経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

開発途上国の中小企業振興支援に挑む

文:吉村 守(中小企業診断士)

【第1回】カメルーンで活かす日本の中小企業勤務&支援経験[1]

私は、2012年の4月から国際協力機構(JICA)の派遣専門家として、カメルーンで中小企業振興政策を支援するアドバイザー業務に従事しています。現在進行形の国際協力活動の実際を、カメルーンからレポートします。

開発途上国の支援に挑むことになった経緯

診断士資格を取得

吉村守

中小企業診断士の資格取得は、いまから18年前(1994年)にさかのぼります。当時は大企業に勤務し、工場の生産技術者として働いていました。しかし、「これから先、ずっと技術の仕事に偏ってしまってよいのか?」という疑問が生じ、視野を広げるために中小企業診断士の勉強を始め、運良く資格を取得できました。

その後、25年間勤務した大企業を早期退職し、約5年間の中小企業勤務を経て、2009年11月に中小企業診断士として独立しました。

国際協力活動に従事

あるとき、セミナーで偶然、開発途上国支援の活動を知り、中央アジアの生産性向上支援活動に参加することになりました。当時はまだ会社員でしたが、勤務先に約1ヵ月間の休暇を認めてもらい、個人的に活動に参画することができました。これが、私の国際協力活動の始まりです。

その後、中小企業診断士として独立し、国内での活動と同時に、(株)ワールド・ビジネス・アソシエイツ(国際的な活動を行う中小企業診断士で構成された会社)の一員として、国際協力活動にも従事することにしました。

今回のカメルーンでの活動は、JICAの公示(専門家の募集)「カメルーン国中小企業振興政策支援アドバイザー専門家派遣(中小企業振興政策支援アドバイザー)」に対して、(株)ワールド・ビジネス・アソシエイツのエキスパートとして応募し、参画が叶ったものです。

国際協力活動のやりがい

モチベーションの保ち方

中小企業省のメンバーとともにCCIMA(商工会議所)を訪問
中小企業省のメンバーとともに
CCIMA(商工会議所)を訪問

これは以前、パラグアイで開発支援を行っていたときの話ですが、セミナーを終えた私たち専門家に、若い経営者が話しかけてきました。「あなた方の目的を詳しくは知らないが、あなた方が行っていることが、この国の子どもたちを救ってくれます。ありがとう」。この言葉を聞いて、私は初めて相手国の人たちの思いの一端を知ることができました。この先も国際協力活動を遂行していくうえで、彼の言葉が心の支えになる気がしています。

また、東日本大震災の直後には、日本に対して開発途上国からたくさんの支援をいただいたと聞きます。これは、日本人が開発途上国に向けて行ってきた「心ある支援」に対する感謝の表れではないかと思います。

私も、国と国との架け橋としての役割を、コツコツと果たしていきたいと思います。この活動では、微力ながら自分が"日本の代表"ですから。

カメルーンという国

国家紹介

カメルーンは、中部アフリカに位置する共和制国家で、公用語はフランス語と英語です。私が活動拠点にしている首都のヤウンデ(旧フランス領で、フランス語が使われている)はほぼ赤道直下ですが、標高が730mと高く、年平均気温は約23度と過ごしやすい気候です。

ヤウンデでは、市民の足として黄色いタクシー(ほぼ100%がトヨタ車)が先を争うように走っています。数人の乗り合いで低価格なので、日本を訪ねたカメルーン人は、そのタクシー料金の高さに驚くそうです。

[ 1 ][ 2 ] >>

【参考】

【こちらもオススメ!】

プロフィール

吉村 守(よしむら まもる)
1980年京都大学工学部卒業。大手メーカーで複写機用現像剤の開発・生産技術・製造・工場立上げ等、ものづくりを実践し、技術開発部門で戦略策定、予算管理、組織向上活動の企画等を経験する一方、在職中の1994年に診断士資格を取得。その後、プラスチック部品製造会社の製造部長、建設機械部品製造会社の営業部長等を経て、2009年に中小企業診断士として独立。国内中小企業の事業再生、新製品開発、経営革新等の各種支援・診断実績を持つ。アジア・東欧・南米・アフリカ等、開発途上国の中小企業振興支援活動に従事。著書に『ものづくり式経営革新の手法―企業が元気になるヒントを再点検』(労働調査会)。一般社団法人群馬県中小企業診断士協会、(株)ワールド・ビジネス・アソシエイツ所属。趣味は、NHKのど自慢の予選挑戦。