクルマネジメント

2.中小企業勤務の頃

  • 営業活動(主に見積もり活動)、小さな企業の組織活性化

3.中小企業診断士として(現在)

  • 創業支援...商工会連合会や商工会議所主催の創業塾に受講生として参加したことや、合同会社「夢をカナエル」のマスターコースで、仲間と一緒に創業セミナーを開催したこと
  • 経営診断...群馬県中小企業診断士会が金融機関とタイアップして行った中小企業の経営診断に参画し、先輩診断士から経営診断の手法や精神を学んだこと、さらには、群馬県産業支援機構の派遣専門家として企業の経営改善を支援していること
  • 経営革新支援...中小企業支援ネットワーク強化事業アドバイザーや商工会議所の経営指導員の方とともに、中小企業の経営革新計画作成を支援していること
  • 再生支援...中小企業再生支援協議会の専門家として企業再生を支援したこと
  • 東日本大震災後の中小企業支援...カメルーン渡航直前に、東北地方の商工会で経営相談にあたったこと
  • 開発途上国支援に関する学びと実践...(株)ワールド・ビジネス・アソシエイツの研究会での学びや、派遣専門家として各国での中小企業振興支援等に従事したこと

今回の執筆を機に振り返ってみて、これらの活動でお世話になった皆様や、今回の活動を支え続けていただいているJICA産業開発・公共政策部民間セクターグループ産業・貿易課とJICAカメルーン事務所の皆様等、いままで多くの皆様の支えをいただいてきたのだとあらためて思います。

つまりこれは、「オールジャパンの中小企業振興支援活動」なのです。私がこれらのことを経験するには、非常に長い時間がかかっていて、それをすべて技術移転するのは容易ではありません。しかし私は、「働き、創造し、役立つことに喜びを感じること」が大切と学んできました。であるからこそ、今回の活動で一番大切なことは、中小企業振興支援のテクニックのみをアドバイス・移転することではなく、MINPMEESAや関連機関の人たちと「中小企業振興の喜びや精神を共有すること」だと考えています。

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(つづく)

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